【2025ベストプレイス】「ありがとう大阪万博!人生がカラフルになった」7回行った私が振り返る「行ってよかった場所」、あなたはどうですか?

仕事だけでなく、家事に介護に育児に地域にと、それぞれがそれぞれの立場で多忙な日々を送るオトナサローネ執筆陣。彼女ら&彼らが各自の目線で今年「買ってよかったもの&行ってよかった場所」を語る、2025年ベストバイ&ベストプレイスです。

 

2025年行ってよかった場所として「大阪万博」を挙げてくれた西田梨紗さんは、若手アメリカ文学研究者でもあるライターさん。オトナサローネではNHK大河ドラマの歴史背景解説記事を『光る君へ』『べらぼう』と2作手掛け、大ヒットも多数抱える実力派です。西田さんの記事一覧はこちらから。

2025ベストバイ&ベストプレイス

*TOP画像/大屋根リングとミャクミャクのぬいぐるみ

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合計7回行きました!「大阪万博」の世界観に感動

大阪万博が閉幕し、2カ月以上経ちましたが、万博の熱気は冬の寒さにも負けず健在です。12月3日には音楽特番「2025 FNS歌謡祭」(フジテレビ系)にミャクミャクが登場。また、あべのハルカス近鉄本店(大阪府大阪市)では「大阪・関西万博報道写真展」(12月17日から2026年1月5日)が開催予定です。

大屋根リングとミャクミャクとガンダム、ミャクミャクハウス

万博ブームはまだまだ続きそうですが、私が”今年一番行ってよかった”と思った場所は、やっぱり大阪万博、および万博関連スポットです。東京都を拠点に万博に7回行き、約40のパビリオンに足を運びました。

 

大屋根リングの中に150を超える国と地域のパビリオンと、日本企業が誇る最新技術がぎゅっと詰まっている…そんな万博会場を思い出すと胸が熱くなって、ロマンを感じます。

 

【よかった!①】未来の暮らしを垣間見た。こんなに便利になるなら、早く未来が来てほしい!

万博会場には未来の世界を体験できるさまざまなスポットがありました。私がその中でも心に残ったものを紹介します。

 

■健康チェックが“超”簡単にできる日がすぐそこに

 

万博会場には体の状態をチェックできるスポットが「ヘルスケアパビリオン」「飯田グループホールディングス 大阪公立大学 共同出展館」PASONA NATUREVERSEなどたくさんありました。

 

・「ヘルスケアパビリオン」のカラダ測定ポッド

“25年後の自分に会える”ことでも話題になった「ヘルスケアパビリオン」のリボーン体験。カラダ測定ポッドでは髪ランク、肌ランク、視覚ランク、筋骨格ランク、歯ランク、心血管ランクなどを5段階で測定可能。さらに、体の年齢まで分かります!

「ヘルスケアパビリオン」のカラダ測定ポッド

半個室のスペースに入って、ただ立っているだけでよく、全身の測定が瞬く間に完了します。服を脱ぐ必要もなく、健康診断特有の痛さや痒さも感じません。

 

・「PASONA NATUREVERSE」の未来の眠りベッド

IPS心臓の展示が話題となった「PASONA NATUREVERSE」ですが、このパビリオンでは未来の眠りベッドを体験できました。

「PASONA NATUREVERSE」の外観とミャクミャクのぬいぐるみ

未来の眠りベッド

実際に寝てみたところ、寝心地がとてもよく、“このベッドほしい!”と思うほどでした。

 

・「飯田グループホールディングス 大阪公立大学 共同出展館」の未来の住宅

西陣織の建物が美しく、日本の美を感じる飯田グループホールディングス 大阪公立大学 共同出展館」。

「飯田グループホールディングス 大阪公立大学 共同出展館」外観

パビリオン内にある未来の住宅には健康状態を管理するためのシステムがいたるところに搭載されています。

 

玄関のディスプレイの前に体感時間3分ほど立つだけで、全身の健康状態がまるわかりになります。私が体験してみたところ、“睡眠パターンが不規則です” “下半身の筋力低下がみられます”とピシャリ。夜ふかし常習犯&運動とは縁遠い生活を送っているため図星でした…!

