「きゅうじゅうきゅうおり」ではない!「九十九折」の正しい読み方、知っていますか?
漢字単体には馴染みがあっても、時に予想だにしない読み方をする漢字に遭遇することがあります。
そこで本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します。
「九十九折」と書かれていたら、あなたはなんと読みますか?
「九十九折」なんと読む?
「九十九折」を辞書で調べると
① くねくねと幾重にもまがりくねって続く坂道。羊腸。
② 馬術で、坂道などを登るとき、馬をジグザグに歩かせること。
③ 鷹(たか)の翼の、背後から見て両翼の接する部分を三分した最も下の部分。引用元:精選版 日本国語大辞典
とあります。主に「山道など何度も曲がりくねって続く道」を指します。
数を数える場合であれば、「九十九」は「きゅうじゅうきゅう」と読むことができます。しかし「九十九折」と書かれていた場合は「きゅうじゅうきゅうおり」は間違いです!
正解はこちら!
正解は「つづらおり」です。
「九十九折」以外に「九折」「葛折」という書き方があります。いずれの読み方も「つづらおり」です。なお「つ“ず”らおり」ではありません(同音の連呼なので「づ」を用います※)。
「つづらおり」の語源には諸説ありますが、葛籠(つづら)と呼ばれる蓋つきの網かごの原料であるツヅラフジのつるが複雑に曲がりくねっていることにたとえた説がよく記載されています。
「九十九」なのはなぜ?
上記のような語源であれば「葛折(つづらおり)」と書くのは納得ですが、なぜ「九十九」を当てたのでしょうか。
これも諸説あるようですが、複雑に曲がりくねった様子を表すために数字を当てたけれど、「百」だと「百(もも)」の読みから連想される「桃」が決して曲がりくねった木ではなかったり、「百」という漢字の印象が複雑みに欠けていたり、といった理由で「百」から「一」引いた「九十九」となった説が見受けられました。
また「九十九」を「つづら」と読むのは「九十九折」の時だけ。数としての読み方以外では「つくも」と読むことが多いです。
この「九十九(つくも)」の読みの語源も
- 「九十九」に一本足す(つく)と「百(もも)」になるから
- 「つくも」は「つつも」がなまったもの。
→「つつも」は「つつ(足りないの意味)」と「も(百を表す)」、すなわち「百に(一つ)足りない」
など諸説あります。
いずれも当て字ではありますが、どの由来もどこかおかしみがありますね。
参考文献
- 瀬崎圭二監修, 『正しい日本語どっち? 500』, 平成28年5月20日, 株式会社 彩図社
- ※文化庁|国語施策・日本語教育 現代仮名遣い 本文 第2(表記の慣習による特例)
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