中学受験「第二希望レバレッジ校」への入学の現実とは? 入れば誰でも成績が上がる魔法の杖など存在しないが、それでも満足だと話す母の心理
首都圏の中学受験が過熱するなか、「中学受験で入りやすいが難関大学が狙える」と噂される「レバレッジ校」の存在が、にわかに注目を集めています。
今回お話を伺ったきみこさん(仮名・49歳)は、中学1年生のA子さん(仮名・13歳)を、そんな「我が子が伸びる学校」に進学させたワーキングマザーです。
前半『小3で58だった偏差値が45まで下降するが「我が子の能力が下がったわけではない」。そして知る残酷な事実』では、A子さんが小学校3年生の3学期に4教科偏差値58を出したことで「まだまだ上がる」と期待したものの、4年生から、「低学年は勉強をしていなかった地頭が良い勢」に追い抜かされ、偏差値40台まで下がってしまったお話をお伝えしました。
【どうする?小学校受験と中学校受験】後編
偏差値低下で母親と父親の意見が割れる中で、コツコツと「やることをやる」娘
家庭教師などをつけて娘の偏差値を上げようとしたきみこさんに対し、まさおさんは「経済的に無理をすべきではない」と、塾だけの勉強で間に合わないようなら公立も視野に入れるよう勧めてきたそうです。そんな夫と、ついキツい口調で言い合いになることも少なくなかったといいます。
「共働きなので、家庭教師をつけても、なんとかやっていけたとは思います。とはいえ我が家はパワーカップルでなく私の収入は夫の半分以下。『その調子で老後の資金はどうするの?』という夫の言い分も分かるんですが、つい気が焦ってしまって、『私が今後服やコスメを全部プチプラにして、外食もお酒も控えて、家族旅行にも行かなきゃなんとかなるでしょ』なんて、喧嘩腰で言ってしまったり」
ときおり険悪になったものの、まさおさんも、中学受験をしたいという娘の意思は尊重する構えを見せてくれたそうです。
「娘は、姪っ子やお友達と塾に行きたかったみたいです。自分の成績で親がケンカをしている時も、今までどおり。コツコツ宿題をこなし、好きな恐竜の本や科学漫画を読み続けていました。表面上、焦りは見えませんでした。いろいろ考えた末に家庭教師は、やはり諦めることにしました。今後はますますお金がかかりますし、娘も夜10時過ぎまで勉強をすることが多く、これ以上やらせることが良いとも思えなかったんです」
父は「偏差値40台なら公立でいい」と早々に匙を投げたが、娘は動じることもなく、ただひたすら…
焦るきみこさんと、「有名校にご縁がなければ公立でいい」と早々に投げ出したまさおさんをよそに、A子さんは終始マイペースでした。
「物静かで体育が苦手で、成績も中くらいの娘ですが、短気な私たち夫婦の子に生まれてきてくれたのが奇跡のような、落ち着いた子です。昔から大人びていて、『人と比べて落ち込む』という感情が少ない。親バカですが、娘のそんな性格に感謝しています」
きみこさんは、はじめは偏差値42だった姪っ子が、気がつけば55まで伸びていたと知り、つい「家庭教師を断ったからだ!」と、まさおさんに当たってしまったこともあったそうです。
「夫も、58という偏差値を見た当初は浮かれて『がんばれば国立大学附属を目指そう』なんて言っていたのに、途中から『40台の私立に行く意味があるのか。金持ちじゃあるまいし、公立でいい』と投げやりで。そんな時も娘は、普通に塾と学校の宿題をして自習室で質問をし、気晴らしに犬の散歩をして、『獣医さんになりたいかも』なんて、かわいい夢まで話してくれました」
きみこさんは、塾長先生の勧めもあり、まさおさんにこんな説明もしたそうです。
「受験人口の少ない中学受験では、高校受験と比べて、偏差値の見え方が10から15ほど高くなる傾向があるらしいよ、って。夫は『知ってるよ』と言っていましたが、その後は偏差値40台のレバレッジ校やミッション系伝統校にも興味を持ち始めました」
「算数は強み」と言われ、苦手な国語のレベルを下げて集中学習。見えた希望
A子さんの偏差値が45で下げ止まり、わずかに上向き始めたのは、5年生の春でした。
「4教科偏差値が下がって、私は落ち込みまくっていたのですが、塾の先生は算数が55〜60をキープしていることに注目してくれました。『ここは安定しているね』と、弱い国語の読解を、4年生レベルまで戻して丁寧に教えてくださったんです」
ときには、姪っ子より1学年下の国語課題に取り組んでいることに、屈辱を感じたこともあったといいます。
「たまたま妹に会った時、『この前、A子ちゃん、間違って4年生の課題を渡されてたかもって娘が言ってたんだけど、コピーしようか?』と言われて……。『じつはね……』と打ち明けた時の気まずさは、今でも忘れられません。姪も妹も優しい性格で、どこにもぶつけようがない感情がわいてソファを蹴っ飛ばしながら、影で泣いていました」
