どうか、「ありのままの自分の声」を出して。このカードを引く人の内面は
『千と千尋の神隠し』の主題歌『いつも何度でも』の作詞を行った、詩人の覚 和歌子さん。
あなただけの言葉があり、あなたにしか歌えない歌がある。ありのままの自分に気づくためには、あなたの「声」は。
【声】声はごまかせない
言葉は文字と意味と音声でできている。
声は空気のふるえだから、
会話しているその場の雰囲気をずいぶん左右する。
甲高い声の早口で話す人と一緒にいると
落ち着かなくなるし
柔らかくゆっくり話す人と一緒にいると
身体までほぐれるような気がする。
ひとの容姿よりも
声の響きとか滑舌を気にするようになったら
精神的に成熟している、
という説もあるくらいだ。
見た目を重視するのは幼稚な証拠ということだろう。
とはいえ、
声が良ければすべて是よしというものでもなく、
むしろ声の良さが仇(あだ)になる場合もある。
少し前に
滑舌と声が素晴らしく良い牧師さんの説教を聞いたことがあるが、
ちっとも心に届いてこなかった。
自分の声の良さを知っていて、
それに酔っているのではないかと思われた。
そういう人の話は聞き手が内容にまで行き着けない。
20代の頃はよく「声優さんですか」と聞かれた。
場面によって無意識のプラスチックボイスを出していたようで、
思えばあの頃心細い自分をひとに知られたくなくて、
必死で”自分じゃないもの”になろうとしていた。
声は波動。
その人の内面の豊かさも貧しさもむき出しにしてしまう。
ポエタロ「声」は、
まさしく声優さんや歌い手やアナウンサーが
なぜか最初に引き当ててしまうカードである。
覚 和歌子
詩人・作詞家
山梨県生れ/千葉県育ち。早大一文卒。平原綾香、smap、新垣勉、夏川りみ、クミコ、ムーンライダーズなどの作詞で、多くの作品をCD化。NHK全国学校音楽コンクール課題曲、校歌、合唱組曲等の作詞なども多く手がける。01年『千と千尋の神隠し』主題歌『いつも何度でも(曲・歌唱/木村弓)』の作詞でレコード大賞金賞。詩集『ゼロになるからだ』(徳間書店)、『はじまりはひとつのことば』(港の人)、『2馬力』(ナナロク社)など。エッセイ、絵本、翻訳など著作多数。映画監督、脚本、舞台演出、朗読、自らのバンドを率いてのソロライブ、米国ミドルベリー大学日本語学特別講師など。詩作を軸足にマルチな活動を展開。
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「ポエタロ」とは?
「ポエムタロットカード」を縮めた名前、『ポエタロ』。
47枚のカードにはそれぞれ、美しくやわらかい日本語の詩と、かわいらしくも不思議な魅力のあるイラストが描かれています。
使い方はいたって簡単。シャッフルしたカードの中から、その時の直感で1枚、あなた自身のためにカードを引いてみてください。1日のはじまりにその日の指針を得てもいいし、なにか大きなチャレンジの前や、なかなか超えられない壁に直面しているときに。
そのときの気持ちや環境にリンクした、やさしい詩とメッセージが、次の1歩を踏み出す勇気や確信を与えてくれる不思議なカードです。あなたの心強い味方になってくれるはず。
『ポエタロ いのちの車輪をまわす言葉』
覚 和歌子・著 石川 勇一(相模女子教授)・監修 大野 舞(Denali)・画 カード47枚 ガイドブック付き 3,780円(税込)/地湧社
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