「発達障害の子ども」をダメにする、親の「10分後にゲーム終わりね!」の声かけ。なぜNG!?「伸ばす」ための接し方とは?【発達支援コンサルタントの「効果があった方法」】
【具体例②】「大事な話なのに、子どもが聞いていない」。話をスルーしがちなのは発達障害の特性。カバーするには?
✖ダメにする
「お耳ついてないの?聞こえてないの?」と責める
〇伸ばす!
「大事な話があるときはチャイムを鳴らす」といった特別な合図を決める
ASDの子どもはこだわりが強く、ゲームなどに熱中していると、保護者が話しかけてもその声が耳に入らないことが多いですよね。
しかも、普段から聞きなれている保護者の呼ぶ声を聞くだけでは、それが「大事なものか」「大事ではないものか」をなかなか判断できないのです。
定型発達の子どもは、保護者の声のトーンから、「あっ、これは今、言うことを聞かないとまずいパターンだな」と判断しますが、発達障害の子どもは、声に潜むトーンの違いを判断することが苦手なのです。
そのため、重要度の高い話があるときには、通常とは異なった方法で働きかけましょう。
例えば、レストランで店員さんを呼ぶ際に鳴らす「チーン!」というチャイム。100円ショップでも売っているこのようなチャイムやベルなどを鳴らして合図にします。
「これが鳴ったら、大事な話があるときだよ」と、子どもには事前に伝えておきます。
もちろん、この方法を使うのは大事な話があるときだけです。1日に1回程度にとどめましょう。1日に何回も使ったら、たちまち効果が薄れます。
「チーン!」と鳴らし、「今日、ゲームはどこまでやってよいか」などを相談します。これを習慣化できれば、成長するうちに、チャイムがなくても「大事な話があるよ」と言うだけで、こちらの言葉を聞いてくれるようになります。
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■BOOK:『』小嶋悠紀・著
■著者 小嶋悠紀 (こじま・ゆうき)
発達支援コンサルタント、株式会社RIDGE SPECIAL EDUCATION WORKS 代表取締役、特別支援教育総合WEBマガジン「ささエる」編集長。
1982年、長野県生まれ。信州大学教育学部を卒業後、長野県内で小学校の教員を務めながら、特別支援教育の技術などをテーマとする講演を全国で実施。特別支援学級担任・特別支援教育コーディネーターとして、発達理論・科学的知見に基づいた発達支援を10年以上行い、2023年4月より独立。これまで延べ3000人の子どもの支援に関わる。直接的な支援のみならず、教育技術研究所との共同による発達支援製品開発、各都道府県・市町村の教育委員会や生徒へのセミナー・研修・講演会、Web連載、メディア出演などでも活躍。著書に『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ接し方大全』(講談社)『イラストでわかる 特性別 発達障害の子にはこう見えている』(秀和システム)などがある。
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