【独占告白】梅宮アンナが乳がん「標準治療」に託す願い「こんなにも多くの方々が私たちを支えてくれる。涙が止まらなくて」(前)

こんにちは、梅宮アンナです。私はステージⅢAの「浸潤性小葉がん」を治療中です。早いもので、7月31日にスタートした抗がん剤「術前化学療法」のうち「AC療法」が次回で4回目を迎えます。2週に1回ずつ投与を受けており、4回で終了。その後2週1回×4回の「パクリタキセル」へと進む予定です。

 

激動の日々が少し落ち着いたので、これからは体調の許す限り隔週で連載をお届けします。治療真っ最中の今だからこその私のリアルな変化と、正直な気持ち、包み隠さぬ本音をお話ししていくつもりです。どうぞ末永くお付き合いくださいね。

【独占連載「アンナの日々」#2】前編

正しい知識の大切さ。抗がん剤後の「痛み」の理由がわかったら、恐怖が「希望」に変わった

この数日、私の体は強烈に痛い。胸のあたり、背中、脚の付け根、肺や心臓部が苦しいのです。抗がん剤3回目が終わり、4回目を待つ間に起きていることです。でも、主治医にメールで相談したら、これは想定内みたい。「白血球を上昇させる注射の影響です。ゆっくり休んでください」と。

 

私が乳がんを発表したのは8月13日。2回目の抗がん剤投与の前日でした。本当は8月20日の誕生日にと思っていたのですが、13日朝に脱毛が始まり、今日がインスタライブでご報告するタイミングだなと決めました。

 

本格的な脱毛は8月18日、TBS『サンデー・ジャポン』出演の朝に始まりました。抗がん剤スタートから約20日、言われた通りでした。ですが私、1回目の抗がん剤ではそれほど体にダメージが出ませんでした。おそらく、抗がん剤に対する恐怖心が大きすぎて、あまりの緊張にダメージを感じる余裕すらなかったのだと思います。だって、がんと聞いても「がーん」とならなかったのに、抗がん剤と聞いて「がーん」でしたから。引っ張っても抜けない髪の毛が副作用でごそっと抜けちゃうなんて。そんなものを体に入れて、私いったいどうなっちゃうの……?と、ずっと怖くて怖くて。

 

1回目を投与したその夜に熱が、翌日に顔のほてりが出て、倦怠感が続きました。しかし恐れていたよりも軽く終わったので、もしかして私このままいけちゃう?と油断しました。気持ち悪くなり、お腹がすごく張るのが噂に聞く副作用かと思いましたが、実はインスタライブでいろいろな方から「体力をつけるためにとにかく食べて」とアドバイスをいただいたのを頑張り過ぎて、食べ過ぎたのが原因でした。1回目はそんなことすら自分でもわからないくらいに頭がいっぱいでした。

 

抗がん剤が体に入ってくる感覚は「キモい」としか表現できません。体に針が入る瞬間は体が緊張で硬直していますし、2回目の投与のときにはうまく点滴が落ちず、体がすーっと冷たくなる体験をしました。あれは恐怖ですね。ですが、ひとつ分かったのは、抗がん剤って、体に入ってきた瞬間にウッと気持ち悪くなるのではないこと。2回目は投与を受けたその足でTBS『Nスタ』にも出演させていただきました。こんなことができたのも、進化した吐き気止めをちょうどの量で投与してもらっていた「さじ加減」のおかげだとあとで知るのですが。

 

結局のところ、自分にあうアドバイスを上手に取り入れればいいことが理解できました。それとともに、恐怖の対象でしかなかった抗がん剤が「自分を助けてくれるものなのだ」とも理解できて、3回目では看護師さんに具体的に質問ができるようになりました。それまではわからないことが何なのかもわかっていなかったのです。

 

私はいま、1日目に血液検査、2日目に抗がん剤投与、3日目に白血球を増やす「ジーラスタ」という段取りにしていますが、この「ジーラスタ」を打ったあとどうにも全身が痛くなります。この、痛みがあることが普通ではなく、相談していいことなのだとわかるまでに3回かかりました。

 

3回目の投与のあとで看護師さんに質問したら、「体が回復のために血液をいっしょうけんめい作っている痛みだよ」と教えてもらえました。直前までなぜ痛いのかがわからず「この痛みはがんの痛みなのかな。私の体は蝕まれているのかな」とネガティブに捉えて落ち込んでいたのですが、これこそが再生する痛さであり、つまり私の体にとっての希望なのだと理解できたら、とたんに心が安定しました。何が起きているのかを理解できると、気持ちが前に向き、希望がつながるのですね。

 

きっとこうして、みんな自分で一つずつ向き合い方を掴んでいくのだと思います。自分に必要なサポートは何なのか、知るべきことは何なのか。助けてもらえるものなのですよ、私は止まりたくない。誰がこんなしんどい治療を好き好んでやるものですか、治るためです。これ以外にないって、治す方法。

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