別れたオトコに「敷金と礼金を返せ」と言われたら…?
都内で彼氏と同棲していたSさん(40)は、今回別れることに。共同で借りた部屋についてはSさんが引き続き住むことになったそうです。
そこで問題となっているのが、敷金と礼金の取り扱い。名義はSさんであるものの、元彼氏が支払ったそうで、別れるにあたり費用の返還を求められているのだとか。
Sさんは生活に余裕がなく、今後契約の更新も控えているため支払いは難しいと悩んでいます。このような要求に応じる必要はあるのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所 池袋支店の齋藤健博弁護士にお聞きしました。
Q.元彼が支払った自分名義の部屋の敷金と礼金を返還するよう求められている…応じる義務はある?
A.法的な支払い義務はないものと思われます。
齋藤弁護士:「民法上、敷金の性質は、不動産の明け渡し時点において、必要な原状回復などの費用を控除した上で、余分が発生した場合には、返還される性質のものになります。
もちろん、この余分の範囲をめぐって争いになるわけですが、敷金・礼金の返還請求権は、名義人である賃借人から、賃貸人に対しての権利です。実質的なお金の出しどころが、元彼であったとしても、それは法律上は実は関係がありません。
厳密には、第三者による弁済による代位の問題は生じえるものではありますが、少なくとも、元彼に対してお金を返還する法律的な義務はないでしょう。
トラブル防止の観点から、敷金にあまりが出た場合には、ある程度元彼にも返す、というのがバランスよい解決かもしれませんが、厳密な法律論ではありません」。
法的にはSさんが返金する義務はないようです。ただし退去の際に戻ってきた場合については、全て返金するのが道義的責任かもしれませんね。
*取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所 池袋支店 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)
*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)
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