「発達障害の子ども」をダメにする、親の「10分後にゲーム終わりね!」の声かけ。なぜNG!?「伸ばす」ための接し方とは?【発達支援コンサルタントの「効果があった方法」】

家庭の遊びはそもそも「区切り」がつけづらい

例えば、家庭には、子どもの大好きなおもちゃやゲーム、動画を見るためのタブレットやテレビなど、遊べるものがあふれています。保護者からの制約がなければ、学校とは違って好きなものに没入できる条件が揃っています。

 

そのなかでも、ゲームは特に注意が必要です。

ADHD(注意欠如・多動症)の子どもは、自分の行動に対して強い報酬を受け取ることに快い刺激を感じます。ゲームでは、自らアクションを起こしてそれが成功すると、必ず何らかの報酬を得られます。発達障害の子どもは特にそこに強い快感を得て、はまりやすいのです。

 

ASD(自閉スペクトラム症)の子どもは、こだわりが強く、自分の好きなものに没入します。今のゲームは、そもそも子どもが没入しやすい仕組みで作られているため、強いこだわりが強化されやすく、やればやるほどゲームに没入していきます。

 

インターネットを通じて行うオンライン・ゲームなどは、私から見てもまるで沼のようです。そこにいったんはまってしまったら、なかなか抜け出すことができないでしょう。没入感が圧倒的で、途中で簡単に終わりにできない仕組みになっているのです。

 

そして、ゲームにしても、動画にしても、いったん始めると、区切りをつけることが非常に難しいものです。夕食の支度ができて子どもに声をかけても、ゲームや動画をなかなかやめてくれないといった悩みを抱えている保護者は多いですよね。

 

学校と違って、家庭は時間割通りに物事が進む場所ではありません。夕食を例に取っても、それぞれの家庭の事情により、日によって時間帯がバラバラだったり、急に外食になったりすることもあるでしょう。子どもにとっては、そうした日常的な変更が、保護者の身勝手に映ってしまうこともあります。

 

 

まずは発達障害の特性を理解して、子どもの「納得」を引き出すのがポイント!

遊びの区切りをつけられない子どもと、決められた時間内に遊びをやめさせたい保護者。それぞれに事情があります。では、どのように解決すればよいのでしょうか。

 

保護者が最初にすべきことは、子どもの特性を理解することです。そのうえで、子どもがしているゲームや見ている動画の内容を、ある程度把握しておくことです。

 

「○○まで進められたら、手を洗ってごはんを食べようか」などと誘導することで、子どもに区切りをつけさせることができます。

 

子どもの特性を無視して、こちらのルールを押し付けても、うまくいきません。特に発達障害の子どもの納得を引き出すのは難しくなります。

 

対立を深めるのではなく、子どもとうまくコミュニケーションを図りながら、ゲームや動画などを上手にコントロールしていくことが大切です。

 

 

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