「呪縛であってはならない」元TBSアナが衝撃タイトルの話題作を通じて考えさせられた「家族の距離感」の難しさ
元TBSアナウンサーのアンヌ遙香です。ニッチな眼差しで映画と女の生き様をああだこうだ考え、“今思うこと”を綴る連載の後編です。ほんのりマニアックな視点と語りをどうぞお楽しみに!
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【アンヌ遙香、「映画と女」を語る #16 後編】
深刻化していく「おひとりさま」問題
さて、今回兄(オダギリジョー)は思春期の息子を残して、比較的若くして急死したわけですが、いざというときに頼れるひとがいるかいないか問題、年々深刻な社会課題となっています。
内閣府の調べによれば65歳以上の一人暮らしは、1980年には88万人だったにも関わらず、2022年では672万人。また65歳以上の人口に占める一人暮らしの方の割合は男性15パーセント、女性22パーセントということで「おひとりさまの老後」は決して他人事ではなく、むしろこれから増えていく一方。多くの方が「おひとりさま」で残りの人生を過ごす可能性が非常に高い世の中なのです。
私は今年40歳になりましたが、現在配偶者はおらず、飼い犬のゴールデンレトリバーとの気楽な札幌暮らし。変な話、私はいつオダギリジョー演じた「兄」の立場になるかもわからず、また一方で実は「理子」の立場になるかもわからないというところ。
4つ下の弟がおり、絶対に迷惑をかけてはならないと感じながら日々暮らしてはいますが、自分でコントロールできないのが不測の事態。普段離れ離れに暮らしていても、いざというときの連絡が入るのは「家族」である立場な人であるわけです。
「支えであり、呪縛ではない」という言葉が意味するもの

『兄を持ち運べるサイズに』全国公開中【配給】カルチュア・パブリッシャーズ ©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会
実はこの映画、理子の著書の中にあった一文のアップから始まります。それは「支えであって、呪縛ではない」という言葉。最初はなんのことだろうと理解ができないのですが、これはあとあと「家族とは」という質問に対して理子自身が導き出した答えであるということがわかります。
血がつながっているからという理由だけで「家族」とは言えないと私は思っています。もしそれだけの理由で、その関係性が「呪縛」だと感じる瞬間があるのであれば、その関係性から一刻も早く逃げるのもありではないかということ。みなさんあなたの「家族」は「呪縛」ですか?「支え」ですか?
私自身は家族に対して「呪縛」だなんて思わせるのは本望ではないですし、できれば「支え」の一つだと気軽に思ってほしい。干渉せず、縛らず、たまに気が向いたときに連絡をくれればちょっとは気の利いたことが言えるような存在でいたいと私は個人的に思っています。
理想論かもしれませんが、家族だからという理由だけで甘えきるのは違う、と私は感じます。自分のことは自分でなんとかする、のが大前提。頼まれずとも自然と何かをしてあげたくなる、でもあまりしゃしゃり出るのは違うかな、という絶妙な距離感がそこにあるのが、私の中での理想の家族像。
家族っていいよね、という理想論も大切ですが、各々が依存せずに独立した存在であることを忘れてはならないな、なんて私は感じました。
家族とは、という質問を投げかけてくるこの映画、あなたなら家族とはなんですか?と問われたらなんと答えますか?
私なら、「帰らなくてもよい帰り道のようなもの」かな、と答えます。縛るのではなく、そっと支えてもらえるもの。使わなくてよい、別の道を歩いてもよい、ただ心のどこかに一本道がある、そんな存在。
『兄を持ち運べるサイズに』
原作:「兄の終い」村井理子(CEメディアハウス刊)
脚本・監督:中野量太
キャスト:柴咲コウ オダギリジョー 満島ひかり 青山姫乃 味元耀大
【配給】カルチュア・パブリッシャーズ
©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会
※上映劇場はHPをご参照ください
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