「自分だけ幸せになることはできない」思わず涙した息子が書いた自分宛の手紙の内容とは【オトナ婚/第15話(後編)】

2022.12.01 LOVE

40代以降で結婚した人=オトナ婚の経験者にインタビューするシリーズ第15回目は、息子さんが1歳の時に離婚、以来10年以上シングルマザーとして仕事に邁進してきたつくみさん50歳。同じ職場で出会い47歳で結婚した旦那様は、現在実家のお寺を継いで僧侶となっています。

どこで彼と出会ったの?

彼はどんな人?

どうしたら結婚できたの?

などなど、気になるオトナ婚の実態に、ライターのミナト薫(47歳)が迫ります。

 

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プロポーズ承諾後も婚姻関係を作らなかった理由

出会ってから6年、さらに3年間じっくりお付き合いされてやっと結婚することになりました。でも「さあすぐに結婚!」ということにはならなかったんですよね?

「すべては息子ですね。実は、夫と付き合い始めた頃、息子が私に手紙を書いてきたんです。私たちの交際に一応は賛同してくれていたものの、本心は寂しかったみたいで。

手紙には『お母さん僕を捨てないでください。僕、高校卒業したらすぐに働くから』という内容でした。私は驚いてしまって、すぐ息子に『心配しなくて大丈夫だよ。大学にも行っていいし、お母さんはあなたが大学に入るまで絶対結婚はしないから』と伝えました」

息子さんとしてはお母さんをとられちゃった気持ちだったんですかね……。それはつくみさんも身を裂かれる思いですね(涙)。

「息子とはずっと二人で暮らしてきたので、その手紙を見たときは『交際も結婚もキッパリやめた方がいいかも』とまで落ち込みました」

それでお二人で話し合って、息子さんが大学に入学するまで結婚を待っていたというわけですね。

「はい。夫も息子の気持ちを尊重してくれて、息子に『お母さんと自分が結婚しても、君はお坊さんを継がなくてもいいし、自分のやりたいことをすればいいから』と言ってくれましたね。そうやって少しずつ距離を縮めていった感じです。今は息子と夫はいい関係です」

 

コロナ直前、300名近くを招いて2回目の挙式

 

つくみさんが再婚することや、お相手が住職さんであることに、周囲の心配はありませんでしたか?

「実母は心配していましたね。やはり『お寺の奥さん』というのが仕事が多くて大変そうというイメージだったみたいで。『うちの娘にできるかしら』と思っていたようです。そのことを夫に伝えると、結婚する前に夫が自分の母親と一緒に私の実家に説明をしに来てくれました。『娘さんのことは心配しないでください』と母の不安を取り除いてくれましたね。妹さんからも兄をよろしくお願いしますと何度か言われて、すごく温かいご家庭でよかったです」

みなさんから祝福されているのがよくわかります!そうして3年の交際期間を経て息子さんも大学生になり、晴れてご結婚となったわけですね。

「はい、コロナ禍に入る直前でした。私が47歳、夫が45歳の時ですね。挙式のスタイルはお寺なので仏式で。檀家さんなども呼んで、招待客は300人近くになりました(笑)」

300人!それは盛大ですね! つくみさんは2回目の結婚式ですか?

「はい(笑)。2回目ということもあり、当初私としては式を挙げることに抵抗がありました。やらなくてもいい、と伝えたのですが、夫は長男でお寺を継がなくてはいけないし、檀家さんもいるのでそこはしなくてはいけないということになり。

ただ今思えばケジメという意味ではやってよかったですね。あと1ヶ月でも遅ければ、コロナが流行してこんな大勢の方に祝ってもらうこともできなかっただろうし」

 

「家に誰かがいる」というなにげない幸せを実感

結婚してよかったなと思うのはどんなときですか?

「今は息子が大学生になり家を出ているので、仕事が終わって帰宅した時、家で待っていてくれる人がいるとホッとしますね。結婚していなければすべて一人でやらなくてはいけなかったんだな、と思うとすごく安心感があります」

あらためて旦那さまのどんなところが好きですか?

「一つ目は家事を手伝ってくれるところ。この世代の男性だとまだまだ家事をしない人も多いと思うんです。でも夫は積極的に家事をしてくれます。たまにはご飯を作ってくれることも。ずっとシングルマザーだったので、私の代わりにご飯を作ってくれる人はいませんでした。人にご飯を作ってもらうと何よりうれしいですね。

二つ目は職業を理解してくれるところ。私は今准看護師として働いていて夜勤もあります。夫も看護師だったので、仕事のことをわかってくれるとことがありがたいですね。夜勤明けの私に『何もしなくていいよ。ゆっくり休みなよ』と言ってくれます。

三つ目は器が大きいこと。私、自分でいうのも何ですが精神年齢が幼いんです(笑)。そんな私と一緒に遊んでくれるところがいいですね。例えば私は今も彼の誕生日会を盛大に祝いたいのですが、私が無邪気にやっていることにも『ありがとね』と素直に喜んでくれる。さらに息子に連絡して『お母さんがこんなことしてくれたよ』と報告してくれたりもします。私だけじゃなく息子にまで気を遣ってくれます」

オトナ婚してよかったことはありますか?

「一度目の結婚は喧嘩ばかりでした。さらにお互い意地を張るので仲直りもすぐにはできませんでした。今は、喧嘩しても翌朝にはすぐ仲直りできます。どちらかが『ごめんね』と素直に言えるんですよね。謝ることや相手を許せる気持ちは、大人になり余裕ができたからかもしれません」

 

息子さんの気持ちを第一に考え、育児と仕事をしながらハードな学生生活を送るつくみさんのことを献身的に支えてくれた旦那様に対して、「死ぬまで恩返ししていきたい」と話していたのが印象的でした。自分と相手さえハッピーになればいいというわけではなく、「自分たちと周りの人すべてが幸せになる結婚」のためにゆっくりと愛を育んでいったつくみさんご夫妻。ついつい年齢のことを考えて婚活を焦ってしまうミナトですが、「自分にとっての幸せとは何か」とあらためて考えさせられるインタビューでした。

 

つくみさんからのメッセージ

・婚活中も落ち着いて、大切な人を傷つけないな恋愛をしよう。

・「この人ならいいかも」とビビッときた直感を大事に。

・今はタイミングじゃないと思っても、「とりあえず身に任せてみる」というのもあり。

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