私の人生に唯一足りないのは「子ども」というピース【40代の婚活塾#8後】

2021.01.02 LOVE

前編の続きです。

 

リバイバル配信 40代の婚活塾#8後編

人生で唯一足りないのは“子ども”というピース

先ほどのNさんですが、結婚相手というより、子どもの父親となる相手を探して必死でお申込みをするも、なかなかお見合いが組めませんでした。

 

彼女自身は42歳を出産のリミットと考え、41歳のうちになんとか成婚に持ち込もうと必死です。

 

その間、彼女には何人ものお申込みがありました。そのほとんどは年上で、子どもに関しては「どちらでもいい」というお考えの方。

 

中には再婚で、お子さんがいらっしゃる方もいたので「どうしても子どもを持ちたいなら、お相手のお子さんを一緒に育ててみては?」と言いましたが、自分が産んだ子どもでなければいけないと頑なです。

 

彼女も「人間は子どもを産んで育てて一人前」の価値観にがんじがらめになっていたのです。

 

さらに、これまでどんなにつらくても、頑張って仕事をしてきて、成果を上げ、社内で女性初の役職を手にした彼女は、「努力は必ず報われる」という言葉を支えに生きてきました。

 

子どもを持つことは、それまで自分の力でいろいろなものを手に入れてきた彼女にとって、足りない最後のピースでした。

 

そして、そのピースが揃えば自分の人生が完璧になると考えていたのです。

 

仕事の成功もステイタスも女性としての幸せも人間としての義務も果たした私という充足感。そう、子どもは完璧な人生の象徴なのです。

 

 

求めているのは父親?それともパートナー?

しかし、申し込みを断られる事も多く、たまにお見合いが成立しても、そのお相手に対し「ピンとこない」と言っていた彼女に少しずつ変化が出てきました。

 

 

最初の変化は「子どもの父親という目で選んでいた時は、年収と年齢だけを見ていましたが、実際に何人かとお会いしたら、それだけではない気がします」とおっしゃいました。

 

「最初はどんな方がいいの?」と聞いても、年齢と年収の条件以外は「うーん、優しければどんな人でもいいかな…」とぼんやりしていました。

 

でも、徐々にではありますが「不思議と話が弾む人がいて、そういう人といると自分もずっと笑っていられます」という言葉が出るようになってきました。

 

人間は条件だけで人を愛せるわけではありません。

気が合う人
気を許せる人
気を使わなくてもいい人

 

自分が自然体でいられる人といることが幸福感をあげます。

 

しかも、子どもは産んだらハイ終わり、ではないのです。子どもの成長と人生と命を守り、育て上げるには一緒に子育てをしてくれる人が必要です。そしてその人は、「この人の子どもだから産みたい」と思える人でなければなりません。

 

まずはパートナーとして一生を共に生きていけるか。そしてその先に子どもがあるのです。

彼女はその事に気づき始めたようでした。

 

 

それでも子どもはあきらめられない

それからは、今までならお断りをしてきたであろう方からの申し込みに対しても、「会ってみるだけ会ってみようと思います」と少しだけ相手の条件を広げてきました。

 

ただし、子どもをあきらめたわけではありません。あくまで出産を希望するという前提で、条件だけではなく趣味や気が合いそうな人とも一応お会いすると。

 

実際、趣味が同じ人やプロフィールの文章に好感を持った人と会って話してみると、「子どもの父親となるために年齢と年収だけで選んだ人」と話すより「すごく楽しかったです」と言って帰ってくる事が増えました。

 

そして「どんな人といると自分が心から笑えるのか段々分かってきました」と、前向きな発言も出るようになってきました。

 

「私、断られてもどんどん申し込みます。自分がパートナーに求めているものも分かってきたし、なんだかそういう人と出会えるような気がします。それを踏まえた上で、この人の子どもを産みたいと思う人を探します」とやる気満々です。

 

私はそんな彼女の話を聞き、うれしい反面、ちょっとだけ不安も感じていました。
それは、やはりその境地になってもまだ出産を第一優先に考えていたからです。

 

先ほども言いましたが、あくまでパートナーが先で、子どもは「授かりもの」というスタンスでいなければ、結婚したはいいけれど、いくら頑張っても結果のでない妊活に心が折れてしまうケースはよくあります。

 

しかし、前向きになっている彼女のやる気をそぐわけにはいきません。私は成り行きを見守る事にしました。

 

次回。活動を開始し半年、自分が求めるパートナー像が分かり始めて3カ月。彼女が最終的に決めたのは…?

 

(構成/奥永陽子)

 

 

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