知られざる「伝統女子幼稚園のお受験」はOGであろうと「ご縁がなかった同級生もいる」恐怖の世界。「幼児教室の説明会では、私一人だけが着ていなくて」
「あのしんどい幼稚園受験をしたのに、また小学校受験をするなんて、正気?」でも理由もごもっともで
Bちゃんはエスカレーター式に進学しましたが、同じA女子学院幼稚園に入園しても、小学校から別の進路を選んだ家庭もあるそうです。
「まだ幼いコミュニティの中にも、特に活発なお子さんは何人かいました。例えば、運動会でも演劇でも鬼ごっこでも、勝負強く“勝つこと”にこだわるリーダータイプです。そうしたお子さんの一部は、内部進学はせず、私立や国立の共学難関小学校へ進学されました。ずっと同じ顔ぶれで学ぶ“良くも悪くも“調和のある環境”では、本人も親御さんも物足りなかったのかもしれません」。
れいなさん自身は、高校卒業までA女学院で学びましたが、実際大学進学で初めて共学となった時に、新しい環境に戸惑うこともあったそう。
「隣の席に男の子がいるだけでソワソワしたり、同じ教室に名前すら知らない同級生が多いことにも慣れませんでした。一度、学食で目を離した隙に財布を盗まれたことがあって……。『自分は社会を知らなすぎるのかも』『危機感が足りないのかも』と大きなショックを受けました。ですがその体験を機に、もっと自分を鍛えようと海外ボランティアに参加するきっかけになりました」。
れいなさんは、多様性が叫ばれる新しい時代を生きる娘にとってどんな環境がベストなのか、今も考え続けているそうです。
「正直、外部受験をしたお友達の近況を聞くと“別の道もアリなのかも”と思う瞬間はあります。でも完璧な正解なんてなくて、結局は娘の力を信じて支えていくしかない。親と子は別の人間ですから、どこまで守り、どこから自立を促すか。その塩梅が本当に難しいですね」。
ここまでの前編記事では幼稚園受験の話を伺いました。つづく後編記事ではまた別の視点で挑むこととなる小学校受験について伺います。
▶「共働きでも小学校受験はできる」ものの、周囲との経済格差はものすごい。ただし「いつ受験に向き合うか」の設計ができる
※本作は取材に基づいたストーリーですが、プライバシーの観点から、個人が特定されないよう随時事実内容に脚色を加えています。
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