青木さやかさんが子どもを「不必要に怒らない」ため、先輩から伝授されたとっておきの「シンプルな考え方」とは

2023.02.21 WORK

青木さやかさんファンのみなさま、こんにちは。待ちに待ったさやかさん4冊目のエッセイが2月21日に発売されました。

WEBザテレビジョンの人気連載を大幅に加筆した『母が嫌いだったわたしが母になった』、今回のテーマは「母と娘」。その冒頭からさっそく繰り広げられる母娘の掛け合いの、まるで目の前で起きているかのようなありありとした音と体温に驚かされます。

個人的に印象に残ったのは、母という立場にどこか戸惑いを持ちつつ、でも自分の感情とも必死で折り合いをつけながら進む、修行僧と戦士が同居するかのようなさやかさんの心情の変遷です。

中学生という難しい年齢に差し掛かった娘さんとの日々を振り返っていただきながら、「子どもとのよき関係の保ち方」についてお話を伺いました。

前編記事『青木さやかさん。私たちの育児と仕事と、その他いろいろの「しんどさ」の根本って何なんでしょう?』に続く後編です。

 

でも「お友達親子」になりたかったわけではない。「非常にラクな相手」がたまたま娘だった

 

――誰しも、お友達みたいに仲良しの親子という姿に憧れたりすると思います。さやかさんもそういう志向でしょうか?

いえ、お友達親子は志していません。そもそも私、「この子の前だとなんでもさらけ出せる」みたいな友人が、いるかな?と言われるといません。敢えて言えば、娘がはじめてそういう人かな。友達親子がいいと思っているわけではないのですが、結果的に「一緒にいて非常にラクである相手」が娘だったという感じです。

 

――どういうロールモデルを追っていったらそうなったのでしょう? さやかさんはお母様との間にしこりがありました。

先輩に「子育てが上手いね」と言っていただくことがあって、何的に上手いと言ってくれているんだろうと恐ろしいのですが。ただ、あまりに私の母が意思を押し付ける人だったので、それを反面教師にした部分はあります。なので、娘に何かを押し付けてしまったなと感じたとき「ごめんなさいいま私は押し付けようとしたけれど忘れてください」と言うこともあります。難しいもので、「勉強なんかしなくていいよ」と言っていたら、娘には「勉強しないでいいと押し付けられた」と言われていますが(笑)。

 

――作中にも出てきたエピソードですよね。中1ってみんなそんなに、高度な概念で反抗してくるものなんですか?

娘の友達のLINEの自己紹介欄を見ていると、聖書の一文を書いていたりする人もいるんです。いまどきの子どもってオトナっぽいですね。私も子どもに詳しくないので平均的な中1がどんなものなのかわかりませんが、私が思った中1と違う。

 

自分の中1のころと比べると、私はロッテリアにも行ったことがなかったですが、娘はスターバックスに行きますね。そして、いろんな世代の友達がいます。少し上のお姉さんもいますし、私の友達とも仲良くなったりします。私のヘアメイクさん、マネージャーさんなんか、私を飛び越して勝手に友達だと思ってます。私の周りの人たちは私の大切な人たちですから、その人たちの環境の中で、大勢の考えの中で育ってほしいなとは思っていましたが、ここまで友達になるとは思っていませんでした。

 

子どもを「わが子」ではなく「預かっているだけのもの」だと捉える。これで無駄な怒りが減る

――子どもというよりは、かなり小さな時点から一人の人間として尊重を続けてきている印象です。

先輩に「この子をわが子だと思わず、与えられた人だと思え」と教えられたんです。大勢いる子どもたちのうちの1人を預かっているだけの立場だから、この人を大人にするまで責任がある。そう思ったら子どもを客観的に感じられるよ。わが子に何をする!!なんて他人に怒ることも減るよと。作中にもある、子どもがいじめのような目にあうシーンでも、この考えがあると必要以上に傷つかずに済みますし、わが子をいじめてるように見えた子のことも怒らなくなります。大人になればこういうことはいくらでもあるから強くなってほしい反面、傷つけるものからは遠ざけたい。私の感情の問題です。なので、最初から尊重していたというよりは、子どもが育つ過程で自分の感情のバランスをとっていたら、結果として尊重が増していたという感じです。

