はじめてのサロンで「おまかせ」にしたら大失敗…?髪型オーダーを成功させるポイント4
自分に似合う髪型に出会えない、あれこれ説明をしたのに思い通りの髪型にならなかった、いつもモヤモヤしてサロンを後にするという人、まだまだ多いようですね。
「おまかせ」は失敗しがちと私も思っていましたが、具体的なイメージがわかない、似合う髪型ってなんだろうと悩んでいるなら、「おまかせ」も悪くはないと思うようになりました。
というのも、100人近い美容師さんとヘアオーダーについて話をする機会があり、「おまかせ」に対するイメージが変わったから。今回はおまかせするときにポイントとなることをお話したいと思います。
髪悩みが増える40代こそ髪のプロの判断が必要だから
前提として、「私は絶対にパッツンボブじゃなきゃ嫌だ!」「私はいつも鎖骨レングスの巻き髪よ」と強い信念を持っている人は「おまかせ」はやめてください。もちろん、そういう方はおまかせにしないと思いますが……。
どんなスタイルにしたらいいか迷っている、いつもしっくりこない、説明の仕方が悪いのかな…と思っている人はおまかせにチャレンジしてみるのも新しい自分の発見ができ、しっくりくる髪型に出合えるというお話です。
「おまかせ」と言っても、何も言わずにいきなりカットする美容師はほぼいないでしょう。
まずは、髪の状態を判断する人がほとんどです。
おまかせにしてもいい理由のひとつとしては、昔よりも髪悩みが増え、自分自身でも髪の扱いに困って髪型が決まらない人が多いからということが挙げられます。
以前と同じようにブローをしてもうまくまとまらない、おさまりが悪いと感じているならば髪の状態をまずプロの目線で判断してもらうことが大切。
自分の髪がやわらかいのかかたいのか、太いのか細いのか、本当のところはわからないもの。これは顔型も同じで、女性のほとんどが「丸顔」と思い込んでいるのですが、実は違うことのほうが多いそうです。
洋服づくりはデザインによって生地を選びますが(逆もありかな)、ヘアスタイルもデザインによって向き不向きな髪質があります。また、髪質だけでなく、「毛流(もうりゅう)」もヘアデザインを決める上で大切な要素。これを判断できるのは美容師です。
多くの美容師が「お客さまは自分の素材をわかっていないことが多い」とおっしゃっています。また、「マイナスにとらえていることも実は個性になる。隠すことだけ考えて髪型を考えるのではなく、いかす方法も知っているのが美容師」とも。
「洋服はデザインが気に入ってもサイズが合わず着心地が悪いと着なくなる。髪もサイズ(毛量や髪質)がフィットしなければ着心地が悪く、気に入らなくなる」と話してくれた方も。
思い込みや形ありきでいくと、理想とは違った…となりモヤモヤして終わることが多いと思います。
髪がやせてきた、うねりが出てきた、ボリュームが出ないなどエイジング悩みが増えてくるアラフォーだからこそ、ガチガチに理想をかためるのではなく今の髪状態を判断してもらうことからスタートしてみてはいかがでしょうか。
*細かくオーダーをしても美容師はまず髪質を判断し、できる・できないを伝えて新たな提案をしてくれるので安心してください。
リラックスしてサロン時間を楽しんでほしいから
自分がどう見られたいか、どうなりたいかを考えてサロンに行きましょうというアドバイスもあります。それは決して間違いではありません。が、私はもっと気軽にサロンに行って欲しいなと思うのです。
もちろん、大事な面接の前だから、お見合いパーティに行くから、気になる彼を振り向かせたいなど明確な目的がある場合は別です。髪型でなんとかしたいと気合いが入っているときは、しっかりとイメージをかためてからサロンに行く方がいいでしょう。
でも、ちょっと髪型を変えてみたいな、今のヘアスタイルって私に本当に似合ってるのかな? 40才を超えて今の髪型でいいのかな…というくらいなら漠然としたイメージだけで「おまかせ」にしてもいいと思います。
忙しくてサロンに行く時間を捻出するのも大変な人もいますし、休日を使っていくことが多いと思うので、その前に就職活動のように自己分析をしていくのってぶっちゃけ疲れませんか?
これは個人的な意見ではありますが、サロンはリラックスした気分で行きたいんですよね。
前述のように「おまかせ」だからといきなり髪を切る美容師はほぼいません。
「おまかせ」だからこそ色々と聞き出そうとしてくれるので、そこでしっかりと答えられれば大丈夫。難しい質問ではないので、準備や気構える必要はありません。
「おまかせ」にしてもいい人は…
●なんとなくイメチェンしたい、自分に似合う髪型ってなんだろうと思っている人
●したい髪型が明確にない人
●美容師とのコミュニケーションがある程度できている人
●初めてのサロンでも下調べをして自分好みだなという美容師を指名した人
注意したいのが、「おまかせ」でも100%美容師に依存してはいけないということ。
理想の髪型は美容師ひとりの力では実現できません。髪の毛は体の一部ですからまるっきり他人まかせは危険ですし、365日のうち360日くらいは自分でスタイリングしないといけないので、美容師との共同作業と思ってください。リラックスしてサロンに行って欲しいけれど、自分も理想の髪型をつくる担い手であることは忘れないで。
「おまかせ」でも気をつけたいことを4つに絞ってみました。これくらいなら緊張せず、気負いなくサロンに行けるのではないでしょうか。
1.おめかしせずいつものファッションで行く
美容室に入った瞬間から、美容師さんはあなたのことを見ています。
等身バランスはもちろんのこと、どんなファッションを好むのかをチェックしてヘアスタイルづくりの参考にしています。せっかくサロンに行くからと気合を入れていくと、その服に合ったヘアスタイルになり、いつもの服と似合わなくなりがちです。
さまざまなテイストの服を着る人もいますから、靴やバッグなど小物をチェックしているという美容師もいました。
言葉で自分のイメージや好みを表現できない人は、服装でアピールするのもひとつの手。現状のままではなく、これからはこんな自分になりたいというのを服装であらわすのもいいでしょう。
「どんなに長いつき合いのお客さまでも来店したときの服装はチェックしていますね。気分や好みは変わるものですから」と、カットクロスをつける前にちゃんと見ているそうですよ。
2.Yes、Noの意思表示ははっきりと!
