【地名クイズ】「ふちひ」ではありません!「不知火」は何と読む?
地元の人にとっては馴染みのある地名でも、知らない人にとってはなかなか読めないこともありますよね。漢字自体は簡単なのに、ちょっとイレギュラーな読み方をすることもあります。
そこで本記事では、意外な読み方をする地名のクイズを出題します!
「不知火」は何と読むでしょうか?
「不知火」は、ある現象を指す言葉でもあります。
地名でも読み方は同じですので、その現象を知っていれば読めます。
また、「不知火」という名前の果物もあります。それを知っていれば、やはり読めます。
地名だったり、現象だったり、果物だったりする「不知火」。
何と読むか分かったでしょうか・・・?
正解はこちらです。
「しらぬい」です。
不知火町は熊本県宇城市にあります。
「不知」は、「知る」を打ち消す「不」がついているため「知らぬ」と読んでいます。
論語を引用して「40才は不惑(ふわく)の年」と言うことがありますね。原文の「四十而不惑」を読むときは「四十にして惑わず」です。
「不知火」の「不知」も「不惑」と同様に、漢文のレ点を使った読み方をしています。
そして、歴史的仮名遣いでは「不知火」は「しらぬひ」と書きますが、発音するときに「ひ」は「い」と読みます。現在では、表記も音も「しらぬい」です。
つまり、「知らない火」ということですね。
「不知火」とは、熊本県と鹿児島県にまたがる八代海で見られる蜃気楼の一種で、夜間の海上で無数の光が点在してゆらめいて見える現象です。
八代海は遠浅の海が続くため、干潟の冷えた水面と大気との間にできる温度差によって、漁船で炊く火や光が無数の影像を作ったものとされています。
昔はそうした科学的な解明ができなかったため、怪火として恐れられていました。
景行天皇がこの地を訪れた際にこの怪火を見て、「誰が火を灯したのか」と尋ねたところ誰も分からなかったため、誰も知らない火=「不知火」と呼ばれるようになったそうです。
この不知火が見られるのは、旧暦で8月1日ごろ。現在でもこの時期に、この神秘の火を見ようと観光も盛んです。
毎年、旧暦8月1日(8月下旬~9月上旬ごろ)に「不知火・海の火まつり」が開催されています。※2020年は中止が決まっています。
そして、「不知火」は果物の名前でもあるのです。
実は、デコポンの正式名称は「不知火」なのです。
不知火は、清見オレンジとポンカンを掛け合わせて栽培した品種。生産をた不知火の地名にちなんで「不知火」と名付けました。
デコポンは登録商標です。糖度が13度以上でクエン酸が1%以下の条件をクリアした不知火が、デコポンの名称を使用できるのです。
では、デコポンではなく不知火として売られていたら、甘くなくて酸っぱいのか?というと、必ずしもそんなことはありませんよ。
デコポンに負けず劣らずの美味しい不知火もありますから、ぜひ試してみてくださいね。
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