大丈夫、髪はまた生えるから。みんなで連携して乗り越えよう【大穂その井#12】
52歳で突如としてがんが見つかり、同時に親の介護も担うこととなった大穂その井さん。ご自身の体験を話してくれました。好評の内容を再配信します。
*このシリーズの全話リスト
この写真で自分が「誰かを励ます立場」に入れ替われた
そうしたら、
「きっとたくさんのがん患者さんのチカラになるよ」「その強さに勇気をもらった」 とコメントがあって。
「あれ?私と同じだ!」 と。
あの時、キャスターの写真を見た時に私が感じたこと、それをそのまま健康な友人たちが感じてくれている。
がん患者じゃなくても同じことを思うんだ、それがわかって、このハゲ写真をがんの支援団体を通じて出していくことにしました。
もともとは、自分の心を奮い立たせるために、自分で自分を救うために撮った写真ですが、
今では、
- どこかにいる、乳がんになりたての患者さんで、「治療が怖い」と思っている方
- どこかにいる、髪を失うのが怖くて、抗がん治療を拒否しようとしている方(だめだよ)
そんな方たちに、
「ここに抗がん治療のダメージを受けた仲間がいるよ」「だから大丈夫だよ」
そんなメッセージを込めて出しています。
ただし受け止め方は人それぞれ。「こんな姿を出すのは感覚的に信じられない」「見せるな」という厳しいご意見もいただきました。
バービーの試みに私が感じる喜び
ところが去年、アメリカのマテル社がハゲ頭のバービーを発表したという記事を目にしました。※2
マテル社は、「美しさや包括性に対する多様な見方を反映するため、新シリーズのバービー人形を発売する」
というメッセージを出しています。
世の中の意識が少し少しずつ変わってきたのは間違いない、と感じています。
いま、がんも介護も当事者ではない皆さんへ。私からのメッセージ
私は現在、がんの治療を続けながら、たくさんの方のサポートを受け認知症の母の在宅介護をしています。
また社会活動として「セルフレジリエンス/逆境から自分をしなやかに救うメソッド」を実験心理学者やメディカルスタッフと共に研究・開発しています。
社長業22年の間、サイバー防衛やセキュリティ開発の仕事を主にしていたので、仲間も取引先も男性ばかり。30~40代の女性との交流はありませんでした。
ですから、このオトナサローネを通じて皆さんにメッセージを届けられることは、新鮮で、とてもとても嬉しいチャンスです。
この連載では、私の体験に基づいた乗り越え術をお伝えしましたが、「がん」も「介護」も人それぞれ。置かれた状況はさまざまです。
だからもし、皆さんがこの先、私のような「がん」や「親の介護」をダブルで経験するようなことになってお困りの時には、いつでもコンタクトして下さい。
ぜひ一緒に解決策を考えてまいりましょう。
(参考)
※2 バービー人形写真(https://metro.co.uk/2020/01/28/barbie-launches-dolls-with-vitiligo-and-bald-dolls-with-alopecia-12131534/)
スポンサーリンク