「まつあかり」ではありません。「松明」の読み方、知っていますか?
本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「松明」です。
「松明」の読み方は?
そのまま「まつあかり」と読みたくなるところですが、残念ながらそれは不正解。ただし、「松」と「明」の音読みで読んだ場合には正解です。
ですが、この漢字クイズにお答えくださる皆様には、「松」と「明」を音読みする以外の読みを覚えていただけると幸いです。
まずは正解を見てみましょう。
正解は……
「たいまつ」です。
松明とは
松の樹脂の多い部分を細かく割り、束ねたもの。火をつけて照明に用いた。のち、竹やアシなども用いるようになった。打ち松。続松(ついまつ)。継(つ)ぎ松。松火。
出典元:小学館 デジタル大辞泉
です。
「松」と「明」を音読みして「しょうめい」と読んでも正解です(上記辞書で「しょうめい」は“「たいまつ」に同じ。”と記載されています)。なお「たいまつ」は「炬」とも書きます。
「たいまつ」の語源には諸説あります。
『デジタル大辞泉』や『漢字ペディア』などには、「焚松(たきまつ)」の音が変化したものと記載されています。
一方『日本大百科全書(ニッポニカ)』には、手に持つ灯火(とうか・ともしび)を「手火(タビ)」と読み、今でもこれを「タビ」の音が変化したと思しき「タイ」と呼んでいる地方があること、そして「手火」がのちに「焚松」「松明」などと書かれるようになり「たいまつ」と呼ぶようになった、と記載されています。
草川昇著『語源辞典 名詞編』や日本史用語大辞典編集委員会『日本史用語大辞典 第1巻』など、さまざまな文献に同様の記述がありますが、8〜10世紀ごろの書物に「松明」の語源とされる漢字が登場しても、読みの説明がないことなどから、「諸説あり」とのこと。
「松」の読みには
- 音読み ショウ
- 訓読み まつ
しかありませんから「当て字なのでは」とは推測していましたが、語源や由来を追ってみて複雑な背景があることがわかりました。
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