「がんと告知され頭が真っ白に…」YouTubeチャンネル登録者数20万人の”がん専門医”が教える「主治医にまず聞くべきこと」

5.治療の目標(がんの根治・延命・緩和)

主治医に、治療の目的をどこに設定するのかを聞きます。がんに対する治療の場合、主に次の3つのケースが考えられます。

 

①がんを完全に除去あるいは全滅させる治療(根治または完全寛解)

②完全に治すことは難しいが、がんをこれ以上進行させないようにして少しでも長生きすることを目指す治療(延命治療)

③がんに対する積極的な治療はせず、患者さんの苦痛を和らげる治療(緩和治療)

 

また、そこに目的を定めた理由についても尋ねましょう。

 

 

6.主治医のすすめる治療法とその理由

主治医から、病状の説明に引き続き治療法についての提案があると思いますが、その治療をすすめる理由を聞きましょう(例えば、ガイドラインで推奨されているからなど)。

 

もしその治療法がガイドラインに沿ったものでなかったら、ガイドライン通りに治療を行わない理由を確認してください。

 

 

7.治療に伴う合併症、副作用、後遺症

どんな医療行為にも、必ず合併症、副作用、後遺症といったデメリットがあります。医療行為による効果(メリット)が、これらのデメリットを上回ると予想される場合のみ、治療として成立します。

 

しかし、ときとしてデメリットがメリットを上回る場合があります。高齢の患者さんの場合や、もともと持病がある場合には、リスクが高まります。

 

例えば手術の場合、手術後に起こる可能性のある合併症(手術に伴って起きてくるさまざまな症状やトラブル)や頻度、また手術によって死亡する確率などについて事前に医師に確認しましょう。

 

 

8.予定される治療期間

手術の場合には「手術後どのくらいで退院できるのか」、抗がん剤治療の場合には「どのくらいの治療期間が予想されるのか」、放射線治療の場合には「何回(どのくらいの期間)の照射が必要か」など、予想される治療期間について確認しましょう。

 

 

9.標準治療以外に考えられる治療法について

標準治療以外の治療についても聞いてみましょう。また、必要ならばセカンドオピニオンについても検討してみてください。

 

 

10.選択した治療がうまくいかなかった場合の次の手段
当初の治療法がうまくいかなかった場合、次の治療手段があるのかについても確認しておきましょう。

 

 

 

>>【関連記事】「がんの治療法の情報をしっかり集めて」YouTubeチャンネル登録者数20万人の”がん専門医”が教える「セカンドオピニオンを上手く活用する方法」

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■著者 佐藤典宏(さとう・のりひろ)

帝京大学福岡医療技術学部教授。福岡県生まれ。九州大学医学部卒。2001年から米国ジョンズ・ホプキンズ大学医学部に留学し多くの研究論文を発表。1000例以上の外科手術を経験し、日本外科学会専門医・指導医、がん治療認定医の資格を取得。多くの人にがんに関する情報を提供するため、公式YouTube「がん情報チャンネル・外科医 佐藤のりひろ」を開設。チャンネル登録者数は20万人を超える(2025年4月現在)。『専門医が教える最強のがん克服大全』(KADOKAWA)、『がんにも勝てる長生き常備菜』(主婦と生活社)など著書多数。

がん情報チャンネル:https://ganninfo.jp

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