「安心して忘れる準備」をする。今こそノートを見直してみて #4
この1年で激変した私たちの美容。いま注目すべきこと、大切にすべきことは何なのでしょう?
ステキに年を重ねている美の専門家たちに「いま大切にしているキーワード」を聞いていきます。
シリーズ6人めは、吉川千明さん。5日連続でお伝えするキーワードのうち、4日めは「ノート」でした。
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「キー・ハビット」を作るだけで、人生の好循環が生み出せる
–吉川さんはコロナ禍より前から、ラジオ体操を毎日続けているそうですね。
そうなの! これまでヨガ教室なんかも入っては辞めてきましたが、ラジオ体操が私に合って。第一と第二を続けています。
最近はB-lifeのまりこさんの動画を見ながら太陽礼拝も毎日続けていて、時間がないときは昼でも太陽礼拝をしています。オンラインミーティングを1本やったら、ヨガを1本するというリズムがいちばん調子がいいです。
–この場合、何をやるかより、やると決めたことを「続ける」ことが大切なのでしょうか?
そうです。「キー・ハビット」と言うそうですが、たとえばラジオ体操をやるって決めたら、それを必ず、そのことだけはどれだけしんどくても必ず毎日やる。
それだけで自動的に、漠然と存在していた課題全部が実行できるようになっていくんですって。私は欲張りだから、ラジオ体操だけでなく、食事も、ウォーキングもって組み合わせてしまいますが、でも、何か簡単なこと1つだけでいいんです。
自分の感情のクセに向き合い、自分を愛おしむ
–何かを始める、続けるということは、簡単そうに見えて、とっても難しいことだなと思います。
そうですね。続けることって難しいですよね。だから、たくさんでなく、一つに絞った方がよいのだと思います。
そして、美しく健康な状態を保つためには、メンタルケアも大切です。お風呂に入ってリラックスするのはすごく大事ですが、その前に大切なのが、いかに心の中の執着をなくしておくか。
私たちの心って、クセがあります。過去にあったいろんなことが心の中に残っていて、感情のクセになって現れてきます。
なんで今日、私はこんなにヒステリックなのかな?と気づいたら、思い返してみて。きっと過去にも同じことが起きています。それをトラウマと呼ぶんでしょうけど、このトラウマはリリースしていく必要があるんです。
–ネガティブな人は日ごろからネガティブなことを口にしがちですし、考え方のクセは言葉にも現れます。
その人のよいところと悪いところは表裏一体。調子のよい時はポジティブな面となって外に現れ、調子の悪い時は、ネガティブな面となり、態度や言葉に現れます。
私の場合、ネガティブモードの時は、つい、「どうせ私は馬鹿ですよ」って口に出して言っちゃうの。娘にも、ママ、そんなことない、自信を持っていいんだよって言われるんですが。
人間って、みんな弱点があるんだよね。傷口があって、そこを触れられると弱いの。
だから、そこにわざわざ自分で触れる必要はないんです。トラウマは意識してリリースしてください。
紙の「ノート」の効果は絶大。用事を書き出し、消し込むと、安心して忘れられる
–この1年で、新しく始めた習慣がたくさんあると伺いました。中でも、ノートが効果絶大だったと。
新宿・伊勢丹B1F「対馬ルリ子女性ライフクリニック新宿クリニック」の院長、早田輝子先生とトークショーをしたとき、教えていただいたんです。
早く寝る宣言をしている割に、私、とっても夜ふかしで、ちょっと何かをしているとあっという間に夜中。結局夜中を過ぎても眠れなくて、毎日ぐったりと疲れてしまっていたの。
それを早田先生に相談したら、いわゆるTODOリストをまとめて書くのではなくて、「やることを都度都度ノートに書いてください」って言われました。
–ノートに書くというと、黒板を書き写すように、一文字ずつを丁寧に…?
