夏、京都。大人目線の見どころ、教えます。

京都ってやっぱり魅力的な街ですよね。外国人がこぞって訪れるの、わかります! じつは、先日、ふと、「そうだ、夏の京都に行こう!」と思い立ち、新幹線に乗ってしまいました。「夏の京都」ってあまりイメージはないかもしれませんが、緑はきれいだし、鮎や鱧など夏の味覚もおいしい! 観光の面でも夏ならではの見どころやお得な面もあってけっこうおすすめだったりします。今回は、40代女性の目線で、夏の京都の魅力をご紹介します。

 

夏の「特別公開」をチェックせよ!

現在、夏の旅シーズンに合わせ、京都市観光協会が観光キャンペーン「京の夏の旅」を開催中。9月30日まで、普段は非公開の施設や寺社の建物など7か所公開されていて、大正から昭和にかけて活躍した建築家・本野精吾の元自邸や、下鴨神社の神様のお台所「大炊殿(おおいどの)」などが見学できます。今回、私が足を運んだのは、大雲院祇園閣。今年生誕150年を迎える建築家・伊東忠太の設計による昭和初期の建物なのですが、このかたち、見覚えがありませんか? 「祇園閣」というだけあって、祇園祭の鉾を模しているんすって。外から見るだけでも印象的な建物ですが、ぜひこの機会に中に入ってみたいものです。

建物の壁面を飾るのは、創建400年を記念して描かれたという敦煌の壁画模写。これがかなり見ごたえあり。周囲に遮るもののない閣上からの眺望も必見ですよ。晴れた日には、遠くあべのハルカスまで見渡せるとか。

※「祇園閣」内は撮影禁止

なお、「京の夏の旅」キャンペーンについては、こちらのHPでチェックしてみてください。

大雲院 祇園閣

SNSで話題の「ハート型窓」は必見です!

今回の京都旅行でどうしても行きたかったのが、宇治田原町にある「正寿院(じょうじゅいん)」でした。こちら、SNSで人気に火が付いた、ハート形のかわいらしい窓があるんです。もはやハートにときめく年齢ではありませんが、かわいいものはかわいいですからね。

ハート型の窓は客殿にありました。うーん、たしかにかわいい! 必要以上に何枚も写真を撮ってしまいます(笑)。じつはこのハート型は「猪目(いのめ)」といい、日本には約1400年前に伝わった文様。菩提樹の葉が猪目の形であることから古来より厄除けの意味で使われてきたそうで、決してかわいいだけじゃないんです(笑)。

かわいいポイントはほかにもありました。客殿の天井には、色とりどりの160枚の天井画が描かれています。

本堂の天井画は250年前のものですが、客殿のものは、画家や芸大生などが、花と日本の風景をテーマに描いたカラフルで個性あふれるもの。客殿には仏様は祀られていないので、ごろんと寝ころんで、通り抜ける風に吹かれながら天井画鑑賞するのもあり、だそうです。それじゃあとお言葉に甘えてごろんとさせてもらいましたが、通り抜ける風も心地よく、お昼寝をしたくなるほどの快適さでした!

ちなみに、本堂には本尊の十一面観音菩薩様がまつられているのですが、こちらは50年に一度しか御開帳されないそう。前回は平成2年だったので、あと20年強待てばいいってことですね。うん、見てみたいです。

夏のトピックスとしては、9月18日まで「風鈴まつり」が開催中。

2000個もの風鈴が飾られ、ちりんと涼やかな音を奏でていてなんとも風流!

宇治の山間部に位置する宇治田原町は京都市内よりも涼しいので、避暑がてら話題のハート型の窓を見に訪れてみてはいかがでしょう。アクセスですが、少し前までは車がないと行くのは難しい立地でしたが、現在はコミュニティバスが運行中。本数はそう多くはありませんが公共の交通機関だけでもアクセスできます。バスの時間など、詳細は正寿院のHPで確認を。

また、夏の宇治、そして伏見エリアの旅は、こちらのHPが参考になります。

正寿院

ロックな襖絵を愛でにいくべし!

今度は、京都市内に戻り、青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)へ。青蓮院は比叡山上にあった僧侶の住坊が起源で、江戸時代に大火によって御所が炎上した際には仮御所にもなった由緒あるお寺ですが、こちらは襖絵がなんともアートなんです。現代アーティストである木村英輝さんが、現代の画材であるアクリルガッシュやネオカラーを用いて描いた色鮮やかな蓮で、「蓮―青の幻想・生命讃歌・極楽浄土」が表現されているんです。

夏はひときわ日本庭園の緑と襖絵のコントラストがより映える季節。ロックな現代アートと由緒あるお寺の不思議な共存を楽しんでみてはいかがでしょうか。

青蓮院門跡

修学旅行で訪れたお寺のことはよく覚えていなくても、大人になって京都が好きになったという人も少なくないはず。夏の京都、素敵ですよ~。

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