
吉田兼好『徒然草』から読み解く、本当に有益な「時間の使い方」。毒舌歌人に学ぶ「型にはまらない」自由な人生とは?
歴史上のえらい人たちって、みんな、天才に生まれついた上にものすごく努力をしたんでしょ、そんなの私が同じようにできるわけがない。何の参考にもならない……と普通は思いますよね。
よくよく人物を研究すると、意外にそうでもないんです。「結果的に成功した」人が後世に伝わっているのであり、ひとりひとりがやってることを見ていくと「すごく人間くさいな~」と思うようなことも多々。
たとえば、鎌倉・南北朝時代の知識人である吉田兼好もその一人。
「徒然草」の作者として知られる吉田兼好ですが、……? 『読むとなんだかラクになる がんばらなかった逆偉人伝 日本史編』(加来耕三・監修、ねこまき・画)から抜粋編集してご紹介します。
世間の常識は気にしない!「ヒマがある人生」こそが有益という考え方
「つれづれなるままに、日暮らし硯すずりに向かいて……」
古典の教科書に必ずといえるほど登場する、『徒然草』の書き出しです。
「ヒマに任せて一日中硯に向かって~」といった意味ですが、作者の吉田兼好には、なぜそんなに時間があったのでしょうか?
吉田兼好は、京都・吉田神社の神職である卜部氏という由緒ある家系に生まれました。その人生ははっきりしない部分もありますが、19歳のころには、後二条天皇に蔵人(秘書的仕事)として仕えたといいます。それを20代半ばで辞し、30歳前後に出家しました。
『徒然草』に、「何の興ありてか、朝夕君に仕へ、家を顧みる営みのいさましからん」と兼好は書いています。「何が面白くて、朝夕に宮仕えをして、家の心配をして暮らさなきゃならないんだ」という意味ですが、彼は世間的な枠にはめられた暮らしより、自由が欲しかったようです。
「名利に使はれて、靜かなる暇なく、一生を苦しむるこそ、愚かなれ」とも書いています。「名誉欲や利益を追い求めて静かな時間も持てず、苦しむ人生は愚かだ」というのです。つまり、兼好は「ヒマを持て余した」のではなく、ヒマがある人生こそすばらしいと考え、それを実践したのです。
▶自由なポジションと文化を求む!
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