高齢親と旅行してわかった「親孝行旅・7つの盲点」と国内3つのオススメ旅行先

オトナになると増えるのが、年老いた父母との親孝行旅。

この春、私もお墓参りを兼ねて京都・岡山へと70代の両親、そして途中で合流した妹と旅してきたのですが、良かれと思ったことが負担になるなど、親世代との感覚の違いに愕然としました。

親世代は、ちょっとした坂道もきつくなるなど無理が効かない一方で、電車やバスなどは苦ではないらしい。むしろ移動そのものを楽しむなど、予想外にアクティブな一面もあったり。

旅ライターとしての長年の経験から、親孝行旅の注意点とオススメの旅先について考えました!

 

実際旅して気がついた、7つのチェックポイントは

親と旅行して気づいたのは、意外とベタな宿泊先のほうがよろこぶということ。張りきって1日数組だけのオーベルジュのようなおしゃれなところに連れて行っても落ち着かないらしく、結婚式会場にもなる大型観光ホテルのほうが安心するみたいです。

 

せっかくなら喜んでもらって親孝行したい、でもお互いにラクはしたい。そんなオトナ世代の子も親も満足するための「オトナの親子旅の快適チェックポイント7」がこちら。

 

1・とにかくラクが大事。アクセス、気候、すいている時間やコンパクトな街の規模。

2・やっぱり温泉! いたせりつくせりの観光ホテル系施設

3・胃や歯にやさしくごちそう感のあるご当地グルメが楽しめる

4・おなじみ企業の工場見学などわかりやすい体験ツアーがある

5・大河や朝ドラなどNHK鉄板ドラマにゆかりがある地域や名所

6・あのころを懐かしむレトロな世界を体感できる風景やイベントがある

7・アミューズメント感覚の乗り物で気軽に行ける絶景スポットがある

 

1はもちろん重要。京都の名所には早朝を狙うなど混んでる時間を回避するという手も。

2もベタだけれどなんでも宿内で解決できる包容力があるのでやっぱりラク。

3は何を食べるかメニューを迷う必要がないという意味ではラク。

誰もが知る王道なコンテンツなので4、5、6は安心感もあり、話題も広がります。

そして意外なのが7。僻地にありがちな絶景スポットですが、ロープウェイやボートなどの乗り物で気軽に行ける場合も。アクティブなシニア世代は移動も旅行のうち。夕陽や満開の花などの王道スナップが撮れます。

 

「ラク」で「王道」な旅行先ベスト3とは?

 

キーワードは「ラクと王道」。無理をせずにちょこっと冒険というのがポイントかと。一緒じゃないと行けなかった、と喜んでくれます。せっかくだったら感謝されたいですもんね。ということで独断と偏見で選ぶ「オトナの親子旅にうってつけのデスティネーションBEST3」を発表します!

 

3位 岡山 街の規模がコンパクトで地元産業も元気

ザ・シロヤマテラス津山別邸の懐石ディナー

意外? と思うかもしれませんが、「オトナの親子旅の快適チェックポイント7」をかなりクリアしているのが岡山。海あり山ありで海鮮やフルーツなどの特産物に恵まれていたり、進研ゼミのベネッセ、カバヤ食品、クラレ、サンマルクなどの岡山発祥の身近な企業も多いんです。学生服やデニムでは全国的なシェアを誇り、ジーンズの街、倉敷市の児島にいけばジーンズ博物館や工場見学も楽しめる!

 

今回はお墓参りが目的だったので山側の津山に行ったのですが、街がコンパクトで程よい。朝は城下町をのんびり散歩して街並みや小さな地元の寺社をお参りしたリ、駅前の「つやままなびの鉄道」で旧津山扇型期間車庫などレトロな鉄道遺産をながめたり。

 

地方活性化でおしゃれな宿やカフェも増えていて、今回はオープンしたばかりの「ザ・シロヤマテラス津山別邸」に宿泊。こちら津山城が眺められる絶景、「城見SPA」がすごい! 岡山の新鮮な食材や山陰地方の食文化を知れる朝食ビュッフェなども満足できました。デザイナー家具が並ぶスタイリッシュな空間だけれど、地元の宴会や結婚式場にもなる大型観光ホテルとしての役割もあるので、昔ながらのおもてなしなんですよね。夕食も個室レストランでリラックスしていただけるなど、親世代も安心できる宿でした。

 

2位 京都 やっぱり鉄板! 混雑する時間や場所をさけ穴場でゆったり

 

大徳寺興臨院

 そしてやっぱりはずせないのが京都。メジャー指向でミーハーな面もある団塊世代は国宝とか文化遺産という肩書に弱い様子W。外国人に人気の「京都伏見稲荷大社」や祇園の街並み、先斗町での夕食は喜んでいました。