 

また、キッチンでは身体の状態や悩みに寄り添いながら献立をディスプレイでていねいに提案してくれます。

未来の住宅のキッチン

“今日の夜はなに作ろう?” “夫はコレステロールが高いけど、今晩は何を食べさせればいいんだろう?”という悩みはあるあるですが、献立を考える負担から解放される日もそう遠くはなさそうです。

 

さらに、メディカルトイレにもびっくりしました。このトイレは普通に用を足すだけで糞便を自動チェックし、健康状態を教えてくれます。

メディカルトイレ

健康状態を把握するにあたって糞便は重要なチェック項目ですが、糞便の採取・指定場所への持参はわりと負担。トイレで用を足すだけで、糞便から腸内環境や健康状態が分かると便利ですよね。

 

私たちが思い浮かべる健康診断のイメージは“年に一度のちょっと面倒で特別なイベント”といったもの。しかし、万博会場で見た未来では体重計に乗るような気軽さで、体の全体的な状態がすぐわかるものばかりでした。“そんな時代の到来がもうすぐそこまで訪れているんだな”と感じ、とてもワクワクしました。

 

■空の移動は想像以上に快適そう

「空飛ぶクルマステーション」では空飛ぶクルマに乗れました。座席の座り心地はよく、機内は想像以上に広々としていて快適。

空飛ぶクルマに試乗

試乗体験の後は空飛ぶクルマに乗って大阪の空を旅する没入型の映像体験ができました。振動や音はほとんど気にならず、とても快適でした。空飛ぶクルマが普及する頃の大阪は今以上に高層ビルが立ち並ぶまさに未来都市。映像とはいえ、未来の大阪を体感できるのは楽しかったです。

 

■近い将来、人間の食事が大きく変わるかも

「ヘルスケアパビリオン」では、3Dプリンターで繊維を組み合わせて作る培養肉が展示されており、今後、世界で普及する可能性を感じました。しかも、肉の焼き加減までパッチパネルで簡単に調整でき、料理が苦手な人も自宅で好みの焼き加減で食べられるようになるようです。

未来のお肉の調理

また、万博会場には未来の食事が体験できるスポットがたくさんありました。私が食べた未来の食事を紹介します。

 

・NATUREVERSEの「かるカツバーガー」

かるカツバーガー

大豆とお米からできた“かるカツ”がメインのハンバーガーです。ボリューム感がありつつも、クセがなく、やさしい味わいでとってもおいしかったです。

 

・NISSEI Mouthful Creationsの「乳・卵フリーソフトクリーム」

「未来のソフトクリームマシン」で提供されるソフトクリーム

NISSEIは1970年の大阪万博でソフトクリームが全国で流行するきっかけをつくりました。今回の万博で提供されたソフトクリームは卵・乳製品不使用。やさしい味わいで、どこか懐かしい風味でおいしかったです。

 

牛、豚、鶏などのストレスフルな飼育環境は動物福祉の観点からも深刻な問題となっています。“動物に優しい代替食品がもっと普及して、動物も幸せな世界になったらいいな”と心から思いました。

 

【よかった!②】海外パビリオンをまわって「中東」や「砂漠」への憧れが強まった

「アメリカパビリオン」ではロケット発射の場面を没入型映像で体感でき、「フランスパビリオン」ではルイ・ヴィトンやディオールなどの高級ブランドの世界観に浸ることができ、「イタリアパビリオン」ではアトラスの像やレオナルド・ダ・ヴィンチのスケッチなどを楽しめました。数々の魅力的なパビリオンの中で、私がもっとも印象的だったのは中東の国々や砂漠のある国のパビリオン。

 

■“お金持ちの国”ならではのゴージャスなパビリオン

中東諸国のパビリオンでは日本ではあまり見られないモダンで華やかなデザインと展示に魅了されました。私がその中でも特に心惹かれたのは「クウェートパビリオン」でした。

「クウェートパビリオン」外観

「クウェートパビリオン」はとても広く、来場者を楽しませる工夫があちこちに感じられました。砂漠の砂に触れる体験ができたり、文化や天然資源を紹介する展示コーナーも充実していました。

「クウェートパビリオン」の砂漠の砂

そして、一番印象的だったのが、最後の部屋。砂の山をイメージしたスペースに寝っ転がって、プラネタリウムのような大迫力の映像を楽しめました。夜空をモチーフにしたスクリーンにキラキラと光る美しい映像が流れ、癒されました。

「クウェートパビリオン」の映像スペース

私はクウェートについて考えたことがなかったのですが、パビリオン内にはすべり台があったり、ゆったりくつろげるスペースが用意されていたりと、“人に対する思いやりがあふれる国だな”と感じました。

