万博に行った東大生の感想に「なるほど!」。同じテーマでも、パビリオンで異なるメッセージとは?AIなど最新テクノロジーと人間の幸せな付き合い方

人間以外をどう扱うか。テクノロジーは人間が支配するものではない!?

あと、おばあちゃんについてはテクノヒューマニズム(テクノロジーを利用して人間の身体能力や認知能力を拡張しようとする思想や運動のこと)的だなと思った。アンドロイドに脳を移植するけど、それはアンドロイドではなくおばあちゃんとして扱われるんだよね。人間中心主義(自然環境は人間が利用するために存在している、人間がもっとも進化した存在であるという信念)的でもあると思う。

 

一方、ベルギーは、うちの医療はすごいんだぞって展示なの。

病気の予防と修復と生命の限界を広げるがテーマで、展示の中に「ライフサイクルを超えて新たな未来を開く」っていうキャッチコピーがあって、「いのちの未来」から感じたライフサイクルの再生産とは対照的で胸が熱くなった。

ベルギーはAI義足も紹介していて「義足が人間から学ぶべきです」って言葉が印象的だったんだよね。人間が義足に合わせるんじゃないの。

人間とテクノが融合していて、テクノロジーは人間を補助をするものではなく、人間が支配するものでもなく、両者が双方向的なものに感じた。

 

そこが「いのちの未来」と違う。

 

でも、Xを見ると「いのちの未来」をおばあちゃんと孫の感動物語と受け取っている人もいたんだよね。

友人は「個人的な意見なんだけど」と繰り返し、まるでそれが一般論であると認識されないように、常に自分が正しいと思っていると捉えられないように、慎重に話してくれた。

 

「いのちの未来」から放たれる強い思想を不快に感じ、相対的にベルギー館をより魅力的に思ったことが伝わってきた。

 

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