小規模塾ゆえに、生徒同士の距離が近く、個々の事情が透けて見えてしまう面もある一方で、こう続けます。
「でも、小規模だからこそ、一人ひとりに寄り添ってくれる対応が、本当にありがたかったです」
第一志望に届かず、レバレッジ校は「自動で成績が伸びる」わけではない。それでも得た納得感
6年生になっても算数は55を超えるものの、4教科偏差値は50前後を行き来。調子が悪いと、国語が足を引っ張って45まで下がることもありました。
「塾長の『偏差値は考えすぎず、いろいろな学校を見なさい』という言葉で、10校近く説明会に足を運びました。第一志望は、かなり背伸びした共学校。第二志望は、いわゆる『レバレッジ校』と呼ばれる女子校で、特待生でなければ偏差値45前後でも十分合格圏内。滑り止めは、これから英語教育に力を入れるという触れ込みの新設校と、制服が気に入った遠方他県の女子校でした」
第一志望は、理科実験に力を入れている大学付属校。しかし、結果は不合格でした。
「普段は感情をあまり表に出さない子なのに、その時は赤ちゃんの頃みたいに『ピヨッ』と涙が出て、『ママ、落ちちゃった』と抱きついてきて……。胸がギュッとなりました」
滑り止め2校は合格したものの距離が遠く、A子さんは結局、第二志望の学校に行くことになります。
子供の成績が「自動的に伸びる魔法」はない。レバレッジ校のからくりは特待生?
A子さんが合格した中堅女子校は、「中高一貫レバレッジ女子校ランキング」の常連で、「在学中に成績が伸びる」と噂される学校でした。
「学校見学の時にキョロキョロしたり話しかけてみたら、礼儀正しいかわいらしい子ばかり。案内係の中学生さんが学校の説明をする姿も、大手デパートの受付嬢みたいで素敵でした。学園祭では近隣の男子校の生徒もたくさん来ていましたが、みんな品が良くて無邪気で、いい感じ。最近は女子校でも共学や男子校と交流が増えているみたいですが、娘の学校も男子校とのコラボが多いんです。そんなところも、青春感があって親としては萌えます」
入学後も、良い印象が大きく変わることはなく、A子さんは漫画同好会と英会話部に所属し、のんびり過ごしているそうです。
「とはいえ、『入る時は普通、出る時は秀才』みたいな、私が最初に抱いたレバレッジ校の幻想は、少し違うかなとは思いました。娘の学校では特待生制度があり、授業料が免除・減額される子たちは、もともと高偏差値。さらに高校受験からも入学できて、その偏差値は少し高めに設定されています」
結局進路は本人次第 それよりも大事なのは「学校のカラー」との相性
A子さんの入学した学校は大学の付属校ではありませんが、高大連携授業も行っており、推薦枠も充実しているそう。それでも、難関大学の推薦は狭き門。中学でも「中の中」の成績を取ってくるA子さんを見て、大人数の推薦枠が確保されている郊外の女子大学への進路も、頭の片隅に入れているそうです。
「娘の学校に限っては、偏差値が控えめでも入れるけれど、進学実績が良いのは、『幅広い成績の子を受け入れている』という意味でした。『自動的に我が子が賢くなります』みたいな魔法があるわけではないんですよね」
それでも、進学に力を入れている私立中学ならではの環境は整っているというきみこさん。
「夜まで使える自習室や夏期講習・冬期講習、勉強についていけない子への補習なども充実していて、英会話部の部室には外国人講師の女性の先生がいつも誰かしらおられるようで、時にはお茶とお菓子を振る舞ってくださることもあるみたいです。英語力は、確実に昔より上がっていると思います」
偏差値に差がある子が同じ校舎で学ぶと聞くと、公立中学を思い出しがちですが、きみこさんの知る公立中学とは異なる点が多いそう。
「私の学生時代とは時代が違うことを差し引いても、私立と公立の違いは感じます。いろんな成績や個性の子がいるとはいえ、そもそも女子校ですし、公立のように多様性に富んでいるかというとそうでもないというか……」
A子さんの学校では、特待生と一般の生徒の偏差値は10以上の差があるそう。
「いろんなお友達がいて、頭の良いお友達と仲良くできるのも良い刺激になると思います。勉強が苦手でもスポーツが得意で推薦で入った子も、帰国子女で英語だけ飛び抜けて得意な子も、いろんな個性の仲間がいるようです。一方で、私が通った公立中学と明らかに違うところは、全体的に教職員も生徒さんも『ちょっと地味目でおっとりしている』傾向があること。中には元気で明るいお子さんもおられますが、集団になると学校のカラーがしっかり出るんですよね。その点、おとなしい性格の我が子も居心地が良さそうです」
「獣医さんになりたい」というA子さんの夢は、今も健在。
「このまま高校に進学するつもりですが、その夢が続くなら、あとは本人の頑張り次第、ですね」
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