いえいえ、誰に電話、誰にお手紙、みずほで振込、宅急便、請求書、誰にメールみたいに、やらなきゃいけないことを思いついたら大きくノートに書き出すんです。そして、終わったらどんどん横線で消していきます。
いちど書き出せばそのことはもう忘れていい。これが効果絶大です。
–確かに、日常生活には忘れてはいけないことがあまりにもありすぎます。
私たち、煩雑になっていたのね。次は何だっけ、たくさんやることがあるけどどれから先にやればいいんだっけっていつでも考えている。この煩雑な時間がなくなると、頭の中の心配事が減るの。結果的に、作業効率がぐんとよくなりました。
ネットにはタスク管理ツールがいろいろありますが、それよりも断然、広げてひと目で全容がわかるノートがいい。これは本当に、みなさんにお勧めしたいです。
私たちはもっと「気」を整える努力をしたほうがいい
–美容家の先生にお話を伺って、まさか「ノート」という物理アイテムが出てくるとは思ってもいませんでした。
ところが、美容に大きく関係あるんです。人間のすべては、心と神経に支配されているんですよ。ノートに書き出すのも、ラジオ体操をするのも、すべては神経を休めるためのこと。
東洋医学で「気血水」と言いますが、いちばん最初にくるのは「気」。気とはエネルギーであり、気持ちの気。どれだけいいものを食べても、生きるエネルギー、気が乗ってこないと栄養は身につかないんです。私たちは「気」にもう少し重きをおいていいはずです。
–確かに、これまで貧血対策など「血のケア」は散々しましたが、「気のケア」はした記憶がありません。
私ね、震災のあとに、もう無理だなって思って離婚したんだけど、それでいいと思っていても、心の整理はそう簡単にいきません。
仕事には恵まれてきたけれど、ずっと体調は悪かったわね。なんで!?という気持ちがずっとあったしね。身体はものすごく冷えて、全身が冷えたタコみたいになりました。
カチコチで、硬直していて、何をやってもほぐれなかった。あの原因って、気だと思っています。
–気が休まらない、気が滅入る、確かにストレスは「気」がキーワードです。
人って、心からリラックスする瞬間がないとダメなのね。当時、私の心はギーっとなっていて、常に戦いモードでした。
あんなこと今やったら命を持っていかれます。諍いを長く続けてしまうと、大きな病気になってもおかしくない。
お酒をがぶがむ飲むのって、メンタルが整ってないときでしょう? 気持ちが充実しているときは身体もついていきます。全部統合されているんです。頑張ろうっていうときに、いかに気持ちを乗せられるかは、その前にどれだけリラックスできていたかに左右されます。
–とはいえ、気のケアとはどうすれば…?やっぱりヨガなどを始めたほうが?
ね。戸惑いますよね。ストレスをオフするのって、ものすごく難しいの。大切なのは循環です。
お買い物に外に出かける、運動する、お陽さまにあたってセロトニンが出る、するとメラトニンが出て、スイッチが入って夜眠れる。朝起きられて、お買い物に出かけられる。
こんなふうに循環して、はじめてストレスがオフできるんです。
ところが私たちの日常は、頭ばっかり使って身体を使っていないでしょう? よくしたいならその分だけ身体を動かさないと。
お金は欲張りすぎるとよくないけど、気を欲張って充実させるのはものすごくいい。気がよくなると血液、身体、肌、全部がよくなります。
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【吉川千明さんオススメアイテム #4】
シャトー・デュ・ボワのラベンダーオイル
「南フランス、プロヴァンスの標高1100m以上の高地に、この薬用ラベンダーの畑が広がっています。対馬ルリ子先生と一緒に見に行きました。これね、すごくいい。私はこのロールオン1本で、虫刺されも肩こりも全部ケアしています。
いま栽培されているラベンダーって交配されていて、もともとの性質を持った種からは育っていないのね。でも、このラベンダーは、大昔、ラベンダーがまだ山に自生していたころの種類。唯一の薬用種ラベンダーです。
鼻の下に塗っても、こめかみに塗っても、どこでもいい。これさえ塗っていれば、どんなときも気持ちよく過ごせると思います」
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