別居して3年。離婚せずにいた40歳女性が 、夫から慰謝料請求された「落ち度」とは?払わずに正式離婚するには…【行政書士が解説】

元カノとの関係を知ってから、体調に異変が!

夫の不誠実な女性関係を目の当たりにして、聖さんのメンタルが無事だったわけではありません。聖さんは夫のニヤついた顔が脳裏をよぎるたびに、身体に異変が生じるようになったのです。例えば、お腹が痛くなったり、胸が苦しくなったり、喉が焼けるような感じがしたり……。筆者は「きっとストレス反応ですね」と説明しました。

もっとも酷いときは心臓の鼓動が激しすぎて、息ができずに窒息してしまうのではないか。そんなふうに錯覚するほどの衝動に悩まされていました。

聖さんは「このまま死にたくない!」という一心でエナジードリンクを一気飲みしたり、外食先で激辛料理を注文したり、イヤフォンで大音量の音楽を流したり…と、自分を奮い立たせるようなことばかりしていました。「あのときは無理やりテンションをあげることで、夫のことを忘れようとしていました」と聖さんは回顧します。

 

しかし、夫は相変わらず、みゃー子と連絡を取り合っているようで、なかなかきっぱり別れるという約束を守ろうとしません。聖さんが「どうなっているの?」と確認すると、「お前との仲が上手くいっていないから、彼女が必要なんだ。彼女に話を聞いてもらうことで、家庭が円満になるなら、それでいいだろ?」と独りよがりな持論を展開したのです。これではどちらが本命で、どちらが浮気なのか分かりません。

聖さんは「自分が何を言っているか…分かっているの?あなたのやっていることは不倫なのよ!」と断罪したのですが、夫は「僕は誰でもいいわけじゃない。彼女が必要なんだ!」と本心を暴露し、家を飛び出したきり戻ってこなかったのです。

実際のところ、聖さんも直近の半年間は性生活がなかったことを後ろめたく思っていました。そのせいもあって、即座に夫のことを責められず、出ていこうとする夫を引き留めることに躊躇したそうです。

 

 

家を飛び出した夫とは音信普通のまま3年が過ぎ…

このように夫は妻である聖さんではなく、元彼女であるみゃー子のほうを選ぶという暴挙に出たのですが、聖さんは「主人にとって私は何だったの?」と思い悩み、夫に対して「戻ってきて」と促したり、「もう一度、話したい」と頼んだり、「もう離婚してください」とあきらめたりするなどの行動を起こさなかったそう。

筆者が「なぜですか?」と尋ねると、聖さんは「正直なところ、ホッとしました。主人が帰ってこないと、こんなに気持ち的に楽なの⁉…って!」と振り返ります。

 

別居するまでは家賃や水道光熱費、保険料の引き落としは聖さんの口座。食費等もすべて聖さんが負担する代わりに、夫が毎月、給料日に5万円を渡す形で暮らしていました。現在、夫は住んでいないので、これらの費用はかかっておらず、聖さんに生活費を渡す必要はありません。とはいえ、聖さんと夫は“一応”は夫婦です。半ば強引に別居状態にさせられたという経緯があるにせよ、必要最小限のやり取りは必要でしょう。

別居したことで、夫が負担していた毎月の生活費ももらわないのが聖さんにとっての平常になっていきました。お金のことでやり取りをする必要はなく、夫婦でありながら音信不通の状態に。そんなふうに何の進展もないまま月日が流れ、3年が経過したとき。思いもよらぬトラブルが発生したのです。

 

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