「12歳年下の男」に口説かれて…。勝ち組女性が溺れた不倫沼と、その末路【エリート銀行員たちの不倫事情】前編
自分のキャリアのために、後輩を利用しようとした女性
マキさんは夫と息子と娘の四人暮らし。都内の営業店で、法人営業課長を新しく務めることになりました。課の部下は、上場企業の連結子会社であるA社を担当していました。
「銀行の融資枠は、それぞれの会社に対してでなく、グループ全体で設定されます。だから時には、親会社と子会社で、融資枠を奪い合うことになるんです」
子会社の銀行担当者が取引先から「枠を増やして欲しい」と頼まれた場合、まず親会社の銀行担当者に相談をします。銀行内の力関係は、当然「親会社の担当者」の方が上。親会社の銀行担当者から断られた場合、子会社へは断ることになっていますが……
「A社では、どうしてもやりたい案件がありました。課の目標は達成するし、好事例として本部にも名前が売れると思ったんです」
上場企業の銀行担当者は、大きい会社だと3名ほどいます。今回もそうでした。
「彼らについて調べていると、一人は大学の後輩でした。12歳下なので、キャンパスにいた時期は被っていませんが」
マキさんはMARCH出身。早慶以上が多数を占めるメガバンクでは少数派です。
「大した成果を上げなくても出世していく同僚と違い、私には実績が必要でした。私みたいにMARCHの女性で課長になれるのって、相当レアなんですよ。大半は学歴コンプレックスに押し潰されて、転職していきます」
ベンチャーを立ち上げたけどうまくいかない夫を支えなくてはならない、という事情もありました。
そこで彼女が内線をかけたのはMARCHの後輩の慎也さん(仮名・28歳)。彼を利用して、案件を成約させる。そう固く決めていたはずが、大きく道をそれていくことになるのです。
好印象な彼。利用するだけの関係のはずが……
「電話口で、慎也さんの第一印象はかなり良かったです。ハキハキと大きな声で、澄んでいて。声というか話し方って、性格が出るんですよ。お腹から声を出せる大人の男性って、実はあんまりいないんです」
マキさんは耳が良く、声が良い男性が好きでした。彼女が案件について説明すると、彼は『子会社の要望を出来る限り聞いてあげたい』と返してくれました。『でも僕だけの権限では決めることはできないので、上司たちに相談してみます』と。
「会話をしながら、行内の電話帳に掲載された写真を見つめていました。彼はスポーツに打ち込んできた人間が持つ、真っすぐな瞳をしていました」
通話を終え、横に座る部下から「課長、何だか楽しそうでしたね」と冷やかされた時、マキさんは戸惑いました。しかし彼女は確信していました。慎也さんとのやり取りに恋だとか愛だとかは一切ないけれど、同じ波長に乗っていることは間違いない、と。
翌日、慎也さんから内線がありました。それは良い知らせと悪い知らせ、両方をもたらしましした。『良い知らせは、上司も子会社の枠を増やすことに賛成だということです』と彼は言います。『悪い知らせは、”その代わりに、既存の分も含めて貸出の利率を上げろ”と指示を受けたことです』。
マキさんは唇を噛みしめました。利率を上げれば、確かに銀行全体の利益は上がります。しかしA社は嫌がるに決まっています。子会社に枠を譲る代わりに、彼らが考えそうなことでした。『でも、お客さんはなんて言うかしら』と遥さんは言いました。彼女は新任で、取引先と深い関係性を築けているわけではありません。それに対する慎也さんの返答は、思わぬものでした。
『僕も一緒に交渉しに行きましょうか?』と彼は言ったのです。
いよいよ慎也さんと対面。マキさんの手を握って、彼はなんと…▶▶後編「12歳年下の後輩に口説かれて…勝ち組女性がはまった泥沼と、その末路 後編」に続く
1 2
スポンサーリンク