「〜がましい」がヒント。「烏滸がましい」の読み方、知っていますか?
本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「烏滸がましい」です。
「烏滸がましい」の読み方は?
「烏」は「からす」を表しますが、「滸」が何と読むのか、何を意味するのか分からず、戸惑う人は少なくないはずです。烏滸がましいの読み方、最大のヒントは「〜がましい」という送り仮名。「〜がましい」で終わる言葉は烏滸がましい以外にもありますが、いくつか当てはめてみてください。
また烏滸がましいの意味は
① ばかばかしくて、笑いを誘うようなさま。ばかげている。みっともない。いい物笑いになりそうだ。
② さしでがましい。なまいきである。思い上がっている。しゃくにさわる。出典元:精選版 日本国語大辞典
です。
それでは正解を見てみましょう。
正解は……
「おこがましい」です。「痴がましい」とも書きます。
「烏滸(おこ)」は
愚かなこと。ばかげたさま。
出典元:オコ|言葉|漢字ペディア
を意味し、「尾籠・痴」とも書きます。
「滸」は
ほとり。みぎわ。きし。
出典元:滸|漢字一字|漢字ペディア
を意味するのですが、なぜ「烏+滸」で“愚かなこと。ばかげたさま”を表すのでしょうか。
「おこがましい」の「おこ(をこ)」は古くから使われているため、語源は明らかになっていません。平凡社が出版する百科事典『世界大百科事典 第2版』では「烏滸」について
語源はヲカシと同根かともされるが未詳。
引用元:株式会社平凡社 世界大百科事典 第2版
と記載されています。
日本神話や古代の歴史などを伝える歴史書である『古事記』と『日本書紀』には「ヲコ」「ウコ」として登場し、平安時代以降に「烏滸」や「尾籠」の字が当てられたとされています。
株式会社ルックバイスが運営する語源由来辞典によると、中国の古代王朝の一つ、後漢の時代に、黄河や長江に集まる騒がしい人々を「烏滸」と表していました。騒がしい人々を「烏」に喩え、水際を表す「滸」で黄河や長江といった場所を表したのだと思われます。
参考文献
- 山本吉左右「烏滸」『日本史大事典 1』(平凡社、1992年)
- 林公子「烏滸」/宮島新一「嗚呼絵」『日本歴史大事典 1』(小学館、2000年)
- 痴がましい/烏滸がましい/おこがましい – 語源由来辞典
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