「手伝うって言葉が、もう違う!」共働きの妻が心底ガッカリ。没交渉夫婦にしてしまった夫が「よかれと思って」してきたこと
触れ合いが「戻った」のではなく「変わった」
スキンシップについても少しずつ変化があると、タカシさんは言います。
「完全に元通りではないです。でも、前とは関係の質が変わった気がします。以前の僕は、触れることで安心を得ようとしていました。自分が愛されているか確認したかった。でも今は、妻が安心できる状態かどうかを先に見るようになりました。妻がリラックスしているとき、僕が隣に座ると、向こうから寄りかかってくることがあります。それが今はすごく嬉しいです。自分から触れるより、相手が近づいてきてくれる方が、信頼されている感じがします」
スキンシップは「する・しない」ではなく、「どんな状態で触れ合うか」が大切なのかもしれません。疲れているときに触れられると負担になる。でも安心しているときに触れ合うと、絆が深まる。同じ行為でも、タイミングと文脈で意味が変わるのですね。
「正解」がないからこそ、観察と対話が必要になる
最後に、同じような状況にいる男性に向けて何か伝えたいことを聞くと、タカシさんは考えながらゆっくり語りだしました。
「僕が学んだのは、夫婦には正解がないってことです。ネットで調べても、本を読んでも、結局はうちの妻に当てはまるかどうかは別の話で。観察することと、聞くことだと思います。妻が何に疲れているのか、何を嫌がっているのか、何があると安心するのか。それは関係性の中で変わっていくので、一度わかったと思っても、また確認が必要になる。あと、自分の気持ちも伝えることですね。僕は怖かったとか、寂しかったとか、言えなかった。男だから弱音を吐いちゃいけないと思っていました。でも、言わないと妻もわからない。僕が黙っている間、妻は『この人は何も感じていない』と思っていたそうです」
沈黙は誤解を生みます。傷ついていることを言葉にしないと、相手には「平気な人」に見えてしまう。これは男性側が陥りやすい罠かもしれません。
それでも、まだ「途中」だと思っている
現在のタカシさん夫婦は、完璧な関係ではないといいます。でも、以前と違うのは「話せる」状態になったこと。黙り込むのではなく、「ちょっとまずくなってる気がする。話せる?」と切り出せるようになったそうです。
「正直、今でもたまにやらかします。妻が疲れてるときに気づけなかったり、余計な一言を言ってしまったり。そのたびに『あ、また関係が揺れてるな』って感じます」
「戻った」とは言い切れない。でも、「戻ろうとし続けている」ーータカシさんはそう表現しました。取材の最後、タカシさんはこう付け加えました。
「たぶん、ゴールってないんですよね。関係がうまくいったら終わり、じゃなくて、ずっと続いていくものだから。面倒くさいけど、その面倒くささと関係を続けてるってことなのかなって、最近は思います」
寝室の問題は、寝室だけでは解決しない。その手前にある会話、信頼、安心感。それらに向き合い続けた先に、触れ合いが戻ってくることもある――タカシさんの話は、そのことを教えてくれました。
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