ホフディラン・小宮山雄飛さん「40代50代女性の美と健康に、僕はカレーをお勧めしますよ!」
「東急プラザ渋⾕」6 階「シブヤグラン食堂」内のシェアキッチンプロジェクト「もしも食堂」で、 音楽界の食通として知られるホフディラン・小宮山雄飛氏が全国のカレー名店を集めた「もしも食堂~WORLD CURRY FESTA(ワールドカレーフェスタ)~」をコラボプロデュース。 11 月 18 日(金)から 23 年 3 月 31 日(金)まで期間限定で開催中です。
会期は前半・後半に別れて一部のカレーが入れ替わるのですが、……なんでユウヒさんが東急プラザのお店をプロデュース? その経緯を聞きました。
本格的なスパイスカレー。自分でやってみたら思いのほか簡単だった
――ユウヒさんといえばご自身もJR渋谷駅の近く、桜丘にレモンライス専門のお店を出したほどのカレー通です。
『Lemon Rice TOKYO』は現在、オンラインでの通販のほか、カフェでの限定提供、デパート催事などでお楽しみいただけます。最新情報はツイッターでご確認ください。
18日から、東急プラザ渋谷にてワールドカレーフェスタ
着々準備中。 pic.twitter.com/3bUDVnebHa— 小宮山雄飛 ホフディラン ニューアルバムIslandCD発売中! (@yuhikomiyama) November 15, 2022
――その『Lemon Rice TOKYO』、なぜカレーではなく「レモンライス」という相当にニッチなところに着目したんでしょう?
カレー店プロデュースのお話が出たとき、僕がやるならまんまカレーではなくと考えて、レモンライスに着目しました。あくまでもレモンライスがメイン。レモンライスってすごくさっぱりして美味しいね、夏も冬もいいし、色も素敵だねと言っていただけました。
そもそも今から10年以上前、雑誌『dancyu』で食べ歩きの連載を担当したのがスタートです。カレーの記事は大変人気があったため、作る側をやってみてはどうかと言われました。試しに家で作ってみたところ、複雑そうに見えるスパイスの扱いも思ったほどには大変ではなくて。それからカレーを作る側に回りました。10年前というと今ほどはスパイス類を扱う店もなく、上野アメ横の大津屋に通って揃えていました。
――カレーのお師匠さんがいらっしゃるんですね。
誌面で最初に習ったのはエスニック伝道師として有名な渡辺 玲(あきら)さんです。その後、NHKの番組でカレーの作り方をご紹介する機会があり、ご家庭の主婦の皆さんでも簡単に作れるものをというリクエストでカレー粉を使うようになりました。これもまた簡単で楽しくて、しかも美味しくて。最後は趣味が高じて自分で『Lemon Rice TOKYO』を出店するに至りました。
――ミュージシャンのカレーマニア、他にも思い浮かびますが、なぜカレーなんでしょう?
いろいろな素材を組み合わせ、辛いもの、こくが出るもの、さまざまな要素を足し引きして、自分の個性で素材の魅力を引き出していくプロセスが、音楽を作る経緯と似ているのかもしれません。
ちなみに僕はお蕎麦も大好きで、カレーのお店のインタビューで言うのも何ですが、来年はお蕎麦をやりたいなと思っていたりもします。マイベスト蕎麦は浅草の『並木藪蕎麦』。王道の、東京らしい醤油の利いた古典的なお蕎麦でお酒を飲むのが大好きです。
――つまり、美味しいものと楽しいことが何でも大好きなんですね!
