金とセックスは大事だが恋愛は心底どうでもいい【名誉教授が語る】
『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください』、
元祖リバタリアン、アイン・ランド研究の第一人者である藤森かよこ先生の連載がスタート!「孤独な人間がそれでも生きていくこと」についてガチトークを繰り広げます。
恋愛の恋の字もないのに恋愛本として分類された拙著
私は、66歳にして初めての単著『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください』(KKベストセラーズ、2019)を上梓した。しばらくして驚いた。その本が、Amazonのカテゴリーとして「恋愛」に分類されていたから。
拙著は、恋愛のことには全く言及していない。目次にすら「恋愛」はない。見出しにもない。ほんと。
拙著はタイトルが示すように、馬鹿でブスで貧乏な低スペック女子向け自己啓発本である。馬鹿ブス貧乏でも、自分の幸せは自前で創るしかなく、政府も家族も恋人愛人も根本的には関係ないのだから、青春期と中年期と老年期に分けて、こーいうことに気をつけて生きよう~~と親戚のお節介なオバサン(オバアサン)のノリで書いたものだ。
となると、内容は(賃金の出る)仕事との関わりとか、職場の人間関係とか、お金の管理とか、情報へのアクセスとか孤独への対処とか健康とかになる。
しかし、私が書いた本はカテゴリーとして「恋愛」に分類された。なぜ?
つまり、それだけ、世間には「恋愛が女性にとっては大事である」という前提があるのだ。思い込みと言ってもいい。
大事なのはカネとセックス
しかし、すでにまともな知性のある女性ならばわかっていることであるが、恋愛自体は、女性の実人生において重要ではない。重要なのは、どう食っていくかだ。つまりお金だ。賃金労働をしてお金を獲得するか、賃金労働を他人に委託できるかどうかだ。
ただし、貴族の女性や財閥のお嬢さんとかの生来資産を持つ女性は、賃金労働に時間を注ぐ必要はないので、その余暇活動に恋愛が入ってくるかもしれないが、「そんなの関係ない!」(古いですね)だ。
お金の獲得と管理以外に大事なのは性欲の管理だ。人間には生身の動物である限り発情期がある。発情期の長さには個人差がある。女性の場合は、ほとんどの場合、50代前半くらいまでは発情期だ。その発情期の間に、自分の性欲をいかにコントロールするかが大事だ。でないと、望まぬ妊娠をし、馬鹿な男と性交して馬鹿ウイルスに伝染し、人生を無駄に無意味にややこしくする。
要するに、カネとセックスが大事なのだ。恋愛が大事なのではない。
有益な精神活動としての恋愛は万人には開かれていない
私は今年で67歳になるが、ふりかえってみると、恋愛というものは、発情期の性欲に刺激されて見る幻影でしかないと断言できる。もしくは、孤独な人生からの現実逃避の装置でしかないと断言できる。
かつて若き日に恋い焦がれた男性たちを思い出しても、私は追憶に感傷的になれない。申し訳ないが、「どこが良かったんですかね、あんな人たち。みんなアホじゃん」と、私は思ってしまう。
しかし悪いのは、その方々ではない。私だった。性欲と恋愛を別のものと考え、純愛をしているつもりで現実逃避をしていた私の脳タリンぶりが悪かった。
しかし、お金やセックスの重要性に比較すればどうでもいい恋愛ではあるが、真剣に恋愛はしたほうがいい。真剣に恋愛する能力のある人は、だ。真剣に恋愛する能力のある人が恋愛すると、非常に利益がある。
といっても、ほとんどの人間には恋愛能力はない。人類に恋愛はまだ早い。永遠に早いかもしれない。次は、そのことについて書く。
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