娘のために頑張っただけなのに……!40万円の人気ブランドバッグがキッカケでトラブルに発展した50代女性の話

次女からまさかのお願いに、開いた口が塞がらない

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愛知県在住の妙子さん(56歳/パート勤務)は、2才年上の夫、22歳と21歳の娘を持つ女性です。しっかり者の長女に比べ、次女はやや甘えん坊で我が儘な性格。しかし、娘が可愛いばかりに夫、妙子さんもやや甘やかしているところがあったそうです。

妙子さんの娘たちは、それぞれ大学へと進学しました。長女は地元にある名古屋市内の大学、次女は東京都内の私大へと進学することに。次女が通っている大学は、お嬢様も多く通う私大でした。

幸い夫が大企業に勤めるサラリーマンであり、年収も高かったため、大学費用はなんとかなったそうです。2人の娘が大学に進学して、ホッとしたのも束の間のことでした……。

次女が大学に進学してから1年経過した頃、「お母さんにお願いがあるんだけど」と連絡がありました。次女の話によると、なんと「エルメスに行って、40万円前後で購入できる『ピコタン』というバッグを買ってきて欲しい」とのことでした。それを言われた時は、妙子さんの驚きの固まってしまったそうです。

妙子さんは、その話を聞くなり「あなた、悪い人に騙されているんじゃないの?」と娘に一言。そもそも妙子さん自身、自分が持っている中で一番いいバッグが、アウトレットで購入した「ケイトスペード」の2~3万円相当のバッグのみ。服やバッグにお金をかけた経験がない妙子さんからすれば、40万円前後の値段がするバッグを購入するという感覚は全く理解できなかったとのこと。

また、妙子さんの次女も地元にいる時は、物欲がそこまである方ではなかったそう。だからこそ、次女の発言を聞いて不安を覚えたそうです。

すると妙子さんの次女は、「周りはみんな、エルメスもCHANELも、お母さんのお下がりだったり、買ってもらったりしている。自分だけが、何も持っていなくて惨めな気持ちになる。お金は、バイトで稼いだお金で払うから。東京都内はエルメスもお金持ちが多くて、フリーのバッグはほとんど回ってこない。名古屋なら、まだ手が入るんじゃないかと思って」とのことでした。

 

次女が「ピコタンが欲しい」と言い出したため、エルパトデビューをすることに

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妙子さんは次女の話を聞くなり、すぐさま「見栄を無理して張ろうとしても、いつか虚像はバレるだけよ。そんなの、みっともないだけ。私は、そんなことはやりませんから」と叱責。

すると、次女が受話器越しに「なんで、お母さんは若いうちにCHANELやエルメスのバッグを買ってくれなかったのよ! お母さんが持っていれば、私は今無理をしてエルメスの店舗に回る必要だって、惨めな思いだってしなくて済んだのに!」と言いながら、大号泣。

妙子さんはどうしていいのかわからず、夫に相談することにしました。すると夫は、「東京のお店で回って無理なことなんだろうから、おそらく名古屋でも無理じゃないのか? 名古屋も、お金持ちの人はかなり多いから……。とりあえず数回お店回ってみて、ダメだとわかったらすぐ諦めるだろう。2~3回お店回って『ダメだった』と伝えればいいよ」とアドバイス。

そこで妙子さんは、唯一家にある「ケイトスペードのバッグ」を片手に、エルパトをスタートすることになったのです……。まさか、その道が想像以上の「いばらの道」とは知らずに……。

 

富裕層のマダムやキラキラ女子たちに囲まれ、惨めな気持ちに

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妙子さんが住む名古屋では、エルメスの店舗が3つ。そのうち名古屋駅にある高島屋は長蛇の列だったため、栄にある三越、松坂屋の店舗のみに絞ることにしたそうです。

列に並ぶのは少ない時で2~5人ですが、多い時は1時間ほど並ぶことも。妙子さんは店舗に行く度に、訳もわからず「ピコタンはありますか」と尋ねていましたが「あいにく、今日はバッグの入荷はございません」と言われるばかり。

やがて列に並ぶ人に「どうやったら買えるんですか?」と聞くようになると、「人によっては、1時間毎に並んでやっとピコタンをゲットした人もいるみたいですよ」「何度かちょこちょこモノを購入して、顔を覚えてもらうとバッグを紹介してもらえたりするかも」といったアドバイスを貰えるようになったそうです。

ただ、妙子さんの予算は「次女のバイトで貯めたお金と、妙子さんのへそくり貯金」を合わせた、約50万円程。色々な話を聞くうちに「これは、私たち家族が足を踏み入れる場所ではない…‥」と悟ったと、妙子さんは語ります。

店舗の前には、煌びやかなジュエリーや高そうなバッグや洋服をお召しになった方々ばかり。キラキラしたマダムたちでひしめき合っていました。妙子さんは普段着でお店の前に並んでいたので、他の人と比べて「惨め」な気持ちになることもしばしば。この時はじめて、次女が「周りの裕福な子と比べて、惨めになる」という気持ちを自分の身をもって実感したとのこと。

また、何度も出向くうちに「これは、何としてでもゲットしなきゃ」という気持ちと、「どこかで手を引かないと、取り返しのつかないことになるのでは」という葛藤で揺れ動くことになったそうです。

その後も、何度か次女から「お母さん、買えた? 買えた?」と連絡が来るように。妙子さんからすれば、1人暮らしをする次女と連絡のやり取りが増えたのも、エルパトのことがあったからだとか。次女と今までよりもマメに連絡できて、相手の近況を知れるという意味でも、妙子さんからすればエルパトはそう悪いものではなかったと語ります。

しかし、妙子さん自身もパートの仕事がある上に、家事もしなければならず、そこまでエルパトに時間を割くこともできないと悟り「もう、辞めない?」と次女に提案したそうです。

すると、次女が受話器越しにブチ切れるように……。

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