【40女の恋愛事情】story1 私はいつか結婚できますか?-39歳・恭子の場合(2)-

2016.07.26 LOVE

Geburtstagskuchen mit bunten Kerzen

「ああ、思い出したわ、クリスマスの夜に相談してきたかたね」

不意にリリサラさんの声がした。通話がまだ繋がっていた。

「あなた、40歳になる前に結婚したいって言ってたもんねえ」

「……覚えてるんですか?」

「全部じゃないけれど、一部は記憶してるわ」

「でも占い、外れましたよ」

「そのことなんだけど」

 

彼女は私に尋ねてきた。

「私があの時なんて言ったか、覚えてるかしら」

「だから誕生日までに恋人ができるって」

「ううん、言ったのは、それだけじゃないはずよ。カードが完全に明るいものではなかったもの。私は、いろいろなところに出かけてみて、って言ってなかった?」

「……」

 

そういえば、そんなことを、言われたかもしれない。

怒りの向こうに、あの時の占い師との会話が浮かんでくる。

「誕生日までは出会い運が続いているから、どんどんあちこちに連絡を取ったり、面白そうと思ったイベントに出かけてみるなりしてね」

そんな風に言っていたかもしれない。

 

 

「私から動かなければ、恋人ができないんですか?」

「あなたのその時の運気だったら、そうね」

「そんな……」

誕生日までに恋人ができると言われて浮かれていて、話を適当に聞き流していたって言いたいのだろうか。

ごまかされている気がした。

「でもできるって言ってたじゃないですか」

「あなた、行動しなかったのね」

とても冷たい声で、リリサラさんは言った。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク