貯金1000万の人たちは自動化していた!「勝手に貯まる仕組み」づくり

貯蓄は毎日節約に気を付けて、頑張らないとできない、と思い込んでいませんか?

 

実は、そのような根性論の節約は逆効果になることが多いのです。なぜなら、毎日気を付けて頑張るのはストレスが大きくなりがちで、ストレスがたまります。すると、その反動で我慢していた消費に走り、結果的に節約前よりも家計状態が悪化してしまうことにもなりかねないのです。

 

つまり、貯蓄をするなら頑張らない方法を選ぶことが近道です。仕組みさえ作っておけば、後は勝手に貯まっていくのが理想。

 

今回は、勝手に貯まる仕組みづくりについてお伝えします。

 

勝手にたまる仕組みづくりの王道は「先取り貯蓄」

貯蓄法はいろいろありますが、先取り貯蓄はもっともシンプルで確実な方法。多くの人が実践して成功しています。

 

それとは逆に、月末に残った分を貯蓄しようとしても難しいものです。

 

たとえば、毎月の収入から、決まった支払いの分は預金口座にプールしておくようにして、手元の現金が少なくなったらその都度ATMで引き出して使う。節約がうまくいったら月末の預金残高が多くなっているので、その分を貯蓄に回す。と、思っていたが忙しさにかまけて、お金はそのまま普通預金口座に。そのうち次月の生活費と一緒になってしまい、貯蓄分と思っていたお金はもうわからない…。

 

こんな失敗をしている人は、意外と多いようです。

 

そこで、先取り貯蓄です。収入があったらまずは貯蓄分を差し引いて、残りのお金でやりくりするようにすると、しっかり貯めることができます。

 

そのためには、貯蓄をいくらにするか、決めておかなくてはいけません。目安としてオススメなのは収入の20%。10ヵ月続けると、2カ月分の収入が貯まります。

 

今から始めれば、年末には給料2カ月分の貯蓄ができますね。

 

しかし、本当に20%の貯蓄が実現可能かどうかは、それぞれの事情によって異なります。

無理に高い目標を設定しても、月の途中でお金が足りなくなったら引き出さなければならず、目標は達成できません。始めは小さな目標でもいいのです。目標は達成することが大事です。

 

貯蓄額を設定するには、毎月何にいくら支出をしているかを確認することから始めましょう。

そして、節約できるところはないか考えたうえで、支出の予算を設定します。収入から支出の予算を差し引いた金額が貯蓄金額です。

 

貯蓄金額が決まったら、いよいよ勝手に貯まる仕組みづくりです。

 

最初に手間はかかりますが、いったん作ってしまえば後は勝手に貯まりますので、頑張ってやってみましょう。

 

オススメは、自動入金サービス、iDeCo、つみたてNISAの3つです。簡単にできるものから順番に紹介します。

 

1・基本中の基本は「先に天引き」、無料で自動化!

【定額自動入金サービス:毎月一定額を自動的に別口座に移す】

簡単:★★★ オトク:★ 確実:★★★

■銀行に

自動入金サービスとは、他の銀行から毎月定額で自動的に入金されるようにする仕組みのこと。

 

たとえば、毎月の給与はメガバンクに振り込まれるとします。そのメガバンク口座から、毎月自動で1万円を別口座に移動するように設定すれば、その後は放っておいても毎月1万円が別口座に入金されていくという仕組みです。

 

ただし、同一名義の口座間での取引に限りますので、家族への仕送りなどには使えません。あくまで、自分名義の〇〇銀行の口座から、△△銀行の口座に移す、というものです。

 

定額自動入金サービスをしている銀行は、住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、イオン銀行、ソニー銀行、セブン銀行などです。口座を持っていない場合は開設手続きをします。

 

面倒かもしれませんが、貯まる仕組みづくりには必要な口座です。大変なのは最初だけなので頑張りましょう。

 

口座の開設は、インターネットからできることが増えています。休みの日などに一気にやってしまうといいですね。

 

住信SBIネット銀行は、定額自動入金を利用すると毎月30円分のスマプロポイントが貯まります。スマプロポイントは500円分以上になると現金かJALのマイルに交換できるところがオトクでオススメです。

 

普段の買物でイオンを使うことが多いなら、イオン銀行がいいでしょう。イオンカードセレクトを作ると、普通預金金利がアップします。

 

海外によく行く人は、ソニー銀行が便利です。11通貨に対応しているSony Bank WALLETなら、海外での引き出しが現地通貨で可能になります。

 

口座開設が完了したら、定額自動入金サービスをインターネットで申し込みます。サービス名は金融機関ごとに異なっており、住信SBI銀行は「定額自動入金サービス」、イオン銀行は「自動入金サービス」、ソニー銀行は「おまかせ入金サービス」です。

