「こんなバレ方するなんて…」不倫の落とし穴にハマった40歳勝ち組女性。イケメン上司との末路は(前編)
彼女のゲームを変えた者とは
講演会でスピーチを終えた後、アオトさん(仮名・47歳)が話しかけてきました。彼は人事部の副部長にふさわしく、王者のような風格をまとっています。黒のタートルネックの下には鍛え上げられた肉体があることが分かり、ネイビーのパンツからは、すらりと長い足が伸びています。髪は健康的で、1本の白髪も見当たりません。
メガバンクで人事部の副部長といえば、神に近い特権を持っているとも言えます。ほとんどの行員が55歳で定年を迎えて関連会社や取引先に出向してしまう中、彼は役員となって銀行に残るだろうと噂されていました。
「副部長が直に講演を聞きに来るなんて、滅多にありません。何か非難されるんじゃないかと思って、ドキッとしました。」
しかしスミレさんの予想に反して、彼は『さすがだね。女性行員の鑑だ、やっぱり君を指名してよかった。素晴らしかったよ』と褒め称えてくれました。行員に向けた講演会でのスピーチは、何の実績にもなりません。そのため今まではこのような講演会を断っていたのですが、今回は『副部長からのご指名です』と頼まれて、受けていたのです。
「彼は褒めてくれましたが、仕事のことで褒められることには慣れています。それよりも『かわいいね』『何もできなくてもいいよ』とか、甘やかしてくれる言葉をかけられたい。内心ではそう思っていたんです」
彼はハンサムだけど他の男性と同じで、私を『育児と仕事を両立する、世間的に都合のいい人間』としか思っていない。そう思って適当にお礼を言って立ち去ろうとすると、彼は言いました。『でもどこか、脆さがあるよね。そこが魅力的だよ』と。
彼女は彼の目を見つめました。数秒の間ですが、彼の大きく黒い瞳の奥に、何かを見た気がしました。
彼は『アンケートの結果について軽く共有したいから、この後に時間もらえる?』と言います。彼女は少し迷い、承諾しました。廊下を歩き、エレベーターの前で彼は『あ、しまった。今日はノー残業デーだった』と言います。
このままでは『じゃあ後日、アンケートを送るね』となってしまう……彼が魅力的だからというわけじゃない、せっかくの人事部門の副部長との接触機会を流すのはもったいないからだ。そう言い聞かせて、彼女は返しました。『じゃあ軽く飲みませんか?』と。
彼は一瞬、驚いた顔をしました。
しかし『仕事の話なので30分で終わりますよ』と彼女がたたみかけると、ゆっくりと頷きました。
▶▶後編「情事の果てに彼女を待っていたものとは……イケメン上司と不倫に溺れた女性の末路」に続く
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