「さくまく」じゃないよ!「索漠」の読みや使い方を知っていますか?
日本語には似たような響きの言葉がたくさんあります。そのため、本当は正しい読み方なのに、聞き馴染みのある言葉と勘違いして読み間違えてしまう…なんてことも。
そこで本記事では、意外と読めない漢字クイズを出題します。
「索漠」の読み方、知っていますか?
「索漠」の読み方は?
「検索」などでおなじみの「索」に、「漠然」の「漠」。「今回の漢字クイズは全然難しくない」と感じた人もいるかもしれませんが、なんとなく聞き馴染みのある音に引っ張られて「さつばく」と読んでしまった人もいるのではないでしょうか。
正解はこちら!
正解は「さくばく」です。「検索」の「索」と「漠然」の「漠」で浮かんだ読み方で合っていますよ!
「索漠」は
心を満たすものがなく、もの寂しく感じるさま。荒涼として気のめいるさま。
出典元:小学館 デジタル大辞泉
を意味します。
「索漠」と「殺伐」の違い
さて、「索漠」の誤読例に「さ“つ”ばく」があるのですが、「つ」と間違えてしまうのは、よく似た言葉「殺伐(さつばつ)」に引っ張られるからだと考えられます。
「殺伐」は
一 穏やかさやあたたかみの感じられないさま。とげとげしいさま
二 人を殺すこと。荒々しくむごい・こと出典元:三省堂 大辞林第三版
を意味します。
「殺伐」の“人を殺すこと。荒々しくむごいこと”を表す意味と「索漠」を比較すると、だいぶ意味が違うように感じますが、
- 索漠 荒涼として気のめいるさま
- 殺伐 荒廃していて潤いのないさま
と並べると、意味を混同しそうになります。
実際「索漠」と「殺伐」の類語を比較してみると、「荒涼(風景などが荒れ果てて寂しい様など)」など共通した表現もあります。しかし、そのほかの類語は、
「索漠」の類語
- 荒涼
- 凄然(せいぜん)
- 寂然(じゃくねん) など
「殺伐」の類語
- 殺風景な
- 荒涼とした
- 刺々しい
- 荒んだ
- 険しい
- 寒々とした
- 潤いのない など
となります。
「風景などがもの寂しいこと」を意味する「索漠」と「形式や雰囲気が粗く棘のある様子」を表す「殺伐」。うまく使い分けられるといいですね。
参考文献:NHKアナウンス室編, 『NHK 間違いやすい日本語ハンドブック』, 2013年5月25日, NHK出版