「ざんさ」ではありません。「残滓」の読み方、知っていますか?
日本語には似たような読み方や意味をもつ言葉が多々あります。しかしよく似ている言葉であっても、その言葉で表現できる範囲が幅広いものもあれば、限定的なものもあります。そのため、読み間違えにより、その場の表現に相応しくない言葉に変わってしまうこともあるのです。
そこで本記事では、意外と読めない漢字クイズを出題します。
「残滓」の読み方、知っていますか?
「残滓」の読み方は?
「残滓」の「残」という漢字から、意味を推測することはできそうです。しかし日常で「滓」の字を見かける機会はあまりありませんよね。意味を推測し「ざんさ」と読んだ人、また「滓」の一部が「幸」に似ていることから「ざんさい」と読んだ人もいると思いますが、正解は…
正解はこちら!
「ざんし」です。
なお「ざんさい」が「慣用読み(本来の読み方ではないが、一般に広く用いられたことで定着した読み方)」として記載されている辞書もあります。ですが、元々の読み方は「ざんし」です。
「残滓」とは
残りかす
出典元:小学館 デジタル大辞泉
を意味します。
また間違った読み方の例で紹介した「ざんさ」は、「残渣」と書きます。「残滓」とは漢字も読み方も一文字違いですが、よく似た意味をもちます。
濾過(ろか)したあとなどに残ったかす。
出典元:小学館 デジタル大辞泉
ただし、「残滓」は「残ったもの、残りかす」と表現できるもの全般に使うことができますが、「残渣」は「溶解や濾過したあとに残ったもの」に限定されます。
辞書に掲載されている例文を見るとわかりやすく、「残滓」は
- 「封建思想の残滓」
- 「旧体制の残滓」
- 「記憶の残滓」
など、思想や社会の仕組みに対しても使うことができます。ですが、「残滓」の代わりに「残渣」を使い、「記憶の”残渣”」などと例えることはありませんので、ご注意を。それから「残滓が残る」という表現は二重表現(例「頭痛が痛い」など)になってしまうのでこちらもご注意を。
参考文献:NHKアナウンス室編, 『NHK 間違いやすい日本語ハンドブック』, 2013年5月25日, NHK出版
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