即効性あります。イラッとしたときにその場でできる対処法とは?【悩みを手放す21の方法#1】
曹洞宗徳雄山建功寺第18世住職で、庭園デザイナーの枡野俊明さんの新刊『悩みを手放す21の方法』(主婦の友社)の中から、自分がラクになれるヒントを8回に分けてご紹介します。
1回目のテーマは「息を吐く」です。
呼吸と姿勢を整える。それが「心を磨く」第一歩
感情に振り回されない人になりたい、どんなときにも落ち着いていたい、自分らしくありたい……そう思う人は多いことでしょう。
でも現実には、誰かの言葉や行動にカッとしたり、緊張してうまく話せなくなって実力が出しきれなかったりするものです。「落ち着け」「冷静に」と脳がどれだけ命令しても、バクバク動く心臓を、手のひらににじむ冷や汗を、私たちは止めることができないのです。
そんなとき、まず確認してほしいのが呼吸です。怒りや驚き、緊張などに心が支配されているとき、呼吸は必ず浅くなっているものです。胸だけでハッハッハと短い呼吸をしているはずです。呼吸はそのときの心の状態と結びついているものなのです。
心の状態で呼吸は変わり、呼吸の状態で心が変わります。心をコントロールできないときこそ、呼吸をコントロールしましょう。
禅には「調身、調息、調心」という言葉があります。姿勢を調え(調身)、呼吸を調え(調息)れば、心も調う(調心)という意味です。この3つは不可分のもので、どれかひとつ欠けてもうまくいかないという意味です。
正しい姿勢をとらなければ正しく呼吸することはできません。心が乱れているとき、たいてい肩や背中に力が入っているはずです。胸がギュッと縮こまっているから浅い呼吸しかできないのです。
まずは「ふぅ~~」と息を吐きましょう。呼吸という言葉は、呼(はく)吸(すう)の順番になっていますね。同じように、深呼吸するときも息を吐くことが先です。体の内側にある息を全部出しきったら、今度は新鮮な霊気を取り込むような気持ちでゆっくりと息を吸い込みます。吸い込んだ息は胸のあたりでとどめず、おなかまで落としていきましょう。
体に力が入りすぎていると、呼吸はおなかまで落ちていきません。その場合はもう一度、ゆっくりと息を吐きます。そのうち、じょじょに体の力が抜けていくのがわかるのではないでしょうか。
▶〈つづきを読む〉『心を整える第一歩が「息を吐く」こと。正しい呼吸法を身につけて』
悩みを手放す21の方法(枡野俊明著/主婦の友社刊)
プロフィール
枡野俊明(ますの・しゅんみょう)
1953年、神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺第18世住職。庭園デザイナー。多摩美術大学名誉教授。大学卒業後、大本山總持寺で修行。「禅の庭」を通して国内外から高く評価される。芸術選奨文部大臣新人賞受賞、ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。『禅僧が教える不安に負けない心の整え方』(主婦の友社)など著書多数。
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