 

――「お母さんであること」に関して、ものすごく全力で努力をしているのかな、とも感じます。これはとっても体力のいることで。

私はとっても感情的な人間なので、かなりの努力をしないと必要以上に娘に近付いてしまうし、また娘を傷つけるものを過剰に排除しようとします。育児ってどうしても体力的に疲弊するし、毎回初めてのことに直面するので、感情のコントロールなんてできるはずがない。だから解決のためには感情に任せず、なるべく何でも頭で理解しようと努めようと思っています。どっちが得か損かで考えて、得なほうをとっていく。喧嘩しちゃうとそれから数日間家の中の雰囲気が悪くなりますから、「いま娘とケンカしたら仕事に影響が出るかもしれないタイミング、それはよくないからいまは私が我慢したほうがいい」というように。自分の欠点と向き合い、なるべく欠点をなくしていく努力を続ける。

 

――喧嘩、しますか? さやかさんがうまいことくるっと丸めて対立を避けている雰囲気を感じましたが。

あっという間になりますよね、喧嘩って? まさか、今日喧嘩しようって思って家に帰る人なんていないと思いますけど、いざ帰ってみると部屋が汚れている。私、部屋が汚れてることが「やたらと」好きじゃないので、娘の部屋をついつい片付けてしまうんですが、何度片付けても同じように置きっぱなしにしていると、ハア???みたいな感じになりますよね。それでいて、何でYouTube見ながらご飯食べてるのか。そんな娘ですが、尊敬する女子の先輩に「あんたYouTube見すぎだよ?」と言われてもうやめようと思ったみたいです。ありがたいなと思いました。

 

――親が言っても聞かないのに、他人だと聞きますよね…子どもと「よい」関係性を保つ上で、ひとつ何か大切にしたらいいことって何でしょうか。

育児って、自分もいっしょに生まれなおし、自分を育てなおす感じがあります。娘は自分のいちばん大事なものなので、その子を大事にすることは自分を大事にすること。自分に自信がないと、ただただ娘を愛するということがすごく難しいと感じたりもします。娘を大事にするためには、まず自分を大事にしないとならないんだなって、いつも考えています。

 

私もまだ子育ての渦中にいるので、これがいいという答えはないし、そもそも答えは100人100通りなのかもしれません。が、いずれにせよまずは自分を大事にすることは間違いなく重要だと思います。ましてやシングルでワンオペの人は明らかに疲弊していると思いますので、どうにかこうにか大変さをラクにしていける方法が見つかるといいなと思います。その一つが、この本になるといいなと思います。

 

さやかさん、お話をありがとうございました!!(オトナサローネ編集部 井一)

 

 

▶前編記事『青木さやかさん。私たちの育児と仕事と、その他いろいろの「しんどさ」の根本って何なんでしょう?

 

撮影/松木潤(主婦の友社写真室)

『母が嫌いだった私が母になった』青木さやか・著 1500円+税/KADOKAWA

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■発売を記念したトークライブが開催されます!■

ゲッターズ飯田 & 青木さやか トークライブ 『母が嫌いだったわたしが母になった』出版記念イベント 2人会

2023年3月9日(木)
開場 18:45 / 開演 19:15
会場 : なかのZERO 小ホール

チケット 3000円
・イープラス
2月16日(木) 12:00〜 発売開始
https://eplus.jp/sf/detail/3815640001-P0030001
(2月16日(木) 0:00〜サイト公開)

 

チケット番号
①1列5番
②1列6番の方は
イベント開演前鑑定権が付きます。

該当するチケットをGETできた方は開場時間15分前(18:30頃)にチケットをお持ちの上、受付にお越しください。

 

 

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