「私のことは私が決める」。52歳女性医師が2年がかりで挑んだ意外な「自己変容」とは
日々が飛ぶように過ぎていく中、自分のあり方に漠然と迷う40代50代。まるでトンネルのように横たわる五里霧中ですが、そんな中「ほんのちょっとしたトライ」で自分のあり方を捉えなおすには、「最初の一歩」に何をしてみればいいのでしょうか。体験談をご紹介します。
カオルさん
佐賀県在住、52歳、麻酔科医師。ねこ2匹とのソロ暮らし。TOP画像はグレイヘア移行期にかぶったお気に入りの帽子、ただしかぶる機会はそれほどありませんでした。
【私を変える小さなトライ#4】前編
「50歳になったらグレイヘアにしよう」と思っていたら、48歳でコロナ禍が
こんにちは、52歳になりたてのカオルです。私のトライはちょっと大きめ、脱・白髪染めを決心して、2年がかりでナチュラルなままの髪、「グレイヘア」に移行したお話です。2020年の終わりに48歳で白髪染めをやめ、つなぎのためのブリーチをスタート。2年後、50歳でグレイボブになりました。それから1年少々たって、いまは鎖骨下のセミロングです。ヘアドネーションをしたいので、30㎝まで伸ばそうとトライ中です。
もともと50歳で白髪染めをやめたいと思っていましたが、2020年、48歳のときにコロナ禍が到来しました。急に人に会わなくなって、外出も最低限の通勤経路のみになり、「やるなら今でしょ」と思い切って、予定より少し早い48歳の10月からグレイヘアへの移行を始めました。
なぜ白髪染めをやめたかったのかと言うと、シンプルに白髪染めに疲れたからです。
私は麻酔科でも夜間呼び出しを外れているのですが、仕事の密度は濃く、多い日にはオペ3、4件に入ります。長いオペなら10時間かかりますし、責任業務の時はオペをかけもちするので、体力・精神力・集中力の必要な緊張感の高い仕事です。
ありがたいことに土日は当番を外れているので休めますが、でもこんなにぐったりしている中、貴重な休みを費やして月に1回ヘアカラーに通うことに心底疲れていました。
白髪染め通いのしんどさに加えて、夜中のホットフラッシュもつらかった
もうひとつ、44歳ごろから始まったホットフラッシュも原因でした。私の場合、夜中に頭頂部に大量に発汗して、その汗がしたたる冷たさで目が覚めます。ぐっしょりのパジャマを着替えて、ずぶ塗れの髪をドライヤーで乾かさないと風邪をひいてしまいます。
たかが汗という人もいるかもしれませんが、3日に1回は夜中にもうろうとしながら着替えて、眠くて気が遠くなる中でドライヤーをかけるので、ひたすらしんどくて。メンタルもどんどん削られていきます。
当時はセミロングでしたが、この髪を乾かす手間を少しでも楽にしたくて、やっぱり次でショートにしよう、どうせ切るのならばこの機会にグレイヘアに移行しようと決心したのが前述の10月の白髪染めのタイミングでした。
とはいえ、すんなり決心できたわけでもなく、そこから次の11月の予約までの間にさんざん迷いました。グレイヘアにすることで周囲に何を言われるか……想像もつきませんでした。
困難なことがあったとき、何かを「変える」ことでストレスは減らせる
いっぽうで、私は一人暮らしということもあり、なにか不都合や困難が起きるたびに生活の細かなことを変えて対処してきました。
たとえば、30代後半から更年期症状によくある「手指のこわばり」を自覚していました。当時ホルモン値を検査したわけではないのですが、ドアが開けにくい、お皿を落とす、手指が痛むなどの症状があって。エクオールサプリを飲んで手はややマシになりましたが、お皿を何度も割ってしまったため、軽くて丈夫なお皿に入れ替え、菜箸をトングに変え、鍋も軽いものに変えてと、不調に合わせて環境を整えました。
このような小さなトライの連続で更年期の不調を乗り切ってきたので、髪だって不調に合わせて変えたほうがいいよね、と。
ここまでの前編記事ではカオルさんが脱・白髪染めをしてグレイヘア移行を決めるまでを伺いました。続く後編記事では実際にグレイへア移行を行ってみて「気づいたこと」を教えてもらいます。
スポンサーリンク