「あぁ、こんな格好で…」ハンサム上司との不倫。背徳的な情事に溺れた女性の末路は【エリート銀行員たちの不倫事情】前編
スミレさんにとって春は、花粉よりも憂鬱なものをもたらしました。
「プロ野球には、うんざりしています。夫は試合の結果を気にして、呼びかけても生返事。家にいるのに、心ここにあらずです」
夫は試合をリビングのテレビで観ている時は、ソファから動きません。観戦を邪魔されたくないからと、子ども達にはそれぞれにスマホを与えて動画漬けにさせています。
「家事も育児もやらないなら、帰ってこないで欲しい。でも以前、小言を言ったら『離婚だ!』と騒がれて……。夫は野球のことになると、頭がバカになるんです」
夫が応援しているチームが勝つ度に、スミレさんの心は沈んで行きました。チームが勝つということは、その分、試合も増えるということです。
「夫が早く帰ってくるのは、野球の試合を観る時だけ。他の日は、どこで油を売っているのか分かりません。私が求めていたのは、もっと会話の多い家族でした。でも、きっと無理なんでしょうね。仕事の悩みを話したり、育児の相談をする相手は、夫以外にしようと思いました」
そこでスミレさんが選んだ相手は、自分でも思いもよらない人間でした。
翌朝、家から逃げるように早めに出社をすると、上司のマサオさん(仮名・45歳)がため息をついていました。理由を尋ねると『会員制の寿司屋の予約を取れたが、一緒に行く相手が急遽キャンセルになった』とのこと。「奥さんと行けばいいのでは?」と聞くと『家庭内別居状態なので』と返事が返されました。
「驚きました。エリートの彼は娘さんを音大に入れていて、美人の奥さんがいて、何もかもうまくいってるイメージだったので」
他の行員が出社してきて『……この話は、また今度にしましょうか』と彼は話を切り上げました。業務中も、スミレさんは彼のことが気になって仕方ありませんでした。彼が昼食に席を立った頃合いを見計らって、彼女は食堂まで後をつけて行きました。
食堂で彼の隣に座ると、彼は『そんなに僕の不幸が気になりますか?』は言います。彼女は慌てて否定して、こう答えました。『私も家にいても孤独なんです。夫も子ども家にいるのに、ひとりぼっちなんですで……ごめんなさい。興味ないですよね。こんな話』
彼は黙ってそばをすすりながら、ぽつりと言いました。『いいえ。問題に気づいてる時点で、解決の糸口は見えていますよ。現状把握ができていれば、問題解決の7割は終わったようなもんです』。ビジネスパーソンらしい口調に、彼女はくすりと笑いました。『貴女はそうやって笑っている方が似合います』と彼は言い、『どうですか。寿司、好きですか?』と尋ねてきました。
「今まで上司を、そういう目で見たことはありませんでした。でも、改めて見れば、それなりに魅力があるんです。ハンサムと言ってもいいくらい」
彼女は快諾しました。そして、約束の日がやってきました。
▶食事、そして路上で……
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