気をつけて!お礼のつもりで現金を包むと「超失礼」になるケースが5つもある!

結婚式やお葬式では、お金を包むことが常識とされています。また、入学や就職などのお祝いにも現金を贈ることが多いかもしれません。

しかし、なかにはお金を渡すことが失礼にあたることもあります。せっかく心をこめて渡したのに、喜んでいただけないのは残念。

そこで今回は、お金を渡すと失礼になる時と、お金に換わる気持ちの伝え方について、考えてみたいと思います。

 

1・目上の方へ現金を贈るのは失礼にあたる

まず、気をつけたいのが目上の方に対する場合です。結婚式やお葬式など、社会通念上お金を包むのが一般的となっているケースを除き、目上の方に現金を贈るのは失礼にあたります。

 

現金は何にでも使えるので、買うものを自分で選んでもらうことができます。いらないと思われるものを贈るよりは、便利な現金のほうがいいのでは、と考えるのももっともです。

 

しかし、現金は「これで好きなものを買いなさい」、という上から目線の印象を与えてしまいます。また、「お金に困っている」と思っているメッセージにもつながります。

 

現金を贈るのは、基本的に立場が上の者から下の者へ、収入が多い者から少ない者へとするものだからです。

 

目上の方へは、その方の好きな物を選んで贈るようにしましょう。物ではない形で、お祝いや、感謝の気持ち、お見舞いなどをしたい場合は、お金よりも何かお手伝いできることがないか考えてみるのもいいのではないでしょうか。

 

2・目上の方のお子さまにも、お金を贈るのは避ける

目上の方に現金を贈るのはNGですが、お子さまにも現金は避けましょう。お誕生にはじまり、入園、入学、卒業、就職など、子どもには多くの節目となる時期があり、そのたびにお金がかかります。

 

しかし、だからといってお祝いに現金はタブー。親御さんである方が充分なことができないから、という意味合いにもとられかねません。

 

お金を贈って「これを足しにしてほしい」というのは、やはり上から目線を感じてしまいます。

 

以前は、入学祝には辞書、就職には万年筆を贈る、などという習慣もありましたが、今は辞書ならスマホで充分、万年筆は手入れが大変で、そもそも文字はキーボードで打つのが中心で、筆記具自体の使用頻度がそれほど多くはありません。

 

やはり、使ってもらえるものを選ぶことが一番でしょう。お子さま自身に使ってもらえるものであれば、クオカードやアマゾンギフトカードなどが一般的に使えていいかもしれません。

 

これらはチケットショップで安く買うこともできますが、株主優待でもらうという方法もあります。

 

株主優待とは、企業が株主に対してお礼としてプレゼントをしてくれるもの。食品メーカーであれば自社製品の詰め合わせ、外食や小売業であれば自社の優待券というものもありますが、中にはクオカードなどの商品券を出している企業もあります。

 

現金よりは、スマートにお渡しできそうです。

 

3・心づくしのおもてなしに現金を渡すのは失礼

お正月やクリスマス、あるいは何かの記念日に、「わが家でお祝いをするから来て」と招待を受けた時には、何を持っていくのがいいでしょうか。

 

部屋を片付け、美味しいお料理を数々作り、料理に合わせて飲み物を用意するのは、時間もお金もかかります。

 

だからといって、「今日はどうもありがとう、大変だったでしょう」と、1人で行ったのなら1万円、2人だったら2万円、いや3万円かな、などと現金を渡すのは、相手の気持ちを台無しにしかねません。

 

なぜなら、相手が心をこめてしたことに対して、値踏みをするような態度に思えてしまうからです。

 

心づくしのおもてなしには、金銭的なやりとりは不向き。こんな時には心から感謝するのが正解です。

 

ただ、手ぶらというわけにもいかない、ということもあるかもしれません。手土産にはお花やお酒などもいいのですが、相手が準備しているものと重複したり、バッティングしたりするようだとかえってご迷惑になることもあるので、確認してからのほうがいいでしょう。

 

あるいは、準備をする方の好みに合わせた雑貨などもいいかもしれませんね。

 

4・ご馳走してもらったお礼に現金もまた失礼

一緒に食事に行ったとき、こちらにはそんな気持ちはないのに、ご馳走するとお申し出いただくことがあります。

 

ご馳走になる理由がみつからない、または理由はわかるが、それなら尚更ご馳走になるわけにはいかない、という時もあるのではないでしょうか。

 

相手は「お礼に」とか、「お詫びに」とか言うかもしれませんが、こちらとしては、そんなたいしたことはしていないと思うこともあります。

 

「そこまでしていただく必要はない」とお断りしても、「いえいえそれでは私の気持ちがすまないので」などというやりとりの末、相手がすべて支払いをした場合はどうしたらいいでしょうか。

 

あとからお金を渡そうとしても、受取ってもらえそうにありません。後から商品券や品物を相手に送るのも相手の気持ちを害してしまうかもしれません。

 

こんな時は、「次は私にご馳走させて」と言ってさわやかにご馳走になるとスマートではないでしょうか。

 

相手の気分を害さず、こちらの気持ちも表せるといいですね。

 

5・お詫びもお金よりまず誠心誠意の謝罪から

もしも、借りていたものを壊してしまったり、失くしてしまったりして迷惑をかけた時はどうしたらいいでしょうか。その分のお金を払えばいい、というわけにもいかないケースも少なくありません。

 

相手は、ただでさえ「丁寧に扱ってくれなかった」という気持ちになっていますので、お金で解決するという雰囲気が出てしまうと、人間関係を壊す事態になりかねません。

 

しかし、相手に損害をあたえたことが確かであれば、その分は支払う必要があります。

 

まずはお詫びをした上で、「この分の代金はこちらで負担させていただくので」と、率直に金額を聞くといいでしょう。

 

聞いた後、速やかにお支払いするのは当然ですが、金額に上乗せをする、あるいは品物も添える、といったことはケースバイケースです。

 

お金や物だけでは、お詫びの気持ちが伝わりません。そればかりか、場合によっては「お金(物)ですまそうとしている」と受取られかねませんので、多すぎる金額も不適切でしょう。

 

迷惑をかけたときは、心からのお詫びが第一です。そして、損害には弁償をするという姿勢が誠意を表すのではないでしょうか。

 

お金を出すことが、かえって不利益になることがあります。有効にお金を使えないのは、とても残念なこと。

 

誰にとっても大切であるはずのお金は、みんなが笑顔になれることに使いたいですね。

 

 

タケイ啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

 

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