がんを告げられた私が「再発の恐怖」と向き合った経緯【大穂その井#10】
52歳で突如としてがんが見つかり、同時に親の介護も担うこととなった大穂その井さん。ご自身の体験を話してくれました。好評の内容を再配信します。
*このシリーズの全話リスト
最後に、自分自身が戦い続ける「恐怖」の話
私の、大失敗しながらの実体験に基づいた「がん」と「介護」の乗り越え術。
- がんになった自分を責めるな(前進せよ)
- 自分だけで解決しようとするな(エリート街道を行け)
- 医師はチームメンバー(プロジェクトリーダーは私)
- 「助けて!」と言える勇気を持て(見栄を捨てよ)
の4つのポイントをお話してきました。最後は、
5.恐怖を乗り越える(自分を救うチカラ)
です。
今回はちょっと極端すぎて、皆さんに受け入れていただけるかどうかわかりませんが、思い切って賭けてみます(笑)。
私はわざわざ脱毛した姿をすてきに撮影した。その理由は
ひとりっ子でおひとりさまの私が、52才で乳がんを発症。54才でがんが再発してから、両親の介護に直面した7年間。
こんな私にとって、最大の恐怖は何だったかというと、それはまさに「がんの再発」でした。
でも再発しちゃった。身体がしびれるような恐怖がやってきたわけです。
そんな状態から自分を救うチカラになったもの、それがこの写真です。
そう、副作用で脱毛した自分のハゲ写真。
「なにをバカなことを」と思う読者の方は多いはず。女性にとって最も大切にしたい「女性らしさ」が失われた写真ですから。
でもこうやって、自分の最悪の姿を笑顔で残したことが、最も自分を救うチカラになりました。
これにはある大物実業家とのエピソードが隠されています。
かつて、私はボスからのメッセージに大泣きしていた
わたしが初めてがんになった7年前、アメリカ出張から帰国したある男性実業家が送ってくれた雑誌「 People」(2014.8月号)。そこにはこんなメッセージが付いていました。
その井へ アメリカのPEOPLE誌で全米モーニングショー、一番キャスターJoan Lundenが、優雅に、美しく、しかも勇敢に乳がんと闘っている記事を見つけた。
入院中だった私は、送られてきた雑誌の表紙を見て、感動のあまり声を上げて泣きました。
なぜなら、そこには、がん治療で脱毛した女性が美しく笑っていたから。※1
がんになって初めて思いっきり泣いた。
泣いたあと、「すがすがしい。綺麗」そう思い、ふつふつと元気がみなぎってきました。
この時、私は、がんを摘出するために、左胸を全摘出するとともに、転移していたリンパ節も切り取っていました。手術から8日目。
まだ身体にドレーンという血液の排液チューブが刺し込まれていて、ダメージ最強な時。
手術前の抗がん治療で髪の毛はほとんど抜けていました。
そこにこの写真です(泣)
つづき>>>困惑する周囲。私が救われた「ボスの態度」とは?
(参考)
※1 Peaple掲載写真(Instagram @joanlunden https://www.instagram.com/p/BZ6GiD4gDg-/?utm_source=ig_web_button_share_sheet)
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