「発達障害の子ども」の多くが悩む「対人関係」。子どもをダメにする、ついやりがちな「親のしかり方」とは?【発達支援コンサルタントの「効果があった方法」】
【具体例①】「友だちに一方的に話してしまう」場合、会話が成り立つようにするために何を教えますか?
✖ダメにする
「自分の話ばかりしないで!」としかる
〇伸ばす!
応答が生まれる会話の具体的なテクニックを教える
会話をする際、自分の好きなテーマについて、一方的に話す子どもがいます。これは、特にASDの子どもに多い傾向です。
ASDの子どもは、相手の気持ちを想像できないため、自分の長い話に相手が「飽きた」「長すぎる」「つまらない」といったネガティブな反応を示しても、なかなか気づけません。これが続くと、友だちも嫌になってしまいます。
好きなことを一方的に話す子どもに、「自分の話ばかりしないで!」としかっても、なかなか改善しません。次のような具体的な会話のテクニックを教える必要があります。
・1分間以上、一方的に話をしない ・会話のなかで「どう思う?」と質問する ・友だちの質問には必ず答える ・ 相手の質問内容がわからないときには、「もう一回言ってくれない?」と聞く ・相手が話しているときに、自分の言葉をかぶせない ・話の途中で、相手の態度や表情を確認し、「めんどくさそう」でないかを考える ・会話の「ターン」が自分にあるときだけ話をする ・相手の話を横取りしない ・「へー」「そうなんだ」などのリアクションをする
これらのテクニックを教えるだけでも、会話がかなり成立するようになります。
会話で重要なのは、言葉のキャッチボール、つまり「応答性」です。しかし、こう説明しようにも、今の子どもの多くはキャッチボールの経験がないので、その意味が理解できないことが多いのが現実です。
そのため、私は「ターン」という言葉を使います。ターンとは、ゲームなどでよく使われる概念で、「順番」という意味です。
「今は私の話すターンだよ。あなたがしゃべるターンじゃないから、私のターンが終わるまで待っててね」と言えば、今の子どもは理解しやすいでしょう。
相手が話しているとき、自分の言葉をかぶせることも、よくある失敗パターンです。そんなときも、「相手の話すターンで話し始めないでね」と言えば、子どもも理解しやすくなります。
【次ページ】≪具体例①≫「ゲームに負けると怒り、パニックになる」場合、親が見せるべき「姿」とは? 「次は勝てるよ」は慎重に
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