「あらり」ではありません。「阿蘭芹」の読み方、知っていますか?
本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「阿蘭芹」です。
「阿蘭芹」の読み方は?
ヒントは野菜の名前です。現代では漢字で表記されているのを見ることはほとんどなく、カタカナ表記が一般的です。また野菜の名前ではありますが、好き嫌いが分かれる食べ物としても有名です。
「阿蘭芹」を辞書で引いてみると、以下のように説明されます。
オランダゼリとも。地中海沿岸原産のセリ科の二年草。葉は束生,長い柄を有し3出複葉で小葉は細かくちぢれる。花茎は高さ50cmほどで黄緑色の散形花を多数つける。全草に芳香があり,鉄分,ビタミンA,Cが豊富で西洋料理の添え物やスープの香味料などにする。
出典元:株式会社平凡社 百科事典マイペディア
“西洋料理の添え物やスープの香味料などにする”で思い浮かんだ人もいるのでは?!
それでは正解をご覧ください。
正解は……
「パセリ」です。
私がはじめて「阿蘭芹」が「パセリ」と読むことを知ったとき、「『阿』を『ぱ』と読むの?!」と大混乱したものですが、実際には「阿」の読みに「ぱ」はありません。
「阿蘭芹」の説明に“オランダゼリとも”とありますが、ヨーロッパ南東部およびアフリカ北部原産のパセリは、江戸時代にオランダ人によって日本に伝えられました。オランダは漢字で「阿蘭陀」と表します。「阿蘭芹」は「阿蘭陀(オランダ)からきた芹」を表しているのです。
江戸時代に日本に伝わったパセリが普及したのは明治時代後半以降のこと。なお、日本でパセリといえば、飾りや添え物の印象が強いと思いますが、『日本大百科全書(ニッポニカ)』によると、とんかつやオムライスなど、現在の洋食メニューを考案した銀座「煉瓦亭(れんがてい)」の初代店主・木田元次郎がとんかつに添えたことが影響している、とありました。欧米ではサラダやドレッシングなどの生食はもちろん、煮込み料理やオーブン料理など、幅広く使われています。
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