3歳にして突然始まった潔癖症。これが「強迫性障害」のはじまり?【連載_東京こども4人育児日記 #2】
あまりにも突然に始まった潔癖症
長女の強迫性障害の症状が現れたのは3歳頃。ある日、保育園の先生から突然こんなことを言われました。
「長女ちゃんが泥遊びに誘っても嫌がるんです。手が汚れたらママに怒れるからって言っていますが……」
んん? 思わず聞き返してしまったほどの衝撃! 寝耳に水でした。
公園にも遊びに行くし、泥遊びをして手が汚くなったところで怒ったことなんてない。オキラクな私は、たまたまでしょ~なんて気にとめていなかったのですが……この日を境に急に長女の潔癖症は加速していったんです。
「せっかく手を洗ったのに、またドアを触ったら汚くなっちゃうよね」
「手を拭くタオルって汚くないのかな」
とにかく『自分の手がいかに清潔か』ということを気にする長女。
さらに困ったことが、保育園でのお着替えの回数! 外遊びやお昼寝前に着替えるだけではなく、トイレの前後や給食後、ことあるごとに着替えていたので、保育園から持って帰る服が膨大!
これを見かねた担任の先生が、こまめに声がけをしてくれたことで少し緩和。ただ、手洗いの回数はどうしても減らなかったため、幼児なのに手指にひどいあかぎれとひびわれができていました。
「汚くない?」何度も聞いてくる長女にウンザリ
長女が気にしていることは、細かいところまであげると他にもたくさんあるんです。公園の椅子に座ることで服が汚れてしまわないか、お友達が話している時につばが飛んだかもしれないなど、日常生活の中で気にしていない時がないくらい常に「汚れてしまわないか」を気にしていました。
中には、そんなことよく思いつくね!と思うくらいに妙なことを聞いてきます。
「あのオジサン、すれ違った時に汚い空気だしてないかな……」
それオジサンに失礼じゃん!
……と、今なら笑ってつっこめるけど、当時の私はあまりに連続する長女の質問に疲労困憊。
「大丈夫だって言ってるじゃん!!! もうやめなよ! しつこいよ!」
たまりにたまった思いが爆発した私。長女を心配していた気持ちが怒りに変わった瞬間でした。大きな声をだしてしまった私に、号泣する長女。
言った! ついに言ってやったぞ! これで少しは変わるかもしれない。怒りとともに淡い期待を持っていた私ですが、この言葉は彼女には決して響かなかった。むしろ、理解してくれない辛さがあったのか、さらに加速させてしまうんです。
「やっぱりわたしが汚いから、ママは怒ってるんだ」
こんなふうに自分のことを汚い存在だと思いこませてしまったのかもしれないと思うと、あの時の言動が悔やまれます。
病院を受診するということ
また、当時の私は、荒れた手にしか注目ができませんでした。
とにかくひどい状態の手を治すことに必死! 皮膚科を受診しては、保湿クリームとステロイド剤を処方してもらい、保育園の登園前と降園時、入浴後や就寝前、とにかくこまめに保湿クリームを塗る! 乾燥や寒さが厳しい時には必ず手袋をはめて、ひどくならないようにする。
小さなことだけど、私ができる精一杯のことでした。
現在では「強迫性障害」の診断を受け、適切な声がけとケアをしています。
思い返してみると、「どうして繰り返して手を洗うのか」という根本的なことにすぐに注目していれば、もしかするともっと早く長女をラクにしてあげることができたのかも……と思うこともあります。
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