 

ただし真正面から人気スポット向かっては痛い目にあいます。平日だって大混雑の「京都伏見稲荷大社」や「清水寺」などの超人気スポットは早朝など時間をずらして。

今の季節なら苔や青紅葉をテーマに通好みのお寺を巡るのもいいですよ。苔庭が有名な「祇王寺」や座禅体験もできる「圓光寺」ではゆったりとときが過ごせます。なかでも「瑠璃光院」では青紅葉のライトアップが見事な特別拝観を実施。通常非公開なのですが、限定150名の夜間特別拝観ツアーなら瑠璃色に輝く苔のじゅうたんを堪能できます。スペシャル感の現地集合のツアーを部分的に利用する、これもオトナの親子旅のコツ。

 

東海道新幹線で移動することを考えると意外と便利なのがJR京都駅九条口側のホテル。南側は最近開発されたので、新しい施設も多く、駅前には「都ホテル京都八条」など老舗の大型ホテルも。京都駅から徒歩圏内なら、帰りも荷物を宿に預けられて便利です。

 

1位 静岡 オトナの親子旅の快適にする条件をすべてクリア!

 

首都圏からも近畿圏からもアクセスがよく気候も温暖

 

上記の「オトナの親子旅の快適チェックポイント7」をすべてかなえたのが静岡デスティネーション。今回、JR東海の浜松・掛川プレスツアーに参加したのですが、そのどれもが「オトナの親子旅」にうってつけでした。

 

まずは1。静岡も浜名湖も掛川も東海道新幹線なら東京から1時間~1時間半。乗り換えなしでダイレクトに行けるからストレスもナシ。心配性で荷物も多くなりがちなシルバー世代は、乗り換えや飛行機の搭乗手続きが不安だったりするので、迷わずに現地に直行できる新幹線の旅はおすすめ。前もって指定席を用意し、チケットを郵送で送れば駅集合できるし、関西や名古屋からも向かえるので現地集合なんて離れワザだって可能です。

 

気候も温暖だし、自然に恵まれ、程よく都会。温泉も各エリアにあり2もクリア。

 

親ウケしそうなうなぎ、精進料理などのご当地グルメもいろいろ

海にも山にも近く、うなぎや桜えび、すっぽん、山葵など静岡はご当地ならではの食材を楽しめるのも魅力。3の条件も満たしています。日本の真ん中あたりでもあり、蒸した関東風のうなぎとカリっと香ばしい関西風のうなぎの両方が味わえるのだそう。浜名湖畔東側のかんざんじ温泉街にもうなぎの専門店がずらり。舘山寺の門前にある「志ぶき」は蒲焼きと白焼きの2種を楽しめる二色小丼2980円なんてメニューも。重くならないちょうどいいボリュームでした。

掛川にほど近い徳川家康ゆかりの禅寺「可睡斎」ではここでしか食べられないお茶づくしの精進料理が拝観料含み5000円でいただけます。(数量限定要予約)典座和尚自らが創作したお茶ペーストの豆腐寄せ、天ぷら、抹茶胡麻豆腐などのお料理は滋養たっぷり。8月末までは邪気払いの4000個もの風鈴が飾られ圧巻ですよ。

 

工場見学や大河ドラマのロケ地などのコンテンツ満載

優良企業の多い静岡。ホンダ、スズキ、ヤマハ、はごろもフーズ、ポーラ、伊藤園などは静岡発祥の企業。各社による展示や工場見学も行われています。

 

今回、訪れたのはヤマハ本社に去年の7月にできたばかりの企業ミュージアム「ヤマハイノベーションロード」。創業130年のヤマハの歴史や最新技術を見て、聴いて、触れて体感できる場です。圧巻なのはずらりと並んだピアノやギター、ドラムなどの楽器展示エリア。その多くが実際に触れ、自由に演奏することができるんです。これは楽しい! 中には世界に25台しかない貴重なグランドピアノなどもあり、これも弾くことが可能です。(入館は要予約)

 

そして静岡といえば夜のお菓子、うなぎパイ。春華堂の「うなぎパイファクトリー」の工場見学はぜひともおとずれるべし! この静岡デスティネーションキャンペーンを記念して企画された「窯出しうなぎパイツアー」が500円で参加可能。これは昭和36年誕生当時の手窯を再現した焼きたてのあつあつうなぎパイミニを工場見学の後に味わえるプラン。濃厚なバターの香りと サクサクの食感に感動します。

