【独占告白】梅宮アンナからメッセージ「私、7月31日に乳がん治療を始めました」

こうして病を得たことで、私はいちど立ち止まった。そして気づいた私の「本当の心」

思えば、宣告を受けた日の夜は、何年かぶりにぐっすり寝ました。不思議ですね、私、「これで休める」って思ったの。きっと内心、長年の芸能生活にいったんお休みをいただいて、私が新しく自分の道を進み始めるミッションの始まりなのだと気づいていたのだと思います。

 

父、梅宮辰夫が亡くなって約4年たちました。当初は相続に忙殺され、その後はお仕事として相続に関する発信を続けてきました。そんな中、やっぱり芸能界って私の身の丈に合っていないんじゃないかと改めて思っていて。人がやっていないこと、自分にしか体験できないことは何なのか、それを見出そうと必死で、正直言って毎日が楽しくなかった。もうこれで人生終わっちゃうのかな、インスタこそ楽しく配信しているけれど、そのほかは毎日がとっても空虚でした。長生きもしたくないな、母なんて自分でタクシーも呼べないけれど、きっと私も80歳になったらその時代のスマートデバイスなんて使えなくて、後れを取ってお荷物になって生きていくんだな。「長生きなんてしたくない」、普段からそう友人にも言っているくらいでした。

 

振り返ると、私は自分を芸能人だと思ったことがありませんでした。芸能人のみなさんってとんでもない才能を持つ人たちで、そんな中で私だけ分不相応にこの場にいる、私にはこの世界は向いていないといつも思っていましたし、それがいつでも自分に対する大きなプレッシャーでした。

 

いま毎日ぼーっとテレビを眺め、登場しているみなさんを尊敬の念をもって見つめています。ずっとずっと、背伸びをして、なんでもできるふりをしてニコニコしていました。「アンナちゃん、疲れてない?」って聞かれたら、どんなときでも「疲れてません!」とニコニコ答えます。芸能界ではどんなときでも疲れていないと言いなさいと教わったからです。そんな自分はもう、体力的にも演じ続けられない。

 

いま、私ははじめて立ち止まることができたように思います。これまでとにかく何もかもが忙しすぎました。ディナーのテーブルに最後までついていられることはまれで、次の予定ですと言われて席を立たなければなりませんでした。でも、病気がわかって、お仕事をいったんお休みさせていただいてからは、ひとつひとつのできごとを味わうようになりました。最後のコーヒーまでじっくり堪能してから席を立つようになると、景色ががらりと変わり、人生が楽しくなりました。いろいろなことのありがたみもわかるようになりました。嗅覚も味覚もこれまでとは違うんです、何を食べても最高においしい。誤解を恐れずに言うと、毎日が楽しいんです。

 

今日も母とマンゴーを食べて、こんなにおいしいの!って驚きました。恥ずかしながら、マンゴーに種があることを知りませんでした。フルーツも野菜も嫌いで食べてこなかったから。でも不思議と体が「いま食べるべきもの」を欲するようになり、生まれてはじめてこんなにたくさん食べています。キウイなんて食べたこともなかったけれど、健康にいいよと言われて食べてみたら、こんなにおいしいんだって感動して。大げさに思うかもしれませんが、泣いてしまいました。

 

クラウディアさんと「お昼はマックにしようか!」「いいね!」なんて笑っていると、こんなに時間がいっぱいあることに嬉しくなってしまいます。私は小学校、中学校のころからいつでも居場所がなかったけれど、いまひとつひとつそれを見つけ出している気持ちです。今回のできごとはこんな具合に、突然降ってきた「身の丈に合った自分の生き方を見つめ直す機会」なのだと捉えています。

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