東大生界隈でささやかれる「引き寄せの法則」。20代の女性が見も知らぬ40代のおじさんに話しかけた理由は

「化学です。」 

筆「じゃあ、『三体』いいですよ。化学や物理の知識があるとより楽しめる小説だと思います。物理の用語が多いs…」 

 

先頭のお客様どうぞ。 

 

店員が彼女をカウンター席に案内した。彼女は会釈をして、店内に入っていき、筆者は再び『三体』を開いた。汪淼がVR空間上のゲーム「三体」の中で3つの太陽の謎を解明し、文明が滅びたところだった。 

 

のめり込んでページをめくっていると、筆者も店内に通された。隣では先ほどの女性がお好み焼きをつついている。 

目が合った。 

 

筆「何にしたんですか?」 

女「豚玉です。何にしました?」 

筆「ぼくも豚玉です。ふふふ」 

 

荷物を置いて、席に着く。 

 

筆「物理の質問をしてもいいですか」 

 

女性はお好み焼きを頬張ったまま頷いた。 

 

筆「三体に”狙撃手仮説”と”農場主仮説” という言葉が出てくるんですけど、これって物理学で有名な言葉なんですか?」 

 

※狙撃手仮説:「あるずば抜けた腕を持つ狙撃種が的に10センチ間隔で1つずつ穴を開ける。この的の表面には2次元生物が住んでいる。2次元生物のある科学者が自らの宇宙を観察した結果、1つの法則を発見する。すなわち宇宙には10センチごとに必ず穴が空いている。射撃手の一時的な気がまぐれを、彼らは宇宙の普遍の法則だと考えたわけだ。」 

 

※農場主仮説:「ある農場に七面鳥の群れがいて、農場主は毎朝11時に七面鳥に給餌する。七面鳥のある科学者が、この現象を1年近く観察し続けたところ1度の例外も見つからなかった。そこで七面鳥の科学者は宇宙の法則を発見したと確信する。すなわちこの宇宙では毎朝午前11時に食べ物が出現する。科学者は、クリスマスの朝、この法則を七面鳥の世界に発表したが、その日の午前11時食べ物は現れず、農場主がすべての七面鳥を捕まえて殺してしまった。 

 

劉慈欣、大森望、光吉さくら、ワン・チャイ訳『三体』早川書房,2024 
 

 

女「私はまだ1年生で基礎しか勉強してないんですけど、聞いたことがないです」 

 

のちに調べたところ、これらは作品独自の表現のようだった。 

 

筆「そうですか。ありがとうございます。キャンパスはどこなんですか」 

 

筆者の脳内では、横浜にあって化学学科を有し、奈良から進学するほどの大学が3つに絞れていた。 

 

▶出身校と大学を見事的中

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