子どもに反抗期がきたら?漫画家になりたいと言われたら?両親が実際に行った最適のアンサーとは【漫画家・小林潤奈さんインタビュー】
家族の愛と笑いに満ちた日々を描いたコミックエッセイ『小林一家は今日も「ま、いっか!」』(主婦の友社刊)が好評発売中の、漫画家・小林潤奈さん。描かれているのは、ささいな幸せや、クスッと笑えるエピソードが盛り込まれた小林家の日常。読んでいる人の心をほっこりさせたり、「あるある」と共感できるとオトナサローネ世代からも人気を集めています。
作者である小林潤奈さんご本人に、家族に対する思いや、ご両親の子どもとの向き合い方を伺いました。子育て中の人には、目から鱗の育児論も満載です!
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ご両親のこと、ごきげん家族でいるための秘訣、早く家を出たいというお子さんにモヤモヤしている読者さんからの悩みについて、お答えいただいています。
【 「あの作品、もう読んだ?」インタビュー ♯3 後編】
反抗期の子どもには「あっけらかん」で対抗
――コミックエッセイ『小林一家は今日も「ま、いっか!」』を読ませていただきました。第一印象としては、「とにかく小林家は仲がいい!」ということ。潤奈さんはお兄さん、お姉さんがいる3人兄弟ですが、子どもたちには反抗期はなかったんですか?
壁に穴を開けるような激しいものはなかったですが、兄弟それぞれに反抗期はありました。私の場合は、中学3年生から高校2年生の頃だったと思います。親に生意気な口の聞き方をしたり、「お母さんより私の方が正しい!」と強く主張したり。そういうタイプの反抗でした。
――ご両親の対応はどんなものでしたか?
深刻にとらえすぎず、あっけらかんとしていましたね。「そういう年頃よね」という感じで見守っていたという印象です。
大人になって母と話したことがあるんです。「あの頃の私、生意気だったよね。どう思ってた?」って。母の答えは「いつかわかってくれると思ってた」と。うちの両親は、子育ての根底に「子どもを信じて認める」があるんですよ。だから、いくら反抗してきても、反抗期を抜けた未来の私を信じてくれていたんだと思います。これは私だけでなく、きょうだいみんなに対して同じ対応でした。
――いい意味で、放置されていたと。
そうです。「もう少し大人になったらわかるだろう」と思っていたみたいです。親がそこまで深刻にとらえていないので、家族会議を開くような事態になることもありませんでした。
親が何も言わなければ、子どもの反抗も自然におさまります
――ご両親の肝が据わっていたんですね。
はい。子どもがどれだけ反抗しても、それに親が優しく接し続けると、子どものほうがだんだん申し訳なくなってくるんですよね。「お母さんにちょっと言い過ぎちゃったな」って、自分から反省するようになる。結果的に長引かずに済みます。
――仮に潤奈さんが間違ったことを言ってたとしても、ご両親は何も言わなかったんですか?
よっぽど常識的に外れた間違い以外は言いませんでした。思春期って、自分の価値観が構築されていく時期だと思うんです。それまでは親の言うことがすべてだったのが、友だちや周囲の人間に影響されて、だんだん親とは違う「自分というもの」が形成される。その結果「自分が絶対正しい!」って思ってしまうんですよね。
――子どもの成長過程を見守ることが大切だと。
そう思います。母は、絶対に子どもの言うことを否定しませんでした。子どもの主張をちゃんと聞いて、認めてあげる。そこは徹底していたように思います。間違っていたとしても、あとで子ども自身が気付きますからね。そのうえで、大人としての経験や知識を人生のヒントとしてアドバイスしてくれていました。それでも当時は「ふん!」と思うこともありましたが、のちのち自分が間違っていたなと自分自身で気付きましたね。
――お父様も同じような対応でしたか?
父は、いわゆる仕事人間で、あまり家にいなかったこともあり、私に反抗期があったことすら気づいていなかったみたいです(笑)。「よくしゃべってるなー」と思ってたって言ってました。しゃべってるんじゃなくて私は怒ってたんですけどね(笑)。昔から大らかな両親です。
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