カレーのスパイスって薬膳の要素もあり、とても健康。冬ならば身体を温めてくれる食べ物ですし、スパイスの香りにはリラックス効果も感じます。さきほど更年期世代の女性にもおすすめできますかと聞かれましたが、僕は男性更年期に関することにも興味を持っていて、日ごろからストレス解消を心がけています。カレーを作るときの集中で悩みを忘れたり、気持ちを切り替えたりということもできると思う。
スパイスの調合ってものすごく知的な試行錯誤で、設計図を作ってひとつの作品に仕上げていくという点では音楽と極めて近いんです。忙しく働く女性のみなさんの美と健康のためにも、カレーは食べることも作ることもどちらもおすすめします。
カレー大好き弁護士【カレーロイヤー】ユッコ先生が語る「このカレーのここが推せる!」
今回のコラボでは、ユウヒさんが「⼀度は食べてみたいけどなかなか食べに⾏くことができない地方の名店」というテーマで厳選した4店が集合。渡辺玲さんの弟子にあたる先生からスパイスカレーを習った、いわばユウヒさんの同門弟子にあたるカレーマニアの弁護士・ユッコ先生(第一東京弁護士会所属)がその味を詳しくご紹介します。
「1度はぜひ気の合う4人で来店して、4つそれぞれのカレーをオーダー、食べ比べっこをしてほしいです。カレーは本当にエンターテイメント、こんなふうにそれぞれの個性の違いを楽しめる料理ってほかにはありません。それはこのカレーという言葉に、香辛料を使った料理、しかも異なる国の料理までもが含まれていて、一緒くたにされているからこそなのでしょうね。カレーという言葉は、るつぼ、混沌じゃないかなと思います(笑)」
以下の写真は前期、11 月 18 日~2023 年 1 月 25 日の提供内容。後期は1 月 26 日~3 月 31 日です。カレーはすべて1,265円(税込)というお手頃プライス。このほかサラダなのどの副菜、ラッシーやビールなどドリンクの提供があります。
「どのお店も普段『気軽に駆け込む』ことはできない、遠方の予約困難店や行列、限定販売のお店です。でも、渋谷だからこそ『今日はあれを食べよう』と夜遅くにふらり立ち寄る機会が生まれました。この幸運に感謝したい!」
ここまでコク豊かなタイカレーははじめて体験する。何度でも食べたい「バーンタイ」のレッドカレー
「タイ料理っていっぱいお店があって、グリーンカレーやレッドカレーもあちこちで食べられますが、いつものタイカレーのつもりで食べると既成概念を打ち砕かれる……なんだろう、全然違います。現地ライクな味がするのですが、それでいてとても食べやすく、なおかつとても強いコクがあります。
このココナッツの効き具合が絶妙で……自分で精いっぱい努力して作っても、悔しいけれどこうは完成しないことが一口食べてわかってしまう。うまからいんです。何がこんなに違うんだろう。最初にココナッツの甘さががつんときたけど、最後に辛いし、コブミカンも効いてるし……このコブミカンのフレッシュリーフは日本では本当に手に入りにくくて……(以下、迷いの中へ)」
この「肉食べた感」がすごい。イズミスタン発パキスタン「ザイカ・カレーハウス」のマトンカレー
「このマトンのカレーは、お肉を食べたな!!って満足感たっぷり。そういえば私、結構カレーの食べ歩きはしてきましたが、パキスタンのカレーをいままで食べたことがなかったことに気づきました。
検索すると、富山県の射⽔市、富山新湊近辺に中古車自動車輸出に携わるパキスタン人が集まる通称『イミズスタン』という地域があり、その周辺にはパキスタン人向けのガチなパキスタンカレー店がたくさんあるんですね。その中のレジェンドがこの『ザイカ・カレーハウス』だそうです。
このカレーはご飯にすごくあいます。いわばビーフカレーに近いカレーで、カレーのルーの部分はこのまま、中のお肉を牛にしてもばっちりだと思います。後期は鶏ひき肉とじゃがいものカレーに替わるんですね、それも楽しみ」
