東大生は【身体的認知】から、自分は「心温かい人」「重要な人」と思われる術を知っている

身体的認知でわかる、売れるトイレットペーパーの陳列

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このVRの研究者は、VR空間での体験をより現実に近づけるため、心理学を学んでいました。
心理学は細かく分類されていますが、その中の「身体的認知」を研究に活用しています。

 

身体的認知の研究によると、トイレットペーパーやバスタオルなど触り心地が重要とされる商品は、実際に店頭で触れる状態にしてあるとより多く売れます。

どうしてなのかはわかりません。
実験によって有意な結果が現れたからといって、理由がわかるわけではないからです。

ただ、なんとなく「触れる方がよさそう」と誰もが思うはずです。
触ることで商品の印象が悪くなるところは想像しづらい。
ぼくらの直感と有意性が確認できた実験の結果が、こうして結びつきます。

 

また、温かい飲み物を飲んでいると、一緒にいる人に対し「温かい人」という印象を持ちます。
さらに、重たいものを持っていると、その“もの”や“一緒にいる人”を重要だと思います。

硬い椅子に座っていれば頑固になり、柔らかい椅子に座っていれば考えを変更しやすくなります。さらには、苦い飲み物を飲んでいるときは悪い評価を下す傾向があります。

 

どれも実験の結果によって得られていますが、どんな場合も通用するわけではありません。
例えば、全体の10%とか30%くらいの人はそうなるだけで、「みんながそうなる」と思わないでください。
心理学とはそういうものだし、それで十分のようです。

 

それでも、目の前の人に良い印象を持って欲しければ、温かい飲み物を一緒に飲んでみると良い。
自分のことを頑なに拒否する異性も、やわやわの椅子に座ってもらってから説得すれば、デートに応じてくれるかもしれない。

少しでもものごとが自分の望む方向へ転がる可能性があるのなら、身体的認知は人の役に立ちます。

 

重要なのは、身体が認知したものによって、人の思考や行動が変えられるということです。
「50%オフ」と黒字で書かれるより、赤字で書かれた方が買いたくなりませんか。
「1万円」より、「期間限定 半額1万円」の方が買いたくなりませんか。

 

人の行動はあらゆる認知の影響を受けます。
そういう勉強をしたくて、東京大学に入りましたが、それを勉強するだけなら大学に入らなくてもできます。
心理学や行動経済学の本や、Googleスカラーで検索できる論文を読むことで学べます。
意欲があればどこでも学べるところが、現代社会の優れた点だと思います。

ひとつ学ぶと、社会と自分の知識がネットワークを持ち、「面白い」と思うことが増えて、人生がより楽しくなります。

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