静岡が誇るもうひとつの産業がお茶。世界農業遺産にも登録された茶草場農法が継承され、里山の半自然草地が130年以上も前から守られています。掛川市東山地区の「東山いっぷく処」ではこの時期、茶摘み体験のツアーも開催。この手で摘んだお茶を持ち帰ることができます。レンジで乾燥、もしくはフライパンで煎るなどで自宅でも簡単にお茶にすることが出来るので、お土産にもぴったり。ただし相当アップダウンのある茶畑の中での作業なので体力にかなり余裕がある親世代限定のおすすめですがW。

 

静岡は徳川家康をはじめ多くの武将にゆかりのある土地。大河ドラマのロケ地となった名所も多く、歴史ファンならぐっとくることうけあいです。

最近では「おんな城主直虎」の舞台に。次郎法師として井伊直虎が出家した「龍潭寺」もこの地にあります。徒歩圏内にはドラマに何度も登場した井伊家発祥のあの井戸も。

 

また「龍潭寺」は美しい庭園でも有名。徳川将軍家の茶道指南役の茶人であり、作庭の名人である小堀遠州作の国指定の名勝です。春夏秋冬の景観が素晴らしく、今の時期はさつきが見事。6月半ばまで花を楽しめるそうですよ。

 

浜名湖周辺は現在放映中の「いだてん」のもう一人の主人公、田畑政治(阿部サダヲの役ですね)のゆかりの地でもあるんですね。

 

国営放送のNHKの影響力はすごい。世代を越えて共通の話題で盛り上がれるのっていいですよ。大河ドラマと朝ドラのロケ地は親子旅の王道観光スポットです。

 

気軽に行ける絶景スポットやレトロな風景に会える静岡

そして静岡には富士山以外にも絶景がたくさん! 絶景だけど秘境、というわけではなく気軽に立ち寄れる場所も多い。

 

例えば年中、お花を楽しめる「はままつフラワーパーク」。今の時期なら6月上旬まで満開のローズガーデンへぜひ。6月には花しょうぶ園やアジサイ並木が見ごろだそう。6月末までは2億円の価値がある数メートルの大盆栽展も開かれています。大きな温室もあり広大な敷地ですが、1回100円で乗れるフラワートレインも巡回しているので移動もラク。

浜名湖で今注目なのが浜名湖上にぽつんと立つ不思議な写真が撮影できる「浜名湖の真ん中で愛を叫ぶ」ツアー。JR新居町駅前からボートに乗り、引き潮になると出てくる浅瀬を歩くという体験。タオルやビーチサンダルはツアー料金5000円~6000円に含まれているから、身一つで参加できます。浜名湖を遊覧してくれるからクルージングとしても楽しめますよ。

この時期ならではのツアーがロープウエイで夕陽に煌めく浜名湖を見渡す沈みゆく「夕焼け空中散歩ツアー」。閉館後のオルゴールミュージアムで解説付きオルゴールコンサートを聴き、展望台でカリヨンの音色と夕焼けを堪能できます。往復のロープウェイ運賃やオルゴールミュージアム入館料も含めて1450円のツアー料金は良心的。

 

いずれもアミューズメント感覚の乗り物を利用することで、ラクに絶景スポットに到着できちゃうのがうれしい。通常の観光ではない冒険気分を味わえます。これで6もクリア。

もうひとつ王道なのが、様々な思い出は交錯する昭和のレトロスポット。あの頃を思い出してロマンチックな思い出を語り出したり、ノスタルジックな子供時代を振り返ったり、話題が広がります。

 

今回、参加した天竜浜名鉄道の「洗って! 回って! 列車でGO!」ツアーは電車に乗りながら天竜二俣駅にある転車台の方向転換や洗車機を体験できるというスペシャルなツアー。

 

鉄オタにとってはものすごい貴重な体験で、電車大好きキッズにとっても胸躍るイベントなのですが、意外にもシニア層の参加が増えているのだそう。車庫の奥にある鉄道歴史館の展示や今もオフィスとして使われている運転区事務室や休憩所、浴場などの国登録有形文化財も見学でき、昭和にタイムトリップしたような気分になれます。土日祝日のみで、定員50名、参加費500円とお手軽なツアーなのでご予約はお早めに!

 

というようにチェックポイント7つをすべてクリアした静岡デスティネーションは程よく、気軽で、ラクちん。ストレスなくゆったりとした親子旅を満喫できます。私も次回の親子旅は浜松・掛川に決定! 新緑の季節、さまざまなキャンペーンも開催しています。

ハローナビしずおか公式HP

爽やかな新緑のこの季節、「オトナの親子旅」で親孝行をしてみてはいかが?

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