髪は伸ばしているか切りたいか、結べるほうがいいか、前髪はありかなしか……など、美容師から色々と質問をされます。そのときに「うーん、どうだろう」と曖昧な返事をしないこと。
考え込まずに迷ったときは質問返しをしても大丈夫。おまかせと言いつつも、自分の中に「したくないこと」や「似合うのかな?」という思いがありますよね。そこを言わないでいるとモヤモヤが残って終わってしまいます。これも共同作業のひとつです。
「髪は切りたいけれど、肩上はイヤ」「前髪は残したいけれど、どの長さが似合いますか?」などイエス・ノーだけでなく気になったことは伝えていきましょう。
イメージをかためていかなくてもいいと言いましたが、きっと「どうなりたい?」と早い段階で聞かれるでしょう。具体的に言えなくても、「フェミニン? クール?」「米倉涼子さん風?」など選択肢を用意してくれるので安心して。
要望は、したいことよりも「したくないこと」のほうを知りたいという美容師が多いようです。
NGなことは今までやってみて失敗したこと、似合わないなと思ったことがほとんどだから。「したくないこと」に理想の髪型に近づけるヒントが隠れているそうです。
自分がしたい髪型がよくわからない、イメージがかたまっていないという人でも質問に答えていくうちに形がみえてくるはずです。そして今の気分に従ってこたえていくほうが、仕上がりに対する満足度が高くなる傾向にあります。
「形は似合っていても今の気分にフィットしていないと表情にあらわれるので、お客さまの気分を大切にしています」という美容師も。今の気分を聞かれても答えに困りそうですが、仕事を頑張りたい気分、プライベートを充実させたい気分、仕事で失敗して落ち込んでいるから元気を出したい気分…など髪型とは関係なさそうなことでも正直に話しをしたほうがいいんです。
3.自宅でのヘアケア・スタイリングについては偽りなく答える
自宅でのヘアケアやスタイリング方法についてきちんと聞いてくれる美容師は、安心してまかせられると思っていい要素のひとつ。
サロンではプロが仕上げるので素敵になるでしょう。でも、家では…という経験、何度もしている人は多いですよね。これはその人が普段どんな風に髪を乾かし、スタイリングをしているかを無視している結果。
アイロンを使わないのに、巻いて素敵に仕上がるスタイルされてはどうにもなりませんよね。
朝、スタイリングにどれだけ時間をかけられるのか、ドライヤーで乾かすだけなのか、アイロンも使えるのか、どんなスタイリング剤を持っているかなど髪のお手入れの仕方について聞かれたら正直に答えてください。髪に無頓着と思われたくないとウソをついてはいけません。
ここでウソをつくと、扱いにくい髪になって毎日憂うつになるだけです。
4.言葉のズレをなくすため写真を見せてもらう
ありがちなのが「このあたり、軽くしましょうか」という言葉。軽いってどういうことをさすか、イメージつきますか?
髪がふわっと動く軽さなのか、毛量を削いで軽くするのか…。この違いはかなり大きいものです。
また、「髪色を明るくしましょうか」という明るさも人によって違いますし、ピンクをミックスしたブラウンと言われてもわからないし…。
おまかせでも言葉だけのやり取りは命取りになるので、言葉の意味がわからない、イメージがつかない、人それぞれとらえ方が違くなりそうなものは具体的に見せてもらうことが大切です。
サロンには雑誌やヘアカタログがたくさん置いてありますから、持参しなくても大丈夫。
「例えばどんな感じですか?」と聞けば、いくつか写真を用意してくれるでしょう。また、今は美容師の多くが自分のつくったスタイルを写真に残しているので、その中から見せてくれるはずです。
ポイントの2に戻りますが、こういうのはしたくないとか、これが失敗だったという具体例も自分の写真フォルダに残っていればそれを見せるとズレがなく、美容師と方向性を共有できます。
レストランのシェフのおまかせコースとは違い、サロンでおまかせといってもメニューは決まっていません。あなたという素材をもとに、美容師と共同でつくりあげていくものです。
やっぱりうまく話せない、言葉で表現するのは難しい…という人も深く悩む必要はありません。
無意識でやっている仕草にもあなたの今の髪悩みがあらわれているからです。
「お客さまに髪悩みを聞くと、うーんと言いながら髪の頭頂部を触ったり、生え際を触る人がいます。実はそこが気になっているパーツなんですよ」と教えてくれました。
何気なく発した言葉からも今の気分やどうなりたいか、気になる髪悩みもくみとってはくれますが、美容師はエスパーではないし魔法使いでもありませんので、「おまかせします」といっても質問には正直に答えてくださいね。