緊張するシーンで「手に人を書いて飲む」のは逆効果…?たった一つの魔法の言葉は、意外にも!

こんにちは、日本最大級の不安・パニック専門のコミュニティ「nicot+」を運営する公認心理師、鈴木義一です。

突然ですが、あなたには、

「報告のシーンで、あれもこれも言おうとしてうまくしゃべれない……」

「仕事の納期が迫ってくるとどうしても気ばかりが焦って集中できない」

「ちょっと怖い人に話しかけるときに頭が真っ白になってしまう」

といった経験はありませんか?

3つ全部はなくても、1つくらいは経験があるのではないでしょうか。

今日はこのような「不安」が原因で起きる困りごとに対して、忙しい毎日でも手軽に「こころとからだをゆるめる方法」をお伝えします。

 

知らなかった……緊張を解くため「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせるのは逆効果!

 

いざ、これから緊張する場面へ!そんなとき、どのような気持ちを持てば、リラックスして臨めるのでしょうか?

 

まず、よくある間違いは「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせること、なんですね。

 

この行為は、緊張している自分の気持ちを否認する行動で、いざというときに、その抑え込んだ気持ちが、わっと出てしまうことがあります。つまり、自分の感情を否認することで、よりネガティブな感情が強くなるということがわかっているのですね。

 

本当にリラックスできるのは「その気持ちを誰かに認められたとき」なんです!

 

もし、あなたが、心配なことがあって人に打ち明けたとき、こんな対応をされたら、どんな気持ちになるでしょう?

 

「え?何が心配なの?大丈夫でしょ。気にしすぎじゃない……?」と。

 

あなたの気持ちは全く理解されておらず、心配している気持ちは、ちっとも晴れないかもしれませんね。

 

でも、一方で、気持ちを受け止めてもらって

 

「そうか、そうか。心配だったんだね、それは、緊張するよね」

 

と言われたら……?

そこには、ちょっと、ほっとする気持ちがあるかもしれませんね。

 

そう、実はネガティブな感情は、むしろ認められることで消えていく、という特性があるんですね。

 

では、緊張やドキドキがすっと消えていく「魔法の言葉」とは?意外にも……

 

 

では、緊張している自分に対しては、どんな声かけをしたらいいのでしょう?

 

答えは「そうなんだね」です。

 

例えば、

・緊張しているのであれば、「そうなんだね、緊張しているんだね」

・不安になっているのであれば、「そうなんだね、不安なんだね」

・ドキドキしているのであれば、「そうなんだね、ドキドキしているんだね」

 

自分の感情を認め、肯定してあげることで、負の感情が出やすくすることで、少しずつこころとからだがゆるんでいくのですね。

 

つまり、「いま、自分は、緊張している」と認めることが緊張から解放されるスタート、なのですね。

 

これらを、自分に思いやりを向ける「セルフ・コンパッション」と言うのです

 

このように、自分自身に思いやりをもち、自分の感情を認めること、これを「セルフ・コンパッション」といいます。今、ビジネスの世界で話題になっている「マインドフルネス」に次ぐ心理療法として、話題になっている療法の1つですね。

 

「セルフ・コンパッション」を提唱しているのは、米国テキサス大学のクリスティン・ネフ准教授。

「セルフ=自分自身」、「コンパッション=思いやり」という言葉からもわかるように、「自分に対して思いやりのこころを持とう」と説いています。

 

実は自己肯定感は、「自分自身を思いやってあげる」ことで上がっていくんです!

 

セルフ・コンパッションでは、そんな「自分の弱いところ」に対しても思いやりのこころを持ってあげることからはじめます。

 

仕事でもプライベートでも、悲しいと感じたり、怒りを感じたりしたら、「そんなことを思っちゃいけない」と抑え込むのではなく

 

「そうなんだね、悲しかったんだね」

「そうなんだね、腹を立てたんだ。怒りが湧いてきたんだね」

「そうなんだね、心配なんだね」

 

と、自分自身のありのままの感情を認めてあげる。

これが、セルフ・コンパッションの第一歩なのですね。

 

自己肯定感が高い人は、緊張しづらい。どんなシーンでも自然体でいられるようになる

 

ここまでお話しすると、「そんなに自分を甘やかしたら、逆に打たれ弱くなってしまうんじゃない?」と心配している方もいらっしゃるかもしれません。

 

でも、実は、全く逆なんですね。

 

なぜなら、心の強さというのは、欠点がないことではなく、

「欠点がある自分を、どれだけ、ありのままで愛せるか」だからです。

 

自分の心の弱いところ、醜いところ、そういう自分も含めて、わたしのままでいい。

そう思えることが、自己肯定感が高い、ということなのですね。

 

もしかしたら、緊張するのは、ありのままの自分ではなく、背伸びした自分を見せようとしているから、かも……?

 

そんな背伸びをして成長を目指すあなたも素敵ですが、どんな自分でもいいと思えて、自然体でふるまっているあなたも、また違った魅力がありますよね。

 

なので、もしよろしければ、次、緊張したときは、「そうなんだね」という魔法の言葉をつかってみてください。きっと、緊張が解け、自然体のあなたで話をしている魅力的な自分に気づかれると思います。

 

最後に

今回は、こころとからだをゆるめる魔法の言葉を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?ほんのちょっとした心理テクニックを知っているかどうか、で、緊張が解け、自己肯定感もアップしていきます。

 

今後、緊張する場面に臨むことがあれば、「そうなんだね」という魔法の言葉を使って、自分のありのままを認めることからスタートしてみてくださいね。きっと、ありのままの、自然体のあなたを発揮できるのではないか、と思います。

 

今日は、不安・パニック専門の公認心理師、鈴木義一がお届けしました。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

nico株式会社 代表取締役社長 鈴木 義一

大学卒業後、大手外資系企業の営業として毎日奔走するも、28歳でパニック障害に罹患。その後、克服した経験をもとに、2012年に不安・パニック専門のカウンセリング機関『日本カウンセリングサービス (現・nico株式会社)』創業。現在は62,000人を超える会員へメールマガジンの配信を行うほか、カウンセリングやセミナーの開催、コミュニティの運営等を行う。

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