ストレスがたまったときにこの香りに癒されたい、スリランカ料理「紅茶屋さん」のチキンカレー
「このカレーはもはや漢方だよね。すばらしい香りに癒されます。いちばんわかりやすい例えは薬膳かな、どう考えても体にいいから、私ならば裁判続きで疲れてるときに駆け込んで食べて気力を回復したい。
このお店はもともとスリランカの紅茶を扱うお店で、マダムがご自宅でカレーを作って提供してくださっているんですね。私のカレーのお師匠さんも同じようなパターンですが、このスタイルの方々は極め方が半端ないので間違いなく美味しいです。一口ごとにとっても安らぎますし、香りもいいし薬膳のような味の展開も楽しめる。
今日は副菜の『ナスのモージュ』にも驚きました。ライスのお皿の上に5品乗った付け合わせのいちばん右で、ぱっと見は青菜に見えるのですが、食べるとなすの味がします。真剣にカレーを勉強してきた私もはじめていただいたお料理です。この5品は混ぜて同時に食べる前提でここに添えられていて、本当にマニアックなセレクト。本当にカレーは奥が深く、1歩踏み込むとまたドアが1枚向こうに登場します」
レモンという変化球がこれだけ人生にいろどりを与えてくれるとは。「Lemon Rice TOKYO」のレモンライス
「レモンライスを主軸にするという組み立ては、お米の味を細かく吟味する日本人だからこその発想ですよね。レモンライスとカレー、相互が引き立て合う見事なコンビネーションの一皿です。スパイスもクセがなく穏やか、刺激に慣れないお子さんたちでも美味しくいただける優しい味です。添えられた副菜と一緒に食べるとさらに味が深みが出て、これまでスルーされがちだった器部分のライスが持つポテンシャルを再確認します。
写真のレモンライス側に4つ添えられた副菜のうちいちばん右、『エキゾチックチリソース』はコクとうまみたっぷりのガーリックチリ。ちょっと衝撃的なおいしさです。別皿での追加もできるんですが、『Lemon Rice TOKYO』オンラインショップで扱いがあるみたいなので、このお店にも持ち帰り用を置いてくれたらサイコー!」
■ もしも食堂~WORLD CURRY FESTA(ワールドカレーフェスタ)
場所/東京都渋⾕区道玄坂 1 丁目 2-3 渋⾕フクラス内 東急プラザ渋⾕ 6 階
期間/ 2022 年 11 月 18 日(金)~2023 年 3 月 31 日(金)
営業時間/ 11:00~23:00 ※東急プラザ渋⾕の営業時間に準ずる
■小宮山 雄飛(コミヤマ ユウヒ)
東京・原宿生まれ。
1996 年ホフディランの Vo&Key としてデビュー。音楽活動以外にもラジオ・テレビ・ 雑誌など活躍の場を広げ、今最も多くレギュラー・連載を持っているミュージシャンであり、カルチャー・流⾏面で同世代へ大きな影響力を持つ⼀人である。 食通としても知られ、コラムの執筆やテレビ、ラジオ番組の出演などを多数こなし “音楽界のグルメ番⻑”の異名を持つ。オリジナルレシピをまとめたカレー本を 3 冊上梓。また 2015 年から自⾝が生まれ育った渋⾕区の観光大使をつとめている。18 年には日本初のレモンライス専⾨店「Lemon Rice TOKYO」を渋⾕にオープン。2022 年より渋⾕区の CEO(Chief Eat Officer)に就任するなど、多彩な能力を発揮してさまざまな活躍を見せるマルチクリエイター。
■カレーロイヤー【弁護士】ダテユッコ
将来娘にきちんと料理を教えようと思い日本料理教室に通ったことをきっかけに料理の楽しさに気がつく。日本料理を一通り学んだあと、次のターゲットを大好きなスパイスカレーに決め、師匠に教えをうけながら日々研鑽中。好きなカレーはインジプリ、好きなスパイスはクミンとカスリメティ、好きな付け合わせは茄子のアチャール。今年の目標は神田カレー街食べ歩きスタンプラリーを制覇することだが、道遠し。
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