 

もうひとつ強く印象に残ったのが、「カタールパビリオン」。洗練されたおしゃれな空間でした。砂漠の砂が入った透明の筒が並ぶアート作品が入口付近に飾られていたり、館内のあちこちに石が配置されたりしていました。

「カタールパビリオン」の砂のアート

「カタールパビリオン」の展示

カタールは“世界一裕福な国”ともいわれており、高層ビルが立ち並ぶ近代的なエリアもありますが、「真珠の国」と呼ばれるほど真珠採りが盛んでもあります。男は命がけの危険な海の旅に出て真珠を求め、残された家族は無事を祈りながら心配して待つ…そんな人びとの暮らしがていねいに紹介されていたのも印象的でした。

 

■砂漠に心惹かれ…真夏の屋外で数時間待った

「ヨルダンパビリオン」では「スター・ウォーズ」の撮影で使われた砂漠の砂を敷き詰めた空間で没入型の映像体験ができると聞いて、“並べば入れる”とのことだったので、何時間でも待つ覚悟でいました。

「ヨルダンパビリオン」の外観

「ヨルダンパビリオン」の砂漠

パビリオン内は床一面に砂漠の砂がたっぷり敷き詰められていて、素足で踏むとサラサラでひんやり…気持ちよかったです。砂漠の砂の上に座って観るヨルダンの映像も圧巻で、赤い砂漠、古い町並みを自分がその場にいるかのような臨場感で味わえました。

 

万博ではデーツを販売するお店がいくつもあり、私は万博でデーツを知りました。万博デーツグルメの中でもヨルダンパビリオンのデーツシェークはちょうどよい甘さで、とてもおいしかったです。

デーツシェイク

ちなみに、デーツは日本での入手難易度はやや高めですが、栄養価が高く、食物繊維やミネラルも豊富に含まれています。干し柿が好きな人には特におすすめです!

 

“万博ロス”に悩む人へ ぜひ訪れてほしい場所

そして、”今年行ってよかった”と思っているもう1つの場所が、1970年大阪万博の跡地「万博記念公園」(大阪府吹田市)です。”万博の感動をもう一度味わいたい” “昭和の万博について詳しく知りたい”という人にはぜひぜひ足を運んでいただきたい!

 

1970年の万博を象徴する「太陽の塔」がど~んとそびえ建っていて、園内をゆったりと歩きながら、当時の熱気や日本が元気いっぱいだった時代に思いを馳せられます。

「万博記念公園」の太陽の塔

この場所を訪れた際に足を運んでもらいたい場所が「Expo’70 パビリオン」。常設展観覧料は500円(高校生以上)とリーズナブルでありながら展示内容は“超”充実しています。

「Expo’70 パビリオン」の外観

館内には1970年万博の縮小模型、旧鉄鋼館の一部、各パビリオンのパンフレット、各国パビリオンの見どころが分かる展示など、懐かしくて、貴重なものがたくさんあります。

 

さらに、太陽の塔の内部の一部が再現されたスペースがあり、1970年の万博の目玉となった太陽の塔の内部を知ることができます。当時の溢れる熱気や歓声が館内の装飾や展示から感じられ、気分が上がるスポットです。

 

今後、ミャクミャクのモニュメントが「万博記念公園」において期間限定で展示される予定です。ミャクミャクに会いに行った際には「Expo’70 パビリオン」にも寄ってみてくださいね。

 

世界にはたくさんの”ときめき”があることに気付けた

私は余剰資金も余暇も”推し”に一方的に注いでいるという自覚があります。”推し”から得られるモノもあるけれど、世の中には数えきれないほどステキなモノがあるのに、”1つのモノにだけにお金も時間も注ぐのはもったいない”という気持ちも心のどこかに常にあります。

 

そうした中で、万博をきっかけに、世界にはステキなモノがたくさんあり、自分が知らない場所が数えきれないほど多く存在することに改めて気付きました。
中東の国々を巡ってみたい気持ちがどんどん膨らんでいますし、2030年にサウジアラビアで開催される万博にも行きたいです。それから、2027年の横浜での園芸博覧会も楽しみ…そして、万博開催前から興味があった人間洗濯機も体験してみたい!

夜の万博会場

万博を通して生きがいとなる趣味が増え、人生がカラフルになりました。また、万博で見た未来都市を実際に見てみたいので、“長生きしたい”と思いました。

 

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