 

手数料は無料で、入金日は月の上旬と下旬の2日設定されていることが多いようです。

 

先取り貯蓄にするのですから、給与が振り込まれる直後に設定しておきましょう。

 

口座開設は手間がかかりますが、すでに口座開設をしたことのある人なら手続きの流れはすぐに飲み込めるのでそれほど難しくはありません。

 

自動入金は普通預金口座に貯まっていくので、金利などのメリットは期待できないものの、元本保証なので確実性は◎です。

 

そこで、定額自動入金サービスは、簡単度は星3つ、オトク度は星1つ、確実性は星3つです。

 

2・1万円自動化するだけで、3万6000円もトクする!

【iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金):税金の優遇がメリット大】

簡単:★★ オトク:★★★ 確実:★

iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)は、節税しながら老後資金が作れるオトクな年金制度。月々5000円の掛金から始められるのですが、払った掛金は全額所得控除になり、所得税と住民税が安くなります。

 

たとえば、所得税率20%の会社員が月1万円の掛金でiDeCoをしたら、1年で12万円の掛金全額が所得控除になります。すると、所得税は税率が20%なので12万円×20%=2万4000円、住民税は税率が10%なので12万円×10%なので1万2000円、合計3万6000円も税金が安くなるのです。

 

iDeCoを始めるには、取り扱っている金融機関で申し込みます。銀行だけではなく、証券会社や生命保険会社も取り扱っていますが、オススメはインターネット証券会社などの手数料が安い金融機関です。

 

税金がオトクになりますが、手数料が高ければそれだけマイナスになってしまいますので、しっかり調べて選ぶことが大切です。

 

金融機関選びとともに重要なのが、iDeCoの運用先選び。自分で投資信託や定期預金、保険商品などを選んで運用をします。運用がうまくいけばお金は増えますが、損失を出して減ってしまうこともあり得ます。

 

大きなリターンを望めば、その分損失を出すリスクも大きくなります。あまり欲張らず、2~3%程度の運用益を目指す商品を選ぶといいでしょう。

 

また、iDeCoは60歳までは引き出しができません。それまでに手元のお金が足りなくなってしまわないよう、掛金の設定には注意が必要です。

 

iDeCoは、始めやすいように各金融機関ともわかりやすいインターネットサイトを用意していますので、それほどハードルは高くないでしょう。オトクな税制の優遇は、掛金が所得控除になるだけではなく、運用益が非課税、受け取る時にも優遇があります。

 

ただし、運用によって将来の受け取り金額が多くなることもあれば、少なくなることもあります。

 

そこで、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)は、簡単度は星2つ、オトク度は星3つ、確実性は星1つとしました。

 

 

3・投資のことなんて絶対考えたくない人こそ自動化して

【つみたてNISA:初心者向きの投資でオトクに資産づくり】

簡単:★ オトク:★★ 確実:★★

つみたてNISAは、初心者にも始めやすい投資の仕組みです。投資は元本保証ではないので怖いと思う人が多いのですが、つみたてNISAは金融庁の定めた基準をクリアした投資信託が対象になっていますので、安心して始めることができます。

 

手数料が安く、長期・分散・積立投資に適した商品がラインナップされているので、そのなかから選びます。

 

つみたてNISAを利用すると、年間40万円までの資金による投資は利益に対して非課税になります。通常であれば、利益には約20%の所得税がかかり、たとえ10万円の利益が出ても、手元には税金を差し引いた残りの約8万円しか残らないのですが、つみたてNISAであれば全額受け取れるのがオトクなメリットです。

 

非課税期間は最大20年間ですが、引き出しはいつでも可能です。

 

つみたてNISAは、先行して始まったNISAとは併用できず、どちらかを選ぶ必要があります。投資をしたことがなければ、ハードルは高く思えるかもしれません。しかし、金融庁のお墨付きの投資信託ですから、元本保証ではないとはいえ比較的安全です。利益が非課税なのも魅力的です。

 

そこで、つみたてNISAは、簡単度は星1つ、オトク度は星2つ、確実性は星2にしました。

 

仕組みづくりは手間がかかるが、それだけの価値がある

3つの方法をご紹介しました。仕組みづくりは手間がかかり、面倒だと感じたかもしれませんね。

 

しかし、仕組みはいったん作ってしまえば後は楽です。

 

1年に1回くらいは見直して、貯まったお金を使うのもいいですし、さらに有利な金融商品に投資するのもいいでしょう。

 

お金があれば、選択肢も増えます。

思い切って始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

タケイ啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録FPパートナー

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