ダメ、触れてほしくない…不倫狙いオトコが使う「この手口」にやられて

後ろ指をさされる関係とわかっていても、やめられない不毛なつながり。

不倫を選ぶ女性たちの背景には何があるのか、またこれからどうするのか、垣間見えた胸の内をご紹介します。

 

【不倫の精算#25前編】

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ある日「別れた」とだけ書かれたLINEが届いた

その日、Hさんから届いたLINEには

「彼とは別れることにしました。

ありがとうございました」

と簡単な文章だけが書かれていた。

 

いつもならスタンプなどを前後に入るのに、この素っ気なさから感じたのは

「もう触れるなってサインなんだろうな」

というHさんのギリギリの精神状態だった。

 

Hさんは40歳、今は仕事の関係で遠方に住むが、異動する前は付き合っている既婚男性についていろいろと話を聞かせてもらっていた。

ひとり暮らしで両親はすでに他界しているHさんは、不倫をはじめるまでは気楽な独身生活を謳歌している印象だった。

それが、ある既婚男性との出会いで生活は一変し、人に言えない関係をみずから選び続けていた。

その終わりについて、「後悔」だけでは言い表せない苦悩が垣間見えた。

 

「既婚者なら独身みたいに迫ってくることはないだろう」

Hさんが付き合っていた既婚男性とは、友人のつながりで知り合ったのだという。

 

「ねえ、誰かいい人いない?」

と周りの友人に声をかけていたら、ある一人が「こういう人がいるよ」と教えてくれた。

 

その独身男性との飲み会をセッティングしてもらったとき、友達だと“付き添って”きたのが彼だった。

紹介してもらった独身男性とももちろんたくさん会話をしたが、既婚の彼とも話が盛り上がったHさんは、結局どちらともLINEのIDを交換した。

 

それからは、独身男性より既婚の彼とやり取りをすることが多かったという。

「紹介してもらった人がダメってことじゃなくてね、彼とは仕事の考え方とか時間の使い方がね、同じだったのよ」

 

彼と不倫関係になってからHさんはそう振り返っていたが、最初からカラダのつながりを想像したのではない。

「結婚しているってはじめに言ってくれたから、“あ、この人とは友達以上にはなれないな”って。

それで気楽になれたというか、単純に男友達ができるかなって感じだったんだけど……」

 

独身の男性だと、どうしてもいろいろと身構えてしまう。Hさんはそう続けた。

「趣味は何ですかとか休日は何をして過ごしていますかとか、そういう遠回しなやり取りも最初は楽しかったんだけどね。

彼とはもっとざっくばらんに会話できたから、そっちのほうが楽しくなっちゃって」

相手は既婚者だからこそ、おかしな関係にはならないだろうという油断がHさんにはあった。

 

「恋愛したいわけじゃなかった、うらやましかっただけ」

「でも、彼氏がほしくて友達に紹介を頼んでいたんでしょう?

だったら、既婚者と仲良くなっても仕方ないじゃない」

そう返すと、Hさんは首をかしげた。

 

「うーん、そうなんだけど。

いま思えば、彼氏がほしいっていうのは見栄というか、私みたいに独身で彼氏と楽しそうにしている人たちが羨ましかっただけかも」

曖昧な言葉と笑顔は、こんな“結果”になったことへのバツの悪さを伝えてきた。

 

「いざ“そういう人”が目の前に現れるとさ、腰が引けちゃったというか……。

恋愛がしたいんじゃなくて、している人が羨ましいから自分も、って感じ?」

揺れる声で、Hさんは自分への確認のようにつぶやいた。

 

それは、既婚の彼と肉体関係を結ぶことへの言い訳にも感じ、「本当は恋愛は求めていなかった」と言い聞かせているようだった。

 

結局、メインだったはずの独身男性との交際は流れてしまい、反対に既婚の彼とは順調なやり取りが続いたそうだ。

既婚の彼はというと、Hさんが自分の友人と交際に発展しなかったことを聞いて

「あいつはいいやつだと思うけど、合わないなら仕方ないよね」

とだけ返した。

 

既婚の自分と親しくなることについては何も触れないほうに、Hさんは安堵したのだった。

 

既婚男性の卑劣な罠「恋愛の練習をするのはどう?」

だが、友人との交際が流れたことを知ってから、彼の態度が変わった。

 

こちらに言ったのと同じ「恋愛がしたかっただけなのかも」という言葉をHさんから聞いた彼は、

「だったら、俺と恋愛の練習をするのはどう?

俺は既婚者だから安全でしょ」

とメッセージを送ってきていた。

 

「恋愛の練習」なんて、今どき少女漫画でもドラマでも使われないような陳腐なセリフだが、この一言にHさんの心が動く。

 

「そうね、もう何年も彼氏がいないし、練習もいいかも」

「彼なら知り合ったばかりで新鮮だし」

など、彼の言葉を肯定的に受け止めた彼女は、それから既婚の彼と“恋愛ごっこ”をするようになった。

 

「おはよう!

今日も俺のために頑張ってね」

「いま何してる?

声が聞けないと寂しくて死んでしまう哀れな小動物なんだけど、あなたはどう?」

と、笑いを誘うようなLINEのメッセージはHさんにとって確かに刺激であり、また久しぶりに心が高揚する瞬間だった。

 

その画面を見せられたとき、既婚者のやり口に背筋が凍る思いがした。

だが、すでに罠にはまっているHさんには

「オトナの恋愛ごっこを楽しむふたり」

としか映らないのも、また現実だった。

 

言葉が落としてくる際どい感情は、甘い困惑と“その先”を望ませるに十分の重みがあり、Hさんは当然のように彼を好きになっていった。

 

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