あの平凡な東大生が!?インカレサークルで他大生からなぜか「カリスマ扱い」されるその理由とは

うっかりミスを積み重ねる。それでも彼がカリスマと言われるワケ

それからしばらくして、合宿前の顔合わせを兼ねた食事会の案内が届いた。日程を調整する「調整さん」を開くと、20日分の日付が用意されている。一つひとつに回答するが、場所も時間も分からない。昼なのか夜なのかも分からない。

Aくんは食事会に参加したことがないのだろうか。場所も時間帯も分からないのに、予定を入れられるわけがない。案の定、いつまで経ってもほとんどの学生が入力しないまま、30名のうちの5名ほどで食事会をしたようだ。

この日程調整と並行して、合宿の参加費の振込があった。振り込んだ後、完了画面をスクリーンショットし、ファイルの名前を変更しGoogleドライブ上にアップロードする。少し手間だが、すぐにやらないとタスクがたまってしまうので、取り組んだ。しかし、何度やっても振込ができない。試みすぎて、口座が凍結されそうだ。

何か不具合があるのかもしれないと思い、2日ほど様子を見ることにした。すると、「口座番号が間違っていました」というLINEがグループに投稿された。

「大事なことは複数人で確認する」という態度は社会人特有のものなのかもしれない。

また、これと並行して、「ホテルにはアメニティがありません。ご自身でお持ちください」と案内があった。

参加費として徴収された金額は安く、ホテルに泊まるには不十分であった。「本当にホテルか?民宿なんじゃないか?」とずっと思っていて、合宿数日前に住所を尋ねたら、やはり民宿であった。情報を正確に伝える意識がないのかもしれない。

かなり厳しめで見るようになってしまったので、一緒に参加する友人たちと「合宿中はAくんを育てないとダメだね」などと話していた。だから、サークル内ではカリスマ扱いされていると知って驚いた。

他大の1,2年生たちはみな口を揃えて「カリスマ」と言うのだ。

カリスマだと思うなら、顔合わせのための調整さんにすぐに入力し、参加費もすぐに振り込むべきだと思うが、そうはならないのが大学生である。基本的にはいい加減で、誠実さのかけらもない。

 

東大の中にいると、一部の天才たちと触れ合うことで自分の凡庸さに気づき、挫ける。

だが、社会に出ればAくんのようにカリスマ扱いされる可能性が高いだろう。それくらい大学で様々なことを圧倒的な物量で学び、成長している。それは一般的な社会人の20年分くらいの価値がある。

 

38歳で東大に入ったからこそ、そう思う。

 

 

■編集部より

子どもの勉強方法や受験・塾についてなど、「通信簿オールB」から東大合格したさんきゅう倉田さんへぜひお悩みをお聞かせください!

 

『お金持ちがしない42のこと』さんきゅう倉田・著 990円(10%税込)/主婦の友社

さんきゅう倉田さんの連載をまとめた電子書籍。kindle unlimitedメンバーなら無料で読めます!

アマゾンはこちらから

1 2 